2006年02月28日

Amazon.co.jp急成長3つの理由

 [05.EC]

Amazon.co.jpは購買者=コンシューマーのロングテールを捉えて長期的な成長力を手にし、楽天は店舗=中小企業のロングテールを捉えて短期的な収益力を手にしていた、という事実が数字に現れ始めました。

Amazon.co.jpが急成長、訪問者数で楽天市場に肉薄--ネットレイティングス調査 -CNET

Amazon.co.jpが初めて1600万人台の訪問者を集め、訪問者数によるドメインランキングでも4位に上昇し、国内において、楽天市場と肩を並べるオンライン・ショッピングサイトに成長した。一方、楽天市場も訪問者数を初めて1800万人台に乗せ、過去最高を記録した。

私もネットレイティングスを定常ウォッチしている中でこのところのAmazon.co.jpの躍進ぶりに舌を巻いていましたが、ついにドメインランキング4位まで上ってきてしまいました。記事内のネットレイティングス萩原社長の言葉に「オンラインショッピングは今後も利用者数の増加が見込める分野」という言葉があるが、おそらくこの勢いは簡単に止まることなく続くことになると思います。

Amazon.co.jpの「集客力」の高さは大きく分けて3つのポイントに支えられています。

1.直営EC No.1ブランド

2.メディアのロングテール

3.購買者のロングテール

1.の直営EC No.1ブランドについては、US本国でのブランド力があったから当然かのように見られている節がありますが、同様にUSの強者として日本市場に参入した事業者であるeBay(日本市場からは一旦撤退)やGoogle(検索クエリ数で未だYahoo!に水を空けられている)と比較したときにその日本でのマーケティングが秀逸であったことを窺わせます。成功の要因は、現地スタッフを中心に日本の商慣行に合わせた物流システムを自前で組み上げて日本の消費者が大好きな「送料無料」を実現したことや、参入当初から日本の大規模サイトとのアフィリエイトベース(露出単価が安い)での大量露出を実現して一般層にリーチしていったことなどにあります。

2.と3.についてはUS本国と同様のポイントになります。
メディアのロングテールについてはAmazonAsociateProgram(アマゾン・アソシエイト)によって、それまで収入源に乏しかった小規模サイト、すなわちロングテール部分のメディアに対してアフィリエイトでの収益を提供して大量のサイトから「Amazon.co.jp」へのリンクを張らせ、購買者誘導を図ると同時に、被リンクの増加によってPageRankを飛躍的に伸ばすことに成功しました。また、近年はAmazonWebService(アマゾン・ウェブサービス)の公開によって社外の開発者にAmazonデータベースを活用したウェブサイトを作る手段を提供し、これらがギーク(先端的ネット技術者)たちの心に火を点けてBuzz(口コミ伝播)によるAmazonの評判向上とギークたちの手によるサービスからの集客・収益を積み上げることを可能にしました。

3.の購買者のロングテールについては、「Amazonの書籍売上の1/3が、オフラインの大規模書店にはない商品によって占められる」という、「ロングテール」という語の解説によく使われる事象です。一般的なオフラインの店舗では2割の売れ筋商品が利益の8割を占める、などの8:2の法則(パレートの法則)がありますが、探索・比較の時間や距離の制限、店頭露出の場所の制限を受けないネットビジネスにおいては、消費者の多様なニーズが丸められることなくそのまま購買に直結する傾向があり、Amazonはそれを見事に捉えるだけの商品点数とSEO(SearchEngineOptimization、検索エンジン最適化)への対応を実現しました。

このほか、Amazonの「販売力」についてはレビューやレイティング、レコメンド、ランキング等のマーケティング手法についても要因となりますが、その点は別途触れることにします。

これら3つのポイントは、いずれも「足の長い」施策です。成果が出るまでには長い投資期間が必要とされ、その投資の回収までキャッシュフローが持続せずに潰えてしまった事業者もネットバブル前後に多く見られました。Amazonはそのドッグレースに勝利して現在の地位をつかんだ、という見方をするのが適切です。

