2009年11月29日

あるこんにゃく店の妄想

先日ケイティにお申し込みくださった方で「こんにゃく店」という方がいらっしゃいました。こんにゃく店。そんな粋な業種名を見た瞬間、ふと妄想がふくらみました。

きっとこの方のご商売はこんにゃくだけに特化して、こんにゃくの製造から販売までをこんにゃく専門家が一貫して行い、こだわりの品質とお客との持続的関係に立脚して高単価高再訪率で地域のこんにゃく流通シェアの○%を掌握しているのだろう、と。

選択と集中、製販一貫、高付加価値高単価、エリアドミナント戦略、それを支える品質とコミュニケーション。これからの時代を生き残るのはそんなビジネスに違いない。ケイティはそんなこんにゃく屋さんたちのご商売を携帯マーケティングの面から応援していきたいのです。

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2009年11月28日

ウェブサービスのKPIがアクティブ率になる中で考えておくべきこと

ウェブサービスの最重要KPIはアクティブ率になってくる、という話を以前書きました。

ウェブサービスに粘着性が重要な件 | 近江商人JINBLOG

いろんな側面でPV/UU神話が崩壊しつつある昨今、ウェブサービスの最重要KPIは「アクティブ率」になってくると思います。そして「粘着性」という語はその最重要KPIの趨勢を握るウェブサービスのキモとなってくると思います。

最近になってソーシャルアプリの成否をDAU(デイリーアクティブユーザー) WAU(ウィークリーアクティブユーザー)といったアクティブ数指標で測る場合が出てきてたいへんよい傾向だと感じています。

逆にソーシャルアプリを累積登録者数の横並びで測るのは、初動を見る以外の目的では誤解を招くように思います。顔ちぇきが1億ユーザーでmixiが2千万ユーザーだから顔ちぇきはmixiの5倍の価値・・ ということにはなりません。アプリプラットフォーム側が指標の提示とデータのオープン化を進めるのが理想ですが。

ウェブサービスは「利用」と「価値発生」が不可分なサービス財なので、ワンタイムの「登録」やサービス設計で操作可能な「PV数」のようなものではなく「利用」こそがスループットにあたります。ここがパッケージソフトや1wayのウェブサイトとの違いです。

この「利用」については、ログイン行為や何らかの操作など”利用”と計上するための「アクション」、毎日か3日毎か1週毎かなど想定する利用の「スパン」、1ユーザーが燃え尽きるまでの「ライフタイム」などの指標に対して、サービス設計で想定する利用形態ごとに見るべき値と目標は異なってきます。

DAUかMAUか何らかのレートになるかはわかりませんがいずれ業界標準のアクティブ率を測る指標は設定されると思います。しかしながら標準だけよりもサービスごとの設計に適した内部指標を持ってそのKPIが高まるように改良を続けるというアプローチが望ましいと思います。かつてmixiが「3日以内ログイン率」という誰も使ったことのない独自指標にこだわり続けることで現在のプラットフォームとしての立ち位置を築いたように。

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2009年11月27日

始末してきばる

一般的に「始末する」という言葉は負の意味合いを帯びることが多いようですが、滋賀県出身の私にはたいへん違和感があります。滋賀では基本的に「始末」はほめ言葉、倹約できる、モノを生かしきる、うまく片付けるといった意味を帯びているものでした。「あんた、よー始末できるなぁ」のような用法。

始末してきばる

近江商人に共通な日常の心構えである。倹約につとめて無駄をはぶき、普段の生活の支出をできるだけ抑え、勤勉に働いて収入の増加をはかる生活を表現している。「しまつ」は単なる節約ではなく、モノの効用を使い切ることであり、「きばる」は、近江地方では「おきばりやす」という挨拶につかわれているくらい日頃から親しまれた言葉である。近江商人の天性を一言で表現している。

