2005年11月29日

新潮流!Web2.0

今日11月29日発売のインプレス『インターネットマガジン』の特集「新潮流!Web2.0」の冒頭で、わたし上原仁が「Web2.0を理解する」という題でWeb2.0の端的な解説を寄稿させていただきました。

よかったら読んでみてください。
現時点でのWeb2.0に関する日本国内外での議論を大まかにまとめています。

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2005年11月25日

Web2.0を支える1:M:Nの構造 -User as Contributor

このところWeb2.0というワード自体について「ギーク向けのマーケティング用語だ」とか「インターネットの一般ユーザーには関係ない」といった言葉が飛び交っているのを見て、改めて私が捉えているWeb2.0とそのベースを示したいと感じましたので、そのことを少し書き記してみます。

■Web2.0=”インターネットらしさ”の追求
私は「Web2.0」とは、「インターネットの”インターネットらしさ”を引き出すためにみんなで改めて技術・ビジネス・ユーザーそれぞれの観点で思考してみよう」という掛け声を言語化した意味あるBuzzワードだと思っています。”インターネットらしさ”というMemeに一部の人が酔って、それが実体化する前にはじけてしまったネットバブル以降、環境が変化して再びそのMemeに吸い寄せられる人が増えてきた現象に、たまたま「Web2.0」という名称が充てられたのだと思います。その”インターネットらしさ”をもう少し噛み砕くと、以下の3つの言葉になります。

・ユーザー基点
・オープン志向
・ネットワーク外部性

それを概念図にしたのが以下の図です。

その”インターネットらしさ”を深める議論を進めやすい最初のわかりやすいお題として、ネットバブル以降の5年間で誕生・成長した”インターネットらしい”サービスやビジネスを体系的に俯瞰してみよう、というのがO'Reillyの「What is Web2.0」だったのだろうと思います。
CNETの日本語訳
ローカライズしたWeb2.0体系図

■インターネットユーザーの社会構成
Web2.0を議論する時に、現在のインターネット社会の社会構成を把握しておくことが必要だと思っています。下図は、Web2.0を議論する視点で捉えた社会構成です。

ここでは詳細の人口統計を知ることではなく、議論する人が接触可能なコミュニティ範囲ではない全体像を認識することに目的を置いて図解しています。「Web2.0はギークのためだけの遊び言葉」とか「Web2.0は結局一般ユーザーには何のメリットもない」といった短視眼的結論(すなわちこの論点における思考停止)は避けたい、という意図も含んでいます。

この社会構成から捉えることができるのは、現在のインターネットサービスのプレイヤーは「1:M:N」の構造になっているということです。よくニュースや情報サービスのようなメディア型のサービスを1:N、コミュニティ型のサービスをN:Nと表現することがありますが、ブログやSNSといったCGM(コンシューマ・ジェネレイティッド・メディア)へのユーザー参加が一定のマスを捉え始めた現状においては、そのCGMインフラの提供者を「1」、CGM参加者を「M」、CGMの読者・一般ユーザーを「N」と位置づけて捉えると、Web2.0的なインターネットサービスとそのビジネスの有様を把握しやすくなります。

■「1:M:N」の構造は”User as Contributor”を促す
例えばブログサービスにおいて、「1」はブログ事業者、「M」はブログ開設者、「N」はブログ読者となります。上図で言うと、「1」には総務省的には現在33社あるとしているブログ事業者が当てはまり、「M」はアクティブブロガー150万人(Blogfan.orgのブログサービス比較より推計)、「N」はブログ読者にあたるネットユーザー3,000万人が当てはまります。

ビジネスの視点で言うと、ライブドアのようにユーザーのブログにBlogclickのような広告を設置して自社収入としているブログ事業者の場合、「M」のアクティブブロガーは自社の広告媒体を自発的に生成してくれる協力者であり、「N」のブログ読者がその広告をクリックしてクライアント経由で自社への収入を生み出してくれるエンドユーザーということになります。Web2.0の要素で言うと「User as Contributor -ユーザーは協力者」という言葉で表されている部分です。

