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2009年05月08日

「携帯ウェブ」 とは


『携帯ウェブ』という言葉を最近よく使用します。昨年10月からはマイネット・ジャパンの事業ドメインも『携帯ウェブ』と明示しているところですが、この語を使うときに私が意味しているところを一度書いておこうと思います。

携帯ウェブというのは読んで字のごとく、「携帯」と「ウェブ」を組合わせた造語です。これは類似に使用されている「携帯コンテンツ」や「モバイルビジネス」といった用語とは異なる、今後新たに市場として定義されることとなる以下の領域を指しています。


「携帯」とは国内に既に1億台以上普及している「携帯電話」を指しています。日本の場合、人口の9割が所持し、そのうちの9割が3G端末(第3世代≒データ通信が速い)という特殊環境にあります。かつ、その過半数(4,700万超)がパケット定額制ユーザー。言わば国民の半数が携帯データ通信の広帯域常時接続環境にあります。

ちなみに欧米各国の3G比率は20-30%程度、中国に至っては0%(未整備)。パケット定額などはほぼ軒並10%未満です。相対的に日本の携帯電話によるデータ通信環境は他国より3-5年早い異常値とも言える進度にあります。これは日本の携帯キャリアが端末メーカーと流通網、コンテンツプロバイダを垂直で支配する構造にあってこそ進んだものです。

この環境は他国に見られない周辺市場の成長を生み、その進化の余りに「ガラパゴス」と揶揄されたりもします。ですが、これは「広帯域」「常時接続」というデータ通信インフラの基本性能が早々に整備されたことによる普遍性の高い進化であり、携帯の領域でも固定通信の高速化同様に他国が追随するものと考えられます。このことは、国内の携帯周辺市場の事業者が他国でのインフラ整備時には先行者として高い競争力を持つ潜在性を表しているともいえます。


このように整備の進んだ携帯データ通信環境の下でこの10年で日本国内に育まれた「モバイルビジネス」にカテゴライズされる市場が3つあります。

まず携帯コンテンツ市場(cf:4,200億円規模・07年度)。携帯キャリアの準備した集客ポータルと課金プラットフォームを介してデジタルコンテンツ(ex:着メロ・待受・ゲーム・デコメ等)やサイト機能を販売することで、たいへん早期に市場として育成されました。代表的な事業者はインデックス、サイバード、ドワンゴなど。

次に進んだ市場は携帯コマース市場(cf:7,200億円規模・07年度)。コンテンツ同様、携帯キャリアの集客力や一部課金PFを活用しつつ、独自のアフィリエイト集客やクレジット課金、雑誌連動・リアル連動の企画による集客・コンバージョンといった新たな手法も取り入れ、流通額としては早々にデジタルコンテンツを超えています。代表的な事業者はCAモバイル、ブランディング(前 ゼイヴェル)、DeNAなど。

そして現在隆盛を極めているのが携帯コミュニティ市場(cf:500-1,000億円規模・08年度)。折しもPCウェブ側で流行していたSNS+日記型のコミュニティにアバタ・ゲームを組み合わせてデジタルコンテンツ課金と広告収入で収益性を担保する事業者が'06年頃から登場し、トラヒック量としてはすでに携帯データ通信の過半を超えると言われます。代表的な事業者はDeNA(モバゲータウン)、GREE、mixiなど。


これらの携帯データ通信下の市場が形成される途上で大きな役割を果たしたのが携帯キャリアポータルの集客力と課金プラットフォームでした。ディレクトリ形式で掲載されるキャリア公式コンテンツに付与された集客流入と課金権限の収益貢献力は絶大であり、影響力低下を指摘される昨今でも未だ無視できるものではありません。

そんな携帯キャリアの集客と課金を司る携帯キャリアポータル(iメニュー・auOne・Yahoo!ケータイ)が次の一手として'06年に相次いで行ったのが「携帯検索」の導入です。この「携帯検索」は、すでにその時点で全体の7割を超えると言われた一般サイトへのトラヒックの窓をキャリア公式ポータルに設置する行為であり、これまでキャリア自身が育んできた「キャリア公式」の価値を毀損させる「パンドラの箱」でした。

'06年7月にauがGoogleとの検索エンジン連携を行い、'06年秋にはドコモ・ソフトバンクも追随しました。これにより、これまで公式コンテンツに集中していたキャリアポータルの集客力が携帯検索経由で一般サイトへオープンとなるに至りました。キャリアポータルに検索窓が設置されたことに伴い、ユーザーの「携帯検索」に対する認知と利用度は急上昇しました。

そして、この'06年の携帯キャリアの検索オープン化をきっかけにして、携帯ブラウザを介して表示されるサイトデータが「ウェブ」と呼べるものとなりました。ハイパーリンクによるネットワーク構造を持ち、自由な参加者によりコンテンツ生成が為される、オープンなデータベースである「ウェブ」。これが携帯電話の2.5インチのインターフェースに最適化されたユーザーに心地よいデータ形式で提供されるようになったものが現在の『携帯ウェブ』です。

この市場は、現在PCウェブにおいて7,000億円の規模となった「インターネット広告市場」を生んだ構造に移動性・即時性を掛けあわせた潜在力を持ち、さらに2.6兆円規模のSP費市場(特にエリア広告・販促費)をも取り込むものと考えられます。


このように、広帯域・大容量のデータ通信インフラを移動体で実現し、オープンネットワーク下で携帯UIに最適化されたサイトDBが広くあまねく供給されている環境を以って 『携帯ウェブ』と呼んでいます。

# この「携帯ウェブ市場」に向けて私たちが投入している主力サービスが携帯ASPの
# 『katy』(ケイティ)ということになります。

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