「三方よし」 ミニ情報 - 用語解説 - 近江商人関係より

個人的に日本史の為政者で好きな人を挙げるときには徳川吉宗が浮かびます。質素倹約を旨として現場主義で改革を進めた人物ですね。おそらくこれは私が滋賀の実家で受けた始末してきばれの教育によるところが大きいと思います。

しまつしてきばろ。

関連: 始末の始末 - されど空の青さを知る

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2009年11月26日

ウェブ屋が忘れちゃいけない当たり前のこと

ウェブ屋として肝に銘じておこうと感じたのでメモ。

High Performance Web Design ~デザインから考えるハイパフォーマンスWebサイト~ | warikiru

Google:0.5秒遅くなると、検索数が20%減少する
Amazon:0.1秒遅くなると、売り上げが1%減少する
怖いですね、たった0.1秒遅くなることで数十億、数百億ぐらいの影響になってくるということです。このようにパフォーマンスが低下すれば収益に直に影響してくるといったケースが考えられます。

スピード・軽さ 大事。

マイネットが現在軸足を置いている携帯ウェブは端末・回線インフラや事業者インフラが日進月歩で未だユーザー体験にバラつきが多い領域なので、なかなかパフォーマンス評価に共通認識を持ちづらくはあります。このために「遅い」という事実に対して若干不感症になりがちなのではないかという感触があります。

ユーザー体験のきもちいー感を突き詰める上ではサービス上のユーザビリティやデザインへのこだわりももちろん大切ですが、そもそものところでサイト/サービスを味わう前にのろくてがっかりさせていては何の意味もない。PCウェブ側で高速常時接続が当然の環境になったが故に、スピードというのは作り手側にもっとも抜け落ちがちなポイントだと感じます。

長くネット事業を営まれている先輩からは笑われそうな話ではありますが、意外と忘れていそうなので自戒を込めて。スピード・軽さ 大事。

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2009年11月25日

ドコモiメニュー タウン情報全国版 1位にどこでも!ケイティ

11月24日のドコモiメニュー月次改編で、クーポン情報サイト「どこでも!ケイティ」がタウン情報カテゴリ全国版の第1位になりました。いつもご利用くださっている皆様、サイトを共にお作りくださっている店舗ユーザーの皆様のおかげです。

ちょうど先日20日にどこでも!のお店ページの使い勝手を上げるリニューアルを行ったのですが、こちらもたいへんご好評いただいて皆様これまでにない度合でサイト内を回遊してくださっているようです。

サイトの改良を重ねて生活者の皆様の利便性を高めてより多く使っていただき、そこに情報を出そうと思うお店の方々により多く集まっていただき、そのお店さんの存在がまた生活者にとっての魅力となって人が集まってくる。そんなエコシステムを育てていきたいと思っています。

いつもケイティをご支援・ご利用くださる皆様に今後もいっそうたくさんのバリューをお返ししていきたいと思います。

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2009年11月24日

法政大でケイティのフリーミアムモデルの講義

今日は法政大学経営学部のベンチャービジネス講座で1コマ講義させていただいていました。テーマは「大企業出身起業の実際とkatyのビジネスモデル」。いただいた依頼が「起業家としてのキャリアとビジネスモデルを話してください」というものだったのでそのまま捻らず話させてもらいました。

昨年も同じ時期に法政のビジネススクールでお話する機会があったのですが、その時期以来1年ぶりに学生さん=IR/PR/HRいずれでもない一般の方向けに事業像をまとめる機会ということで少し時間をとって資料をまとめてみたのですが、1年前の同時期より格段に語るべきことが深く細かくなっていることに気づきました。

ちょうど1年前に事業の軸をケイティに集中させて以降、順に掘り下げてきた思考と仮説検証の積み重ねによって自社の立ち位置が以前よりずっと携帯ウェブビジネスの本質的なところに近づいているのだな、と。ストラテジーをそのままプレゼンスにしていてはダメでレイヤ合わせが必要になっている。

