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2008年01月13日

起業における10の都市伝説の反証


Dankogaiさんの上げられた起業に関する都市伝説のリストがたいへん面白い。
404 Blog Not Found:惰訳 - 起業における神話トップ10

合州国のことではあるのだけど、日本でも共通してることがあまりに多いので。

あんまり面白かったので、起業から1年半を経た近江商人が自らの状況を可能な限り赤裸々にしつつ、反証を行ってみたいと思います。

1. 起業には大金が必要

『NO』
上原仁個人が創業時に準備できた資金は約400万円でした。'07.3月の増資前に最もキャッシュのやばかったときが100万円切りくらいでしたので、

典型的な起業には、$25,000程度しか必要ありません。

この数字、かなり正確ですね。私の場合は創業してすぐに仲間たちの手持ち金も合わせていったのでその点は特殊かもしれませんが、起業しようとするときの最低個人資金は300-400万円くらいと見ておくのが正解なのではないでしょうか。

2. ベンチャーキャピタリスト(VC)は起業の資金調達手段として適切

『N/A』
私の場合は業種がインターネット関連で、創業9ヶ月目にリクルートさんと住友商事さんのいずれも金融部門(≒VC部門)に資本を入れていただいています。出ている数字で言うと、業種は81%のマジョリティ側ながら、起業段階(創業1年以内)で投資を受けた25%のマイノリティということになります。とは言え、上記2社との接触はいずれも創業以後。起業してからの話でしたよ。

3.エンジェル投資家のほとんどは富豪である

『NO』
私の場合、ミクシィ代表の笠原さん・AMN現取締役の徳力さん・もう1名の計3名に、創業当初に個人出資をいただいています。比率は微少な%で簿価(ex:額面1万円の株を1万円で買ってもらった)です。2006年7月の当時、ミクシィは上場前ですので「金融資産100万ドル以上、年収20万ドル以上」には笠原さんも当たってなかったと思います。徳力さんももう1名の方も当時サラリーマンでしたのでまったくもって富豪ではありませんでした。

4.借り入れでは起業できない

『NO』
マイネット・ジャパンの資本内訳は現状で6,200万円の資本金・資本準備金と、1,000万円の国民生活金融公庫からの借入金(どちらも調べる人が調べたらわかるので公開)となっているので、86%が出資・14%が借入です。起業時から公庫融資を受けていたわけではありませんが、周囲の起業した友人からは「起業するなら何はともあれ公庫融資は使っておき」と言われていました。ここまでの感覚上、たぶんそれは正解です。

5.銀行が起業段階で貸すことはない

『N/A』
これはどうでしょう。日本では「銀行」の方々はまだまだ担保ありきの融資が基本でますので、難しいことは確かだと思います。少なくとも創業期に銀行から融資を受けようと思うと信用保証協会の保証は必須と考えておくのがよいと思います。また、銀行の前に公庫に相談するが吉です。「起業環境が整っていない」と言われる日本ですが、「スモールビジネスを起こす」上では国民生活金融公庫の存在によってUS以上の最強の起業環境になっていると思います。

6. 起業家の多くは見通しが明るい産業で起業する

『YES』
私の場合は、ですね。インターネット産業の見通しは100年明るいと信じられたのでこの業界で起業しました。

7.起業後の成長を決めるのは、起業家の才覚であって起業先の産業ではない

『NO』
これはミクロ視点でも感じます。成長産業にいることでビジネスチャンスも人材流動も社会のアテンション量も多く、成長機会を得ることが多いです。たとえものすごい才覚があっても、成長機会がなければ成長しません。

8.起業家のほとんどは金銭的にみて成功者である

『NO』
私の2007年所得(昨年)は2005年所得(NTT時代)の4分の3です。
ここは驚く人が多いのでしょうね。一度実際に試算してみられるといいと思います。私の場合、3年前本気で起業する気になって、想定売上と家賃・通信費・設備費・人件費などなどを試算してみたときに、自分(社長)の給与収入が大企業サラリーマン時代の収入を上回るには売上3億・社員一人当売上1,200万円以上まで行かないと無理、と悟りました。

9.起業の多くは投資家の満足がいく成長をとげている

『NO』

合州国において毎年起業される59万もの会社のうち、6年以内に年商1億ドルに達するのはわずか200社。年商5千万ドルだと500社。年商500万ドルでさえ、6年間で到達できるのは9,500社にすぎません。

いやー「6年で5000万ドル」とかってDeNA級なわけで。目指していきたいですねー。

10. 起業は楽である

『NO(笑)』
そんなこと思っている人いるんですか?(笑)

ほとんどの人は、起業までたどりつくことにすら失敗しています。

いや、ほんとそうだと思います。ここ10年で「将来起業する」と本気で言っている人に100人以上会ってると思うけど、現時点で本当に起業できているのって10人くらい。

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書く前から予想はしてたけど、何だか身もフタもない内容になってしまったな。だからみんな起業済みの人はこういった現実のことを明文化しないんだろうな。後に続く人が出てくれなさそうな気になってきますね。

でもね、明確に言えることが一つありますよ。

『起業は楽しい』

「楽しい」と言っても遊びで楽しいとかとは異なりますが、やっぱり毎日ひたすら感じる「えも言われぬ充実感」はかけがえがないですね。楽しくて仕方ない。もしもう一度1年半前に戻れたとしても、やっぱり120%起業していると思う。

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