これをもう少し広い視点で捉えると、WebサービスとしてAPIを公開しているサービスもこの構造に則っていることがわかります。例えば自社データベースをAPI公開しているAmazonのAmazonWebServiceやGoogleのGoogleMapなどは、そのAPIを使ってMashUpしたサービスを作成して公開してくれているギークたちが「M」にあたり、そのMashUpサービス(AmazonWebServiceの例では伊藤直也氏のAmazlet、Google Mapの例でははてなマップなど)を利用するブロガーらが「N」にあたります。

ビジネス的には、AmazonとAmazletの場合、Amazletツールというブロガーがアフィリエイトで収益を上げるためのソース作成を簡単にするツールを介してAmazonアフィリエイトブロガーが増加し、それによって増産されたAmazonへのリンク掲載メディアを経由して一般ユーザーが商品を購入し、その売上がAmazonの元に戻ってくる、という回転です。

GoogleMapとはてなマップの関係の場合、GoogleMap上にブロガーが画像などをプロットできるはてなマップというサービスがあることによって、ブロガーが自発的にはてなマップをコンテンツで彩ってゆき、その彩られたマップに惹かれてはてなマップを見に来るユーザーが多くなってくるころには、Googleは規約で明記している「GoogleMapを利用して作成されたMapサービス上に広告を掲載する権利」を行使してきて、育ったはてなマップのメディア力を自社の広告収入に転化する、ということになるでしょう。

これらのWebサービスについては厳密には「1:L:M:N」という4層構造になるかもしれませんが、いずれにしてもAmazonやGoogleにとってのユーザーであるギークたちが協力者となってエンドユーザーにベネフィットを提供しつつ、事業者のビジネスモデルに巻き込んでいく形になっていることには変わりありません。

■参考:というか、これらをポジティブに具体例を挙げて拡大解釈してみました
「Web 2.0」とやらについていけない人、集まれ!! -切込隊長BLOG(ブログ)
Geek 2.0 -404 Blog Not Found
ウェブ2.0=インターネットは依然としてG(ギーク)toGである -ガ島通信
Web2.0はgeek向けのマーケティングか? -masahikosatoh.com
Web2.0とは象である――Web2.0のミームを再配置してみた -Heartlogic

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2005年11月22日

RTC『Web2.0 -ビジネスへのインパクト』 後録

昨日はRTC勉強会の第7回ということで、サイボウズ小川浩さんをフレームスピーカーに迎えて『Web2.0 -ビジネスへのインパクト』をお題とした勉強会を行いました。

今回はRTC始まって以来の人数(約100名)が集まっての勉強会となりました。想定していた以上に「Web2.0」が”意味ある”Buzzワードとしてのパワーを発揮していることを実感しています。

冒頭は小川さんのパワフルなトークセッション。表題は「Feed(RSS / Atom)による Web2.0的メディア利用行動 - meta data & nano media- 」でした。Feedを切り口としたWeb2.0の掘り下げは私も初めての拝聴で、たいへん新鮮でした。小川さんのセッションのまとめはアリタ ケンさんのエントリーから引用を。

■変化はどこから来たか?
・Blogの登場でXML準拠のXHTMLがweb上にたくさん吐き出された
・XMLが高濃度になったので、ページ同士がくっつきやすくなった
・いわばweb上が高酸素状態になったのが、そもそものweb2.0の背景
・これによって、従来からあったFeedも一気に普及

■以前とどう違うのか?
・よく読まれるページがTBなどでリンクされてどんどん膨張していくので、検索が上位に上がりやすい
→検索エンジンも活躍しやすくなった
→participation、User as ContoributorRich User Experiences、Radical Decentralizationna、CGMなどの考えに!
・RSSリーダーでメタのみのFeedを情報
→特定ポータル・サイトへいちいち行かなくなるので、トラフィックを集中させるのが難しくなる
→Folksonomy、Longtailなどの考えに!