それに対して、これまで日本のオンラインコマースを支えてきた楽天は、ネットバブル期までには大企業のみに許されていたECへの窓口を(当時は)安価(だった)な出店費用と簡易な店舗向け運営インターフェースによって、中小企業のインターネットコマースへの進出に大きく貢献しました。これはその時点での「店舗のロングテール」を捉えた事業展開であり、数年前までは時代背景に合った収益性も高いビジネスモデルでした。しかし、昨年ペーパーボーイ&コーがスタートした個人~小規模店舗向けECパッケージ「Color Me Shop! pro」が登録5万店舗を超えるなどの状況を迎えるに当たり、その勢いは自然と衰え、楽天球団買収を始めとする派手なプロモーションや金融等の事業買収による規模の拡大に存在意義を見出す段階を迎えています。

.comバブルが華やかなりし後に迎えたネットビジネスの消費経済への浸透と同様、現在の華やかなブログバブル・Web2.0バブルの後にはまた、より人々の生活に密着したビジネスに光が当たるタイミングがくるものと予測しますが、そのときに求められるオンラインサービスがどのようなものになるのか。Amazon.co.jpの成長と楽天のコングロマリット化をサンプルに見ながら考えていくことは、一つの方法になると思います。

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ブログにもSNS機能

mixiのユーザー獲得・粘着性の有り様を見たときに、ブログへのSNS機能・RSSリーダー機能・掲示板コミュニティ機能の追加は自然ななりゆきと感じられます。

BIGLOBE、ブログサービス「ウェブリブログ」にSNS機能を追加 -CNET

NECのインターネットサービス「BIGLOBE」は2月23日、ブログサービス「ウェブリブログ」で、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)機能を提供することを発表した。提供は3月1日から。

では、猫も杓子もmixiに類する機能=コミュニティ機能を追加していけばユーザーに喜ばれるのかというと、否。コミュニティ志向型のブログサービスには自然とそういったユーザーが集まっているし、機能重視のブログサービス、収益重視のブログサービス、とそれぞれにそれぞれのコミュニティベースに合ったユーザーが集まっている。

今回のウェブリブログに多いユーザーがどういった特性を持っているかはわからないが、単なる流行後追い施策にならないようにがんばっていただきたい。

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UI秀逸 Amebaのクチコミ評判検索

このUIは秀逸です。

「Amebaクチコミ評判検索」が開始--開発中のサービスを公開するラボも設立 -CNET

Amebaクチコミ評判検索は、株式銘柄や映画タイトルなど、特定のカテゴリーのキーワードについて、ブログ上でどの程度話題になっているのか、また好感を持たれているかについてグラフで見られるサービスだ。

最近はブログ検索をベース技術として、UIを工夫することでクチコミの可視化を実現するサービスが次々と表れていますが、今回のAmebaの取り組みは話題の.jp芸能証券kizasi.jpなどと比較しても、直感的な折れ線グラフ・棒グラフがわかりやすく、一般のユーザーにも伝わりやすい表現と編集を実現しています。ちなみに、キーワードをクリックした結果画面を下までスクロールしたときに表れる豚?のタイマーとその後にノークリックで次の検索結果が出るインターフェースをajaxで実現しているところも、チャレンジングでたいへんおもしろいです。

単純なブログ検索の対象となる検索インデックス数は60万強と、1億というラインを見据えるgooブログ検索やTechnoratiなどには遠く及びませんが、今後いっそうニーズの高まりが予想されるのクチコミ情報の提供をUIの工夫でユーザーによりうまく伝えるお手本として注目に値すると思われます。

参考に、微妙にあやしいけどがんばってほしいクチコミ検索「BuzzTunes」の記事。

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2006年02月27日

ぴあが元気

 [05.EC]

最近ぴあさんが元気ですね。

ぴあ、放送と通信の融合を視野にナノ・メディアと提携、共同出資会社設立へ -CNET

ぴあ(矢内廣会長兼社長)とナノ・メディア(藤野千明社長)は2月24日、携帯電話・雑誌などを連携したクロスメディア事業について業務提携することに合意したと発表した。

