« オフラインnewsing(2009新年会)を開催します | メイン| ふたりで作るネットサービス「終電.jp」がITmediaに掲載された件 »

2009年01月20日

Google社員の失望と期待値コントロール


TechCrunchの「Google社員が辞める理由」というエントリーを読んで感じたことを。

Google社員が辞める理由

最大の不満の一つとして、他社と比較して薄給であることが挙げられており、福利厚生の減少がその懸念を増加させている。他には、官僚的すぎること、ずさんな経営、社内教育の貧弱さ、数ヵ月もかかる採用手続などに対する不満が多くみられた。
(中略)
従業員たちは約束の地に入ったと思いGoogleに入社したが、その殆どが失望したということだ。

上場前後には技術/事務を問わずインターネット業界で働く者の楽園のごとく語られたGoogleが、ほんの数年で「大企業病そのもの」と言わざるを得ない不満が退職社員から噴出する姿になっている。

この姿を見て「それ見たことか」という声も上がりそうだ。しかし相対的に見て、Googleという会社がそこで働く者にとって、崇高なビジョンと、やりがいのある仕事、極めて有能な同僚、奇抜な福利厚生や労務制度という特権を享受できる場であった事実はまがいないものだと思う。

理念: 世界中の情報を整理しつくす
仕事: 世界一のインターネットサービスの一端を担う
人:  世界最高レベルの能力者の集合体
特権: 20%ルール、無料の食堂、自由なオフィス空間

経営者として、もしこれだけの世界最高レベルな環境を社員に提供できたらどれだけ幸せだろうと思う(相対ではなく絶対では自分も絶えず最高のものを提供したいと思うが)。最近になってGoogle礼讃論はしぼんではいるものの、上記の環境要因自体はそれほど大きく毀損していないように映る。にも関わらず、退職社員から聞こえる言葉は引用の通り。

Googleの労務問題に関する現状を「ネガティブ」と定義したとして、その原因となっているのはおそらく提供されている労務施策・環境そのものではなくて「期待値コントロールの欠如」ではないかと思う。

社員は就業前にウェブ中に転がっているGoogleの採用マーケティングマテリアルを大量に摂取し、期待値を相当高めた状態で入社する。入社後に味わう環境が相対的に高いレベルのものであっても、事前の期待値があまりに高いために「がっかり感」を味わう。一度がっかりを味わうと人間アラばかり探したくなってしまう。会社への印象がネガティブ方向にスパイラルしてしまうのだ。

このことは、格違いの私たちのような会社でも学ぶところが大きい。Googleが壮大なスケールで教えてくれた就業前期待値の功罪を肝に銘じておきたい。

Twitterでつぶやく このエントリーを含むはてなブックマーク
« オフラインnewsing(2009新年会)を開催します | メイン| ふたりで作るネットサービス「終電.jp」がITmediaに掲載された件 »

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://huehara88.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/814