今回の講義の中でクリス・アンダーソンの『フリー』から引いた「katyのフリーミアムモデル」について解説させていただきました。

1.エントリーコスト
2.見込客
3.コンテンツ
4.送客源
5.コミュニティ

項目は上記の5つで、これはこれまで2年半かけて進めてきたケイティのフリーモデルの意味を改めて整理することとなりました。まだこれの一部は仮説検証中のものでもありますので、これからもう少し時間をかけて実効性を証明していきたいと考えています。

関連:法政大学ビジネススクールで講義させてもらった件 | 近江商人JINBLOG

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2009年11月23日

ウェブは生活を変革するよ -IVS 2009 Fall 後録

11月12日~13日に宮崎で開催されたIVS2009Fallに参加してきました。今回でNILS→IVSに出るのは7回目。結構入れ替わりのある中、創業以来皆勤賞で出席しています。行けば必ず学びや気づきがある有意義なカンファレンスです。主催のIVP及び運営の皆様、いつもありがとうございます。

今回のIVSのハイライトは3点。
1.ソーシャルアプリ来てます
2.リアルタイムウェブ来てます
3.ウェブがリアル生活を変革する

1.ソーシャルアプリ来てます

ソーシャルアプリについては8月にオープン化されたmixiアプリPC版、10月に開始された携帯版のそれぞれで波状的にこのプラットフォームの破壊力を世間に示してくれています。1月に予定されているモバゲーオープン化も相当の波となるでしょう。M2層中心で構成されている業界側からすると若年ユーザードリブンな今回のムーブメントは驚きを以って捉えられる向きが多かったようです。そこにきてweb2.0系と呼ばれたドリコム内藤さん、ウノウ山田さんらの波乗りっぷりはさすがの一言ですね。

セッションとしてはDeNAの守安さんとmixiの原田さんのバトルが楽しかったです。この二人は夢見がちな人の多いウェブ/モバイル業界の中で極めて現実的にユーザーの心理・動向を捉えてサービスをお金に換えることのできる稀有な二人。顔も少し似てる。ソーシャルアプリの今後について「ゲームから生活レベルへ浸透」と語った原田氏と、「一つのヒットゲームが落ちる頃にまた次のヒットが出てくる」と語った守安氏。mixiとモバゲー二つのソーシャルアプリPFの方向性を感じさせる一幕だったように思います。

私自身は現在完全に生活情報側に足場を置いていますので、ゲームから市場が立ち上がることの見えていたソーシャルアプリからは現状一線を引いています。mixiの原田氏も壇上で述べていた通り、1-2年のスパンでソーシャルグラフ活用がエンタメから生活レベルに浸透するタイミングが来ると確信していますので、その時機に向けてデータベースと体力の増強に力を注いでいます。ケイティがhkunimitsuさんも模索している「ソーシャル○○のビジネスモデル」の解になれるように。

2.リアルタイムウェブ来てます

今回のIVSの裏の楽しみはTwitterのハッシュタグ #ivs の中にありました。現地参加していない方の中にもこのハッシュタグ内で繰り広げられる中継&コメントのコンテクストを楽しまれた方も多いのではないでしょうか。

NILS時代はクローズドを旨としていたIVSはこの4回は「ブログに書いていいですよ、むしろ書いてください」というオープンスタンスに切り替えられました。個人的には2回前の2008Fallの折に主催の小林さんに確認して勝手Twitterライブ(withモバツイ)を始めていましたが、今回は#も設定されておもしろさが格段に上がりました。単一の人物のライブ中継ではなく、多数の人が認識を折り重ねる面白さ。ライブドア事件の頃のブログでトラックバック折り重ねていた時の感覚、それがリアルタイム+短文になってより直感的で高揚感溢れる楽しさになっているのをウェブとリアル両面で参加しながら味わっていました。

ちなみに今回のIVSのセッションの中ではほぼ誰もTwitterそのものについては触れていなかったのも印象的。一部でアメーバなうが来るの来ないのという話があったくらいで。これはおそらくTwitterにお金の香りがしないことの表れなのかな、という気がしています、よくも悪くも。