株式会社Web2.0の件といい、この件といい、ぴあさんの最近のネット先端事例での登場回数と質には目を見張るものがあるように思います。どなたか優秀なネット系マーケッターさんがこの関係の部隊の前線に入られたのでしょうか。

もしそういった方がいらっしゃるとしたら、一度お会いしてみたいものです。

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2006年02月23日

リアル

今日はネットの大先輩をはじめとする方々とお会いした。

その大先輩が言った。


「私はここをリアルとは呼ばない。敢えてオフラインと呼びます。なぜならネットだってリアルですから。単にオンラインだ、というだけです」


響いた。


追伸: いっしょに参加くださっていた大橋さんより

あと、ネットはすべてバーチャルというのもへんだぞおい、とも言ってましたね。そこに人の息づかいが感じられればリアルだと。一リアル。

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2006年02月21日

トモモトの閉鎖

感謝の意をこめて。

SNS「トモモト」が閉鎖

トモモトはビジネスパーソン向けSNSで、2004年3月に開設した。会員数は約6000人。同社の主力事業であるSNSシステムのOEM販売に経営資源を集中するため閉鎖を決めたとしている。

日本初のビジネス向けSNSトモモトの閉鎖、感慨深いです。2004年春頃から林立したSNSの中でも、一時は「No.1のGREE、趣味のmixi、ビジネスのトモモト」と言われたときがありました。私自身はその中でもmixiを中心にどっぷりSNSワールドにはまっていった経緯はありましたが、今現在もトモモトで培われたコミュニティに参加して知り合い、公私において素敵なお付き合いをさせていただいている人が数多くいます。その中でも誰より一番の出会いは、トモモトの代表であり今はいっしょにRTCカンファレンスを主催している保田隆明さんです。トモモトがなかったら、きっと私は彼と知り合えなかったし、RTCでたくさんの素敵な人と出会うこともできなかった。もしかしたら、「アルファブロガー」の出版もなければ、近江商人JINBLOGをここまで続けることもなかったかもしれない。不思議な縁です。

2年の期間を経て閉鎖はすれども、トモモトが培った人と人との出会いと関係、そのコミュニティは明確に「価値を生み出した」ものだったと思います。

改めて、トモモトに感謝を込めて。ありがとう。

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2006年02月20日

農林水産省の研究情報RSS配信

RTCに出席くださったり、RSS関連、2.0関連のカンファレンスでもよくお会いする農林水産省の林氏から、農林水産省管轄の研究機関で新着研究情報をRSS配信する、というプレスリリースを頂きました。

RSSを利用した最新の農林水産研究情報(新着図書・雑誌等)の配信について

農林水産省農林水産技術会議事務局の農林水産研究情報センターでは、 新たにRSS機能を導入して研究情報サービスの強化を図りました。これにより、 農林水産研究情報センターや農林水産省関係の試験研究独立行政法人研究機関等 (以下、研究機関)で収集してる図書・雑誌等の新着研究情報を総合的に閲覧す ることが可能となります。

RSSという標準技術が省庁のように影響力の強い主体に取り入れられることで他省庁や関連事業体に伝播し、日本のインターネットの構造化にプラスに働くことを期待します。

去年の年末に「特許庁、インターネットで登録実用新案公報を発行へ」というニュースがあり、期待して特許庁サイトを見て回ったところ、RSS配信はおろかタイトルやサマリーも表示せずにZIPファイルのダウンロードが促されるだけの、まだまだごく不親切な情報公開がなされているのみでした。

例えば、もし実用新案公報がRSS配信され、RSS自動検索収集(ex: gooRSSリーダーなど)によってユーザー側が自分のアンテナにかかった登録情報のみを容易に取得できる状況が整ったら、ユーザー(開発者や事業者)自身が自社のプロダクトへの適用や自社技術と他社知的資産のマッシュアップを図ることへの障壁が大きく下がります。

