近藤・家入・柳澤 「組織をツクレ」 トークセッション

近藤・家入・柳澤 「組織をツクレ」 トークセッション

今日はカヤックさんが主催した、はてな近藤社長、ペパボ家入社長、カヤック柳澤社長の3人によるトークセッション『組織をツクレ』に行って来ました。

今日はカヤックさんが主催した、はてな近藤社長、ペパボ家入社長、カヤック柳澤社長の3人によるトークセッション『組織をツクレ』に行って来ました。
この面子でセミナーやるなら普通「これからのネット」や「サービスづくり」系の話にしてしまいそうなものなのに、そこをあえて「組織」という切り口でパッケージしてきたカヤックの柳澤さん素敵。

セッションの模様は、バスキュールさん開発(カヤックさん販売、ペパボのheteml上でサービス)のFLASHライブストリーム&チャットツール<オンライン参加システム>を通じてネット配信されていましたが、その仕組みがたいへんいい感じだったので、ちょうど次回のRTCでそれを使わせていただきたい、とお願いをしてきました。詳細調整中です。

以下、議事内容をざっくりとメモしたものを軽く成型しただけのものです。その場だけのネタトークもありますので、話半分で読んだほうがよいと思います。ただ、もちろんポイントポイントにおもしろい示唆があるように思いますね。


「組織をツクレ」

■どんな人を中心に集めていますか? また、意図しているような人材が勝手に集まってくるような事前の仕掛けや工夫などはありますか?

家入:
・社会不適合な人が多い。黙々と仕事してるんだけど、その中でどろどろと考えている人が多い。仕事中は静か。
・目を見ない人(笑)
・デザイナーが多い

柳澤:
・社長の職種に影響されるんだろうな

近藤:
・19人のうち十数人が技術者
・「こういう考えの人」というのを集めるわけではない
・ちゃんと話ができる人
・入った後に、似たはしゃぎ方をする人が多い。ふつうありえない叫び声をオフィスで、とか。
・20人くらいまでは人柄を重視していたが、これからは・・・

家入:
・人柄かスキルか、でいうと悩ましいが、結局はフィーリング

柳澤:
・鎌倉を本社にしたために、最初からその場所でもいい、という人に限られる

近藤
・メディアにいろんな情報が出てるので、それでフィルタ(EX:自転車のりたくないなぁとか)はかかっているのでは
・はてなコアファンばかりではない

近藤:
Q:おもしろい会社であり続けられる規模はどれくらいだと思う?

柳澤:
・Googleなんかの例もある。だから採用戦略大事だと思う。

家入:
・人数が増えるたびに壁にあたるが、なんとかなってきてる
・現在技術者は20人

柳澤:
Q:どこまで技術陣ほとんどの状態でいくつもり?

近藤:
・まだ決めていない

近藤
・24歳がボコボコと4人入った。そこがJavascript部隊になってる。その世代はなんでも好きなこと言う(笑)

会場:
Q:近藤さんはこれまでは若い側の人間として見られてきたが、そうして24歳とかの人たちと接すると世代差も感じると思う。どのように接していこうと思うか?

近藤:
・尊重していこうと思う。
・自分は上の世代を古臭いと思っていたわけだけど、これから自分が思われることがないようにしたいと思う
・共存共栄していける

会場:
Q:営業社員はどの程度いるのですか?

近藤:
・営業は3人

家入:
・管理と営業が一体

■組織をつくるという視点から、社長ブログが役に立ったエピソードがあればおしえてください。

近藤:
・社訓2.0
・ブログで社員に伝えたいことを書いてみて、よりたくさんの人の中で峻別を受けながら伝えていく

家入:
・ぼくは人前でしゃべるのがダメ。ブログは子供のことばっかりだし・・

近藤:
Q:社内向けのブログは?

家入:
・社内ソーシャルがある。

近藤:
・社内向けの方が文章が多い。1日10本くらい。
・最近作文がメインの仕事になってる(笑)

■社外向けブログ
家入:
・当初は「あんなことやりたい」とかを書いてて

近藤:
・アクセス数が少ないうちはあまり理想とか書いていてもイタイ。アクセスが増えると批判もあるがその状況自体がうれしい。
・PV数は5000PV/日くらい

柳澤:
・社長ブログは有効か?