小川さんのセッションの後、私から下記の図を提示して現時点でのWeb2.0の議論について紹介させていただきました。


小川さんの結論にあった「読者はニュースソースを気にかけなくなり、世界中に分散するコンテンツを嗜好に合わせて自分で収集するようになる。」の部分について、個人的にはそこ(=Personalized Portalが一般化する)までの道のりもしくはオプションとして、コミュニティ別・嗜好性別のFolksonomyによってコミュニティや嗜好性に最適化されたポータル(Socialized Portal)が一般普及するのではないかという仮説を持っていることもあって、引き続いての私からのトークはFolksonomyのユーザーサービスへの適用についてのお話をメインにさせていただきました。

Folksonomyについてはグループディスカッションの中でも多く取り上げられていたようで、これをビジネス化していく興味深い思考をユースケースさんがエントリーされているのでご参照を。

フォークソノミーなビジネスをつくっていく際に重要なのは、以下の3点だと思われる。
1.データの囲い込み
2.ユーザーの囲い込み
3.システムの構築

他にも、スーツとギークの比較視点でディスカッションを楽しんでくださった方や、周囲とのギャップ自体に発見を持たれた方、環境としてのWeb2.0を地に足を着けて考えていらした方、刺激を受けて即セマンティックウェブの本を買いに走られた方もいらして、それぞれが何かの2.0を考えるきっかけを得る場になったのかな、と思います。

あと、いつも通り勉強会終了後には懇親会を行ったのですが、いつも辛口の藤代@ガ島さんが、「その後の飲み会が面白かった!」とのたまうブレストモードで、飲みながら頭はプスプス言ってました。残ったみなさんたいへんお疲れ様でした。

今回は少しディスカッションの時間が短くなってしまったのが運営としての反省です。事後に「Web2.0は思考を深めている方向がそれぞれなので参加者発表の時間がもう少しほしかった」というフィードバックをくれた人にも感謝。今後の運営に活かしていきたいと思います。

次回は、保田さんと上原共にパネラー参加させてもらう12月16日の「Japan Blogger Confference2005」を挟んで、1月にまたその時のRealTimeな話題で開催する予定です。みなさままたご参加くださいね。

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ライブドアがIX事業を買収

なんてことだ。

ライブドア、メディアエクスチェンジを60億円で子会社化 -CNET

ライブドアは11月22日、インターネットエクスチェンジ(IX)事業などを手がけるメディアエクスチェンジを約60億円で子会社化すると発表した。

これはインパクトが強い。
堀江さんが無線LAN事業での広域設備敷設(滞っているようだが)に続き、インターネットのトラヒックコントロール領域でインフラ事業に触手を伸ばしてきた。ソフトバンクが正攻法でNTTの通信インフラ事業領域に攻勢をかける中、ライブドアはピンポイントでセンターとエッジのインフラ領域を支配しにかかっているようだ。

インターネット接続事業のコモディティ化が進み、IPv6(市場的には若干盛り上がりに欠けるが)へインフラが転換される時期を測っている中、10年後のインターネットを思考すれば付加価値コントロールの機能はセンター側へ、顧客コントロールの機能はエッジ側へ向かうことは想定できる(あくまで想定)。そこに目を付けて着々とアクションする堀江さんの勢いは特筆ものだ。

男気としては孫さんが正攻法。
戦略としては堀江さんの方が正攻法。

インターネットインフラのエッジとセンター両面にポートフォリオを広げたライブドアは、正直本当に怖い。

少し関連の記事:
月額315円で個人向けIPv6サービス、OCNが開始

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2005年11月20日

『Japan Blogger Conference2005』 ~ブログの向こう側を考えてみよう~

ブログは、ブロガーは、いったいどこへ向かっているのでしょう?