国内の知的資産、特に公的機関が管理するデータベースの有効活用が進むためにも、今回のリリースのような取り組みがその第一歩となる事が望まれるところです。

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2006年02月16日

gooブログチーフプロデューサー村井説人氏インタビュー

本業の方で、gooブログチーフプロデューサーである村井説人氏に、gooブログの取り組みと今後のブログ・インターネットについて聞いたものを記事にしました。独立系ではないブログ事業者の運営の声というのはなかなか聞く機会がないということもあり、個人的にはなかなか興味深い話が聞けたと思っています。よろしければご覧ください。

gooブログチーフプロデューサー 村井説人氏(前編)
gooブログチーフプロデューサー 村井説人氏(後編)

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2006年02月14日

夢のフィールド

堀江社長が証券取引法違反で起訴された最中、今日はたいへん尊敬する某インターネット企業の社長さんと長時間お話する機会をいただきました。 彼が話してくださった考え方で、心に残った事を私の勝手な翻訳を加えていくつか書き留めます。

■変化は絶えず起こるもの。その変化への「危機意識」がアクションの源泉となる。

■インターネット企業の経営のポイントは、
 ①プロダクト
 ②営業
 ③コストダウン
 →要は、テクノロジー、人財、チープ革命への順応 ということと解釈した。

■収益の係数が「人数」となるビジネスはコモディティ化し、資本の大きな事業体には勝てない。
 例えばPV、例えばデータ量。人数以外の係数に目をつけること。

■日本のインターネットが世間様に何を提供するか。
 ①時間を価値あるところに配分するためのタイムマシン
 ②最大のコンテンツである”コミュニケーション”の場
 ③みなにとっての夢のフィールド

私は②の拡大解釈を以ってインターネットの根源であると考えているが、彼はその後の三番目に「夢のフィールド」という言葉を持ってきた。ともすると荒唐無稽なものと感じられるかもしれないその言葉が、全く空虚さ無く胸に響いた。彼自身が実の入った夢を持っている人だからだと思う。そうであることが、彼が世間様から「ビジョナリーリーダー」と呼ばれる所以なのだろう。

私の中でのかっこいい人がまた一人増えました。ありがとうございました。

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2006年02月13日

朝日新聞Beに掲載いただきました

「Web2.0」が一般ワードとなっていくことの功罪を感じる日々の中、
2月11日(土)の朝日新聞朝刊Beの「BeWord」のコーナーで、私の語らせていただいた「ウェブ2・0」の一般ユーザーにとっての解釈を掲載いただきました。

Web2.0が一人歩きのバズワードになりつつあることが否めない中、少しでも一般社会に意味のわかる言葉でお伝えすることができれば、という取り組みでしたが、結果どういう意味を成すかはわかりません。意味ある形で世間様に伝わっていますように。

■関連: 一番簡単なWeb2.0の解説

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2006年02月10日

今さらながらmixi機能追加とかのことを

ここ3日ほど落ち着いてmixi見れていなかったので、だいぶ今さらながら今回の機能追加&UI変更について。

結論から言うとよいアクションだったと思っています。

ニュース機能については、いまだに70%の3日以内アクティブ率という粘着力を持つmixiという場に日常に必要な情報が掲示されることで、ユーザーにとってはより効率的に必要な(マスな)情報に接することができる、というメリットがありますから。

1年半前のmixiだったらユーザーがピックアップするとかSBMといっしょにとかいったもっとユーザーベイスドなニュースを出そうよ、と思えたかもしれません。しかし今のネットユーザー内マス化の段階(個人的には3周目と呼んでいる)に入っているmixiに期待されるのは、ユートピア的インターネットの理想を追求することではなくて、より裾野の広い人々にインターネットコミュニティへの接触と体感をもってもらうことだと思います。そして次の次の段階くらいに来る、より裾野の広がった群集の叡智を日本のインターネットにためていってもらうことなんだと思います。