近藤:
・外向きは諸刃の剣。社員も書いて社長も書く、となると有効だと思う。

■組織をつくる上で、オープンにしない方が良いことがあるとしたら、それはどういうものですか?”社外向き”と”社内向き”それぞれ教えてください。

家入:
・社内では自分の給与もオープンにしている。社員同士はオープンじゃない。

近藤:
・プライバシー的なこと
・セキュリティ的なこと
・それ以外は出す

近藤
・グループウェアに全ミーティングをPodcastingしている
・人の悪いことを言うと全部わかる。今はそれを聞いて社員間で小さな衝突もある。
・もっと情報量を増やすことでそんなものも超えていけるように思う
・模索中

柳澤:
・負の評価は聞かない
・ネットの評価は負が多いのだが、プラスの評価がどれだけあるかで測るようにしている
家入:
・一時、社内でMVPコンテスト(1人あたり2人ずつ、前の月によくがんばったと思う人を選んで理由のコメントをつけて投票し、開票して内容をすべて公開する)というのをやっていたが、それで雰囲気はよくなった

近藤:
・半年に一度全員が全員にいいところとわるいところを書いて、全員分をオープンにしている
・相互評価ボーナス制については、やってはいるがやっぱり基本査定の方が影響大きいから・・・

柳澤
・さいころ給

会場:
Q:ブログや2ちゃんでのサービスの評判が悪かったときに社員個人がへこむことはないか?

近藤:
・事前にみんなで評価して出してるから連帯責任、という考えになってる

家入:
・ありますよ。昔はぼくもずっと2ちゃん見てました。自作自演もしてました(笑)

近藤:
・サポートの社員は名前を出す分だけ、苦しむことも多い。

会場:
Q:サポートの社員のケアはどうしているか?
・まずはそういった仕事に向いた人をあてること
・世間的に、作る人は0から始まってプラス方向に評価され、守る人は0から始まってマイナスの方向に評価される。そうなってしまうものだ、ということを社内で浸透させている
・いいところを見つけたら普通よりほめるようにしている

■目標にしている組織はありますか?
家入:
・これ、というものはない
・いろいろ考えてペパ研などやっているが、チーム毎、どっちのコストか、というところなんかが課題になる

近藤
・これ、というのはないが、部分部分でおもしろいと思うものはある
・例えばお菓子の「六花亭」 一生菓子屋という価値観。社長が社員1000人全員に日記を書かせて全部読んでいるとか。

■目標がない、という苦しさはないですか?
近藤:
・この仕事はそもそも挑戦だと思う

家入:
・最近はあまりない

■番頭はおいてる?
家入:
・それがいるからやってられる。

近藤:
・階層を増やしたくない⇒全てオープンにするから言いたいことは言ってほしい、という感じ

■はてなは創業してから誰もやめていない。なぜか?
近藤:
・意識して何かをしているわけではない。

■モチベーションをあげる仕組みについて
近藤:
・はてなは当初2年は受託だけでやっていたので管理型の組織だった。はてなサイトができて反対側に振った。
・「ほめる」。がんばった成果が評価されていることを可視化するようにする。口に出してほめる。わーっとか。

家入:
・こういうことをやりたい、というのが下から上がってきたときにすぐに実行できる体制作り。検討してることをちゃんと見えるようにする、など。
・「笑いの共有」は大事。サムイのはクビw

■オフィスレイアウトは?
近藤:
・フリーアドレス。効果的。
・パーティション切ったり、ほりごたつ入れたり。気分に合わせていけるようにしたい。
家入:
・今は普通。今度引越予定。いろいろ考えている。

柳澤:
・昔はこだわっていたが、今はみんなにあわせてる。
・順番に海外に行って働く「海外オフィス」というのは今年もやる。

■モノヅクリにこだわる組織にするために
家入:
・職種に限らず全員がクリエイティブであってほしい。意見出しは総務の子まで参加する。ネーミングやデザインなど。フラットに。
・面接で絵を描いてもらうというのはよくやる。

■資本をいれて変化は? :(近藤)
家入
・やりづらくはなった。が大きくは変わっていない。

■お金の面ではいいけどものづくり的にはダメ、というようなときはどうしているのか?(近藤)
家入:
・みんなで議論する
・最後の最後まで細かいところにこだわるのは自分。

バスキュールの朴社長:
・広告のWebサイト制作が基本なので客がいる世界。まずは期待に必ず応える。35人の全員は自分の目の届くところでやっている。みんなが自分達で情報をちゃんと共有したり。
■社長自身が手を動かす時間は?
柳澤
・ディレクションという意味ではほとんど毎日。

近藤
・週に3回コードを書く日がある。

家入
・会社のサービスは全く触らないが、ブクログなどは毎日触っている


・20個の仕事のうち15個は自分が携わるが、ディレクションをするくらい。

■向こう1年の課題は?
家入:
・上場に向けた整備。管理仕事が増えてモチベーションの下がる人もいるが、そこをちゃんとすること。

近藤:
・今までは順調にユーザー数が増えてきたが、mixiのようなところもある。
・どうやって常に新しくインパクトの強いサービスを生み出すか、が最大の課題。

朴:
・受託の仕事なので、作り続けてる
・ここ2年で「ウェブの会社のカタチ」みたいなものが見えてくるんじゃないかな、と思う。

柳澤:
・去年カジをきった。それまで4人だった。今20人。今年リリースするサービスでどれだけカジをきれるか。
・新しいものを作り出し続けることが「成長」の定義なので、人が増えなくても作り出せば成長。