このお題を一度ブロガーみんなで考えてみようということで、有名・無名のブロガーが集まって話し合える場を準備してみました。

『Japan Blogger Conference 2005 ~ブログの向こう側を考えてみよう~』

2005年に入って、ブログは気軽なコミュニケーション・情報発信ツールとして一気に幅広い層へ普及しました。ブログを始めたことで、より幅広い人々と知り合う機会ができた、より多くの人に自分の意見を知ってもらえるようになった、という人々がいる一方、人が増えてコミュニケーションの濃度が薄くなった、といった意見も見られます。

ブログは個人同士の対話ツールだから実名でやるのがいい、実名が成功への道だ、という人もいれば、サラリーマンにそんなことできるか!、匿名でやった方が顔の使い分けもできていい、という人もいます。

ブログを続けてどんないいことがあるの? 有名ブロガーはどうやって続けているの? 
仕事との折り合いは? アルファブロガーって一体何者なの?
ブログブームの後にはいったい何があるの?

そんな疑問や議論の答えに近づけるように、当日は題に合わせた代表的なブロガーがパネラーに立ち、会場のみなさんを交えたパネルディスカッションや最近の注目ブログの発表などで進行します。

■開催日程:12月16日(金)
■開催時間:19:00 ~ 21:00
 (21:00より別会場で懇親会があります。引き続きご参加ください。)

■開催場所:東京ウィメンズプラザ(渋谷)
 地図はこちら。

■申込:
 こちらの申込フォームにて。

■プログラム (詳細はこちら
○パネル1 「Blogから次の舞台へ」
・パネラー
コグレさん@ネタフル(書籍、講演等)
磯崎哲也さん@isologue(テレビ出演等)
橋本大也さん@情報考学 Passion For The Future(講演、メディア露出等)
渡辺聡さん@CNET Japan Blog - 情報化社会の航海図(CNET連載、独立等) ※モデレーター

○パネル2 「ブログはネットの外でも面白い?」
・パネラー
渡辺英輝さん@29man(ニクマン)
齋藤朱保さん@shuiro note
ITmediaオルタナティブブログ We[love]blog=weblogほか
保田隆明さん@ちょーちょーちょーいい感じ
徳力基彦さん@ネットコミュニケーションの視点 ※モデレーター

○パネル3 「実名?匿名?企業人ブロガー」
・パネラー
小鳥さん@小鳥ピヨピヨ(a cheeping little bird)
藤代裕之さん@ガ島通信
catfrogさん@好むと好まざるとにかかわらず
上原仁@近江商人 JINBLOG ※モデレーター

-Japan Blogger Conference 2005 は、ブロガーのブロガーによるブロガーのためのカンファレンスです

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東京ブロガーカンファレンスに行ってきた

昨日は宿敵(笑)のCatfrogくんが主催する「東京ブロガーカンファレンス」なるただの飲み会に行ってきました。もともとただの飲み会だと聞いてたのに、FPN周辺が「ジャパン・ブロガーカンファレンス」を開くことになり、自分がそのパネラーを頼まれたところで突如飲み会の名をそのイベント名にインスパイアされるという、なんともいかがわしいセンスの持ち主ですCatfrog氏。

しかしそんなただの飲み会だったはずの場に現れたのはいずれ名だたるブロガーたち。しかも私の知る限りいずれもリアル側の権力に迎合しないエッジの立った人を端から順に数えていったような面々ばかり。山本一郎@切込隊長をはじめとして、ARTIFACTのカノセさん、DANさん、オツネさん、オトキノキさん、FIFTHEDITIONさん、ミズタマさん、そして藤代@ガ島通信 などなど。

個人的にはFIFTHEDITIONさんがだいぶ男前で好感をもったこととかキョンキョンがかわいかったこととか隊長が白髪染めしてたこととかPasleyさんにゆうこりんグッズを誕プレにもらったのが激しくうれしかったとかDANさんには来月この会をやるときにはぜひともサンタの格好できてほしいな、とかいろんな感想を持ったわけだが。

ということで、第二回では人をたくさん集めて鞘抜きをする予定のCatfrogくん、宣伝はこんなくらいでよいかね?