そのためにはユートピア的(気分、Folksonomy的とか非エスタブリッシュメント的とでもいっておこうか)な理想論は脇においといて、インターネット原理主義者なユーザーに落胆を感じさせてでも一般に寄った人々によりわかりやすく便利なサービスを提供していくことが求められているのだと思います。それに呼応したのが今回の機能追加なのだろうな、と。

もちろん、XMLで構造化したWebがどうしたとかややこしいことを言わなくても、一つのDBの中に格納されていくらでもつなぎ合わせることのできる270万人のユーザーと、CGMでもマス媒体情報でもいいからmixiに存在している情報を関連付けてよりユーザーにとってちょうどよい情報を提供していくという、大枠としては流れに反していない取り組みの方向があることで、mixiのmixiたるところ、日本のネット界で最大のCGMサービスであらせてもらっていることへの裏切りは決して犯していないというところがやはり笠原さんのバランス感覚のよさなんだろうな、と。

あとまあ、ヘルプの露出を高めること、広告(予定)領域を追加したことなんかは、mixiの運営上、今までよくがまんしてきましたね、というのが正当な至極基本的な運営効率とか収益効率とかの向上施策ですので、普通に受け入れるものなんだろうな、と。

右に広がったことがうざいのは間違いなく事実なわけだけど、


・・・やっぱりどうかんがえてもうざいわけだけど、
過去にバナー広告はじまったときとか検索バー出てきたときとかにあれこれ文句はあったけど、結局はmixiから離れられずにいるみんながいるわけで、そんなことより何より今まで一番mixiに落胆したのは1年ほど前の13時間連続アクセス不能状態のときだったわけで、要は必要なものは必要なのであって、その必要なもの=インフラに対しては”慣れ”ていくように人間はできているのだ、ということだと思う。

まあなにせ右に広がったことがうざいのは間違いなく事実なわけだけど。

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2006年02月07日

gooサーチプロダクトマネージャー 稲家克郎氏(後編)

前編より続く

■「みんなの探し物がみつかるといいな」

上原: では、これからの1年、goo検索をどのようなものにしていきたいとお考えですか?

稲家: 「みんなの探し物がみつかるといいな」というのが永遠のテーマだと思っています。今までもそうでしたし、これからもそのための取り組みを続けていくつもりです。

検索には「見つけやすさ」、「使いやすさ」、「すぐ使えること」が重要です。「見つけやすさ」ということでは、「gooサジェストβ with ATOK」のような日本人ならではの悩みを解消する方法に加えて、ユーザーさんの行動や知恵の蓄積を検索結果に活かすことでその人に最適の結果が出てくる、というような方向があると思っています。

「使いやすさ」ということではこれまでも、口でしゃべると検索できる、とか、マイノリティレポートのように空間を操作して検索できる、とか、メールで検索する、とかいったいろんな方法をgooラボや展示会などで試してきていますが、今も試行錯誤の最中ですね。最近では日本のポータルサイトで初の「自然文検索」をgooのTOP検索で取り入れましたが、これからももっと使いやすさを高める取り組みをしていきます。

また、検索したいと思ったら「すぐ使える」ように、検索への入り口をもっとユーザーさんの手元に近づけていくことを進めていきます。'97年にgooが始まった頃、検索窓はgooのトップページにしかなかった。2000年にgooスティックができて、ブラウザに検索窓が付くようになった。最近ではパソコンのタスクバーやウィジットのようにデスクトップ上に検索窓が付いている。形は変わって、ケータイ検索もよく使われるようになってきた。次にはどんなところに検索の入り口を作るとよいか、ユーザーさんの声を頼りに考えていきます。

上原: では「これから5年」ということではどうでしょう?