3.ウェブがリアル生活を変革する

今回のIVSのベストセッションはクックパッド佐野社長の上場とビジネスモデルについてのセッションだったように個人的には感じています。クックパッドの理念「毎日の料理を楽しく」をひたすらインターネットのインターネットたるところを信じて実践している佐野社長の軌跡と、Data is next "Intel Inside"の体現型となっているビジネスモデルにたいへん共鳴しました。

サービスを通じて生活者の料理に関する意思決定に深く関与すると同時にその意思データを大量かつ新鮮に蓄積し、そのデータを以って食品業界の企画・流通に深く入り込み細分化された生活者ニーズと提供側のマッチングを行う。「売れたデータ」であるPOSに対してクックパッドが「求められたデータ」であることの強さは比類ない。

内食一点に集中して生活者起点のサプライチェーンをデータでつないでいくことで、生活者の行動を変えるだけでなく流通の最適化、社会の最適化を進めている。インターネットがこれからもっと世界に染み込んで行く中で、私たちが為したいことはリアルの生活をもっと便利で心地いいものに変革していくこと。そんな思いを再認識した。

今回も気づきの多い会でした。主催・運営の皆様、ありがとうございました。

関連:IVS2009Fall 関連記事 | Infinity Venture Partners

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2009年11月08日

クリス・アンダーソン『FREE』(フリー 無料からお金を生み出す新戦略)

Twitterばかりしていると本当にブログ終了になってしまいかねないのでたまの更新をしてみます。普段は毎日Twitterでつぶやいていますのでよろしければこちらもどうぞ。
個人Twitter
会社Twitter

USですでに話題になっているクリス・アンダーセン(ロングテールの提唱者)の著書『FREE -THE FUTURE OF A RADICAL PRICE』の日本語版 『フリー <無料>からお金を生み出す新戦略』を監修のこばへんさんからご献本いただきました。現在読み進めていますがもともと遅読ですものでまだ途中です。

ここまでで感じていることは「情報は無料になりたがる」という言葉の意味は一筋縄で捉えるものではない、というようなことです。コピー可能なビットとしての情報の貨幣価値が相対的にゼロに限りなく近づくことは事実でありすでに起こっていることだと思います。ただしこれは貨幣市場からの視点。

書籍の中でも指摘されている非貨幣市場の広がりはウェブにおいてはすでに巨大なものとなっていて、大きな心的コストを相互に強いることになる貨幣換算などよりも高い価値(言葉にすれば意義や賞賛など)の交換が大量に行われています。そこで価値とされるものはアトムでもビットでもない”知恵””共感”であり、これらは従来から貨幣市場とは交わりにくい性質のものです。

これを無理に貨幣換算しようとすると多くは無視か炎上の憂き目に合います。一部例外となるのはその非貨幣市場自体のプラットフォーム提供者と「著作権」の剣の使い手たち。その立ち位置を獲ろうと多くの事業者が七転八起しているのが今のウェブ業界といってもいいと思います。

また書籍の中で「フリーミアム」の概念が謳われています。これは端的には「フリー」の名の下に集まったユーザーの「5%」がプレミアムサービスの購入者となることで成立するモデルとして描かれています。これは私が取り組んでいるビジネスの形態そのものでもありこの書籍の掲げるテーマで最も興味を持っていたところでもあります。巻末には「フリーミアムの戦術」として4つのモデルを提示するほど重視されているテーマのようです。

ここまでのところで私が感じているのは、フリーミアムモデルを執ろうとするときにマーケティング目線だけでフリーを捉えるのはウェブ的ではないな、ということです。単に見込顧客の収集方法としてのフリーを活用するだけではなく、フリーユーザーが多数存在していることによるプロダクト面でのポジティブフィードバックが組み込まれていなくては片手落ちなのではないかな、と感じています。ネットワーク効果であったりコンテンツ供給の対価としてのフリーであったり。

そんなことを考えながら読み進めていろんな気づきをいただいています。おすすめです。

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