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2005年11月13日

ビジネスブログの戦略思考

織田浩一氏のAd:Tech2005速報記事の中に、企業がビジネスブログに向かう上での戦略に関するパネルディスカッションのメモがあった。よくまとまっているように思うので一読をおすすめする。

Boyd氏は、企業ブログのあり方について次のように語っている。
1. 企業という環境下であっても個人として声になること。
2. マーケティングの場ではないことを忘れない。
3. きちんと対話をすること。
4. 真実を伝える声であること。

ビジネスブログのあり方が端的に表されていて役に立つ。

1についてはより深く掘り下げて考えていくべきだろう。例えば、企業の中にいる人材一人一人がアイデンティティを表出させながら自分の思考や行動ログをインターネットに蓄積することは、たとえそのビジネスブログがマーケティングを意図したものでなかったとしても、対外的な企業ブランディングや販路開拓、既存販路の活性化活動になることは間違いない。なぜなら、ブロゴスフィアという場においては、ユーザーは企業名や商品名よりも「人」に対してスティッキネスを感じる傾向があり、ビジネスブログ自体が(RSSやCMSのメリットもさる事ながら)本質的にはその「人へのスティッキネス」をマーケティングに活用することが内包される施策だからだ。実際、上記記事をレポートしている織田氏も書籍『アルファブロガー』の中で自らのブログが自らの経営する事業にとってそのような機能を果たしていると述べている。

それでも2のようなことが語られる理由は、短絡的にブログを旬のものとして取り入れようとして「ウリウリ」なブログを作って大失敗する人々が後を絶たないからだろう。これからビジネスブログを始めるようとする企業の経営者や担当者には、まずは個人として匿名実名に関わらずブログを一定期間続けてみて、ブロゴスフィアの根底に流れるエモイワレヌ空気感(インディペンデンティズム、コミュニズム、アンチ権威主義、のようなものたち)を実体感することから始めることをお勧めする。

興味深い活動としてWikiを使って社内のブログ・ガイドラインを作った例が挙げられた。これはIBM内のブロガーを含めて、Wikiによってブログ・ガイドラインを作る作業が共同で行われ、30日のうちに完成したうえに、ブロガーが参加したため最終的にブロガーも納得できる形になったというものだ。

これはおもしろい。Web2.0の基本則の一つに「ユーザー基点」というものを提示しているが、このIBMの社内ブログガイドラインWikiは、規定された範囲内のユーザー(ここではIBM社員)に対してそのユーザー自身に自らの行動指針を参加型で規定させるというスタイルをとることで、ユーザーは納得感のみならず、そのプロジェクト自体への所有感と責任感を強くすることになる。ビジネスブログのプロジェクトの成立過程自体にコンシューマー向けのWeb2.0的なアプローチを埋め込んでいくということは他の場面でも適用可能だろう。

企業ブログのメリットについて、Terpin氏は、以下の6つを上げた。
1. 大きなトレンドの変化の中で企業が自らのポジションを定義する。
2. 新しいマーケットにリーチする。
3. アーリーアダプターへのコンセプトテスティング。
4. いち早く、かつ、低コストで、最新の情報を伝達できる。
5. フィードバックを得ることが出来る。
6. バイラル効果を狙い、マーケット範囲を広めることが出来る。

これはもう、まさにその通り。別のエントリーで解析したいと思う。

ただ、ここで語られている外的な方向とは別の側面として、企業の中にいる人材が企業の看板を背負って公の場で(例え注釈に「私的な発言です」などと表明していたとしても)発言することを通じて、企業や事業に対する所有感と責任とを感じることになる。ビジネスブログのメリットとして、経営視点からはそういった人材開発というインサイドの側面もあることを付け加えておこう。