稲家: 5年という期間で考えるときに、「技術的にできるようになる」ということだけで想像するのはたやすいのですが、実際にユーザーさんに使っていただけるか、使いやすいものになっているかは別だと思っています。私たちは5年後もしっかりとユーザーさんに使っていただけるサービスを作っていたいですね。

今は「gooで聞いたら探し物が見つかる」というのを目指していますが、5年後は「gooはほしいものを教えてくれる」というふうになりたいと思います。「ほしいな」とおもったらgooが教えてくれる状態。「gooって、画面の先に人がいるよね」と言ってもらえるようなサービスにしていきたいです。

■「見える声」と「見えない声」、両方をいただきたい

上原: では、最後にユーザーの皆さんに一言お願いできますか。

稲家: 皆さんに、ブログやお客様窓口での「見える声」と、gooを使いこんでいただくことで聞こえてくる「見えない声」の両方をいただきたいです。ユーザーさんにより便利に使っていただくには、自分たちでゼロからアイデアを出すというよりも、皆さんがどういう風に使っているのか、というのを知ることが一番大事だと思っています。

皆さんにどんどん使っていただくことでどんどんgooがかしこくなる。そうしてかしこくなったgooを皆さんにもっと便利に使っていただける。そういうサイクルを大事にしていきたいです。

●●後記●●
見た目は豪快な稲家氏ですが、考えていることはたいへん地に足をつけて、ユーザーさんの声を全ての原点にしているということが伝わってきました。「日本語最強」と銘打っているgooの検索ですが、むしろ「日本人に一番やさしい」という言葉が合うような気がしたインタビューでした。

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gooサーチプロダクトマネージャー 稲家克郎氏(前編)

現職のgooのメンバーの中で自分が話を聞いて人に知らせたいと思える人がそんなにたくさんいるわけではありませんが、現職の一環でそんなうちの一人であるgooサーチプロダクトマネージャーの稲家氏に話を聞いて文章にする機会がありましたので、掲載します。
チョウチンをする気はまったくありませんので、まんま読んでください。

上原: 稲家さんの経歴を簡単に教えてください。

稲家: 私がインターネットビジネスに接し始めたのはネットスケープの前身「モザイク」が出たばかりの1994年です。学生のときにリクルートさんのIT系新規事業に参画して、MixJuice(現ISIZE)立ち上げなどに携わりました。その後NTTに入社したのが1996年。当時は「マルチメディア」という言葉が全盛で、私はネットとCDを組み合わせた音楽系のビジネスを画策して、レコード会社のavexさんと共同で「avex Network」を立ち上げました。その後ゲーム業界のオンライン化に携わりナムコさんやエニックスさんのネットワークビジネスをサポートする仕事などを経て、現在の仕事になりました。

■ユーザーの「見える声」「見えない声」
上原: 今のサーチプロダクトマネージャーとしてのお仕事のことを教えてください。

稲家: '97年に始まった「goo」のスタートは、サイトに検索窓だけがある、というスタイルでした。その意味で、「検索」はgooの基本になるサービスです。そんなgoo検索の企画・マーケティングが私の仕事です。

上原: 具体的にはどのようなお仕事になりますか?

稲家: ユーザーさんの声を元にgooの検索をよりよいものにしていくことですね。ユーザーさんの声には「見える声」と「見えない声」があります。見える声というのは、例えばブログで要望をお書きくださったりお客様窓口に連絡をいただいたりするようなものですね。まずはこれを毎日チェックしてサービスに反映していくことが重要です。

次に「見えない声」。これはアクセスログや検索キーワードログのような、ユーザーさんの利用状況を蓄積しているものです。ここから改善ポイントを導き出すのはとても地道な仕事ですが、「見える声」だけをチェックしていては見逃してしまう「声」を見つけられることがあります。

例えば、検索キーワードログの何千番目くらいのところを見ていると、おもしろいことに気づきます。「いとうみさき」とか「ついかんばんへるにあ」のように、人名や病気の名前をひらがなで検索していらっしゃるユーザーさんがいらっしゃるんですね。それも10人や20人じゃありません。本当にたくさんの方が固有名詞の漢字がわからずにほしい情報にたどりつけずにいるんです。

これを見たときに「あ!gooが入力を手助けしたらいいんだ!」と気づいて、そのアイデアを元にできたのが「gooサジェストβ with ATOK」です。

検索ボックスにひらがなを入れたら、そのかなで始まる言葉の候補が画像つきであらわれます。これがあると名前をあいまいに覚えているタレントなんかでも、顔写真で判別して検索できます。ひらがなで検索されているキーワードには、人名やランドマークの名前、四字熟語などが多いので、その3種類の辞書から候補を出しています。この辞書はジャストシステムさんとの提携で、20年以上の日本語研究の成果が蓄積されたATOK辞書を使用しています。

このサービスはユーザーさんからたいへんご好評いただいていて、まさに「見えない声」からいただいた成果です。

後編に続く

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2006年02月02日

InternetWatchに昨日のRTC記事

昨日のRTCカンファレンスVol.9 『ライブドア事件とこれから』を取材いただいた記事がInternetWatchに掲載されました。

ホリエモン逮捕に至る背景、「ガ島通信」藤代氏らがトークセッション

ホリエモンはなぜ逮捕されたのか――。ブロガーらによって運営されている「RTCカンファレンス」で1日、ブログ「ガ島通信」の藤代裕之氏やブログ「ニュース・ワーカー」の美浦克教氏らを交えて、「ライブドア事件とこれから」をテーマにトークセッションが行なわれた。

結構難解なところもあった昨日のトークセッションを的確に紐解いてくださっています。

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RTC Vol.9『ライブドア事件とこれから』後録

昨夜はRTCカンファレンスVol.9『ライブドア事件とこれから』と題しての勉強会を行いました。雨の中にも関わらず60名程度の方々が出席してくださり、会場は満席となりました。

冒頭まずは保田さんから、ファイナンス観点での事件の振り返り。ライブドアマーケティングと投資組合、マネーライフとの間で発生したファイナンスのギミックから、収益の誇大計上、株式100分割、株価吊り上げ、といったポイントまでをホワイトボードと参加者との質疑応答形式で進めてくださいました。いつもながら、本当にわかりやすい! 

個人的には、投資組合の独立性を確認する客観的手段はリークかがさ入れ以外ない、という事実が新鮮でした。時間外取引同様、チェック機能が働かない法のエアポケットになっているこの領域では、同様の事態はいくらでも起こりえる、という環境なわけですね。

参考URL:ちょーちょーちょーいい感じ
ライブドア取引の整理:逆飛ばし疑惑を見てみる
ライブドアの投資事業組合ってなに?
つまり、ライブドアは偽札を刷ったってこと?
投資ファンドが虎視眈々と狙うライブドア株式
ライブドアの今後…

続いて、新聞労連の委員長である美浦氏ガ島通信藤代氏のトークセッション。ガ島氏のマイク回しがキレていたおかげで、美浦さんの検察報道に関する知見をたいへん分かりやすく伝えていただけたように思います。

まずは配布資料にあった検察庁の機構と東京地検特捜部の組織図を元に、「体制の守護神」「服を着た国家権力」と言われる検察の姿を詳らかにしてくださいました。おそらく(私の知る限りでは)学校教育で検察について知る機会はほとんどなく、むしろ包み隠されている領域だと思います。そこをわかりやすく解説くださったので、たいへんためになりました。

東京地検特捜の「特捜資料課」という部隊には検事は一人も配置されないが、そこに所属する検察事務官たちは「すぐに会計事務所を開けるくらいの」会計・簿記知識に精通しており、今回のような経済事件の強制捜査時には押収した帳簿等の資料に文字通り穴が開くほど目を通して、そこから何らかの穴を見つけることは恐ろしいほど習熟している、などなど。
 藤代氏おすすめの参考図書は「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」。

その後、検察報道の実情や過去の政界事件における検察の動き方、そして今回のライブドア事件に対する考察を語ってくださいました。

前回の衆議院選挙である意味「体制側」に回ったかに見えていた堀江容疑者に対する強制捜査というアクションについては、「東京地検特捜部はニッポン放送事件の時点から捜査に動いていたという証言がリーズナブル」といった視点や、「55年体制崩壊後、検察に対する政権側からの圧力がゆるんだ証左」といった視点で語られていました。

また、検察側の立場で今回の事件を見た場合、検察は「堀江氏が悪事をはたらいているから」という理由よりも「市場を混乱させ、善意の一般人が被害を受ける可能性が大きいから」という理由を原動力として動いたのだという視点、一言で表すと「行き過ぎた新自由主義への警告」という言葉で見るのが適切との視点がたいへん納得感のあるものでした。
ほかにも盛りだくさんに語っていただけ、正直個人的には今までのRTCの中で一番学ぶところの多い会となりました。

今回は美浦氏‐藤代氏のトークセッションがたいへん盛り上がったため、いつも用意しているケーススタディを全員が思考してテーブル毎にディスカッションする時間を持てませんでしたが、よかったら参加した方もされなかった方も、こちらのケースをブログでエントリーしてみてください。みなさんの思考をブログ上で共有してみましょう。

最後になりましたが、今回のRTCには、RTC参加者である大塚製薬の岡村さんの尽力で、参加のみなさんにポカリスエットのご提供がありました。この場でお礼申し上げます。

次回のRTCは3月初旬を予定。またそのときのリアルタイムな話題を、様々なバックグラウンドを持ったみなさんでディスカッションして思考を深耕・拡張させましょう。

# 帰り際に美浦さんから「今度、『新聞とインターネット』というような題でやりましょうよ」というお話をいただきました。ぜひ実現したいと思います(^^

## このカンファレンスの模様を InternetWatchで取り上げていただきました。

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2006年02月01日

RTC『ライブドア事件とこれから』 ケースとTBセンター

本日これから実施するRTCカンファレンス Vol.9『ライブドア事件とこれから』で、フレームスピーチの後に参加者の皆さんで思考してディスカッションする予定のケーススタディは以下のものです。

 ライブドア本社の家宅捜索から2週間、株式市場の乱高下、東証取引停止騒動、マネックス騒動、堀江前社長の逮捕、平松新社長の就任、平松社長のフジテレビ訪問、そして、ライブドア株100円切り、と怒涛の勢いで出来事が流れてきました。今後のライブドアに対しては、競合社のTOB・外資のTOB・平松体制で独自建て直し・フジによる救援など、様々な憶測が飛び交っています。

 さて。社会に大きな影響を与えるこの事件の今後に、あなたは一人のプレイヤーとして参加する立場となりました。あなたは以下から一人の立場を選択できます。

A.ライブドア 平松新社長

B.フジテレビ 日枝会長

C.SBI 北尾社長

D.GMOインターネット 熊谷社長

E.サイバーエージェント 藤田社長

いずれかを選択の上で、あなたのとるアクションとその前後のシナリオを記述してください。なお、そのとき最終的に誰に最大のメリットが出るかを付記してください。

参加者の皆さん、カンファレンス後に後録エントリーをブログで上げられるときは、このページにトラックバックくださいね。ここでみなさんの思考を共有しましょう。もし「参加したかったのにできなかった」という方も、回答して気軽にTBしてください。

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RTC『ライブドア事件とこれから』もう一人のゲスト

RTCカンファレンスVol.9『ライブドア事件とこれから』。
当日になりましたが、もう一人のゲストが決まりました。

■美浦克教(みうら・かつのり)氏
Blog: ニュース・ワーカー
1960年10月、福岡県生まれ。2001年8月から02年8月まで共同通信労組委員長、新聞労連中央執行委員。職場では7月まで社会部デスクとして司法、防衛などの分野を担当。 (新聞労連HPより引用)

検察報道の現場で感じられたナマのお話をガ島通信藤代氏とのトークセッション形式でご披露いただきます。


RTCカンファレンスVol.9 『ライブドア事件とこれから』
日時: 平成18年2月1日(水)19:30~21:30
場所: NTTレゾナントプレゼンテーションルーム
千代田区大手町2-2-2 アーバンネット大手町ビル20F 
地下鉄大手町駅A5番出口から直結

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