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2005年11月08日

株式会社Web2.0 (笑)

見た瞬間、飲んでたコーヒーを吹き出してしまいました。

デジタルガレージ、ぴあ、カカクコムとWeb2.0関連事業で合弁会社設立

株式会社デジタルガレージ(本社:東京都渋谷区、代表:林郁)は、ぴあ株式会社(本社:東京都千代田区、代表:矢内廣)、デジタルガレージ子会社の株式会社カカクコム(本社:東京都文京区、代表:穐田誉輝)と共同で、ブログやRSSをはじめWeb2.0と呼ばれる次世代のインターネット技術に沿った事業展開を目指す合弁会社「株式会社WEB2.0(ウェブツーポイントオー)(仮称)」を設立する。

なんて会社名ですか(笑)
サトウマサヒコさんの差し金ですか?
笑えるなぁ、もう。

ただ、やろうとすることはとても興味深いし、応援したい内容です。

例えば、“今年再来日するバンドについて、昨年はいまひとつだったが、今年はメンバーも曲も違いとても良かった”といったブログ情報と、ぴあが持つ既存のコンサート情報やチケット情報をAPI化し、リンクさせることで、ブロガーの実際の感想と融合した情報をユーザーに提供することができる。カカクコムのもつ商品情報をAPI化することでも、同様にブロガーから提供されるユーザー主体の情報と、企業側から提供される商品情報もしくは、既存のメディアが提供する情報を緩やかに融合していくことが可能になる。

様々なデータソースをオープンAPIにして、小手先の技ではなく所持するデータの魅力とその事業に組み込まれたビジネスモデルで勝負し合える環境を目指すというのはたいへん理想的ではあります。Web2.0的には”Data is the Next Intel Inside"「データの所有がデファクトを制す」の体現ですね。

ただし、上記の「ブロガーから提供されるユーザー主体の情報と、企業側から提供される商品情報もしくは、既存のメディアが提供する情報を緩やかに融合していくこと」を実体化するためには、ユーザー主体の情報に商品情報と紐つけるためのメタ情報が埋め込まれていることが必要です。

これに対して、現在のブログ、すなわち自己発生的でフリーフォーマットのCGMを対象にするにはFolksonomyによるタグ付け・意味付けの蓄積かとてつもないコンテクストマッチング技術(要は文章の意味を読み解いてこれが何の商品に紐つくかを見つけてくれるエンジン)が必要になります。

前者を実現するには十分な時間と、Radical Trust(進歩的性善説)が浸透しかつネットリテラシーの高いユーザーを保持したベースコミュニティが必要でしょう。今ならはてなとmixiくらいでしょうか。後者はいくらTechnoratiさんでも現時点ではほぼ不可能でしょう。大まかなカテゴリーレベルでのマッチングはできるかもしれませんが、それでも相当ゴミ情報が入ってしまうことになるでしょう。また、それだけであればTechnorati上で実現した方が既に必要情報を峻別する訓練のできたユーザーさんもついていてよいのではないでしょうか。

となると、この合弁会社のサービス「PingKing」の存在の意味するところは、現在多くのネット事業者が垂涎で注目している価格コムの商品DBと個別商品に紐つけられた口コミ情報を法人向けマーケティングソリューション商品に転換することにあるのかな、と推察します。10%出資の価格コムがどこまでこの事業にリソースをコミットできるのかが成功への大きなポイントになるでしょうか。

なにぶん、極めてWeb2.0的なサービスコンセプトが実体化されて成功することをお祈りいたしております。

注: ニュースがあまりに面白かったので勢いのままに書いてしまいましたが、失礼があったらお許しください。当記事は知りうる情報と推測に基づく提言と期待を述べさせていただいているものです。また、もちろん当記事はプライベートな思考のプロットであり、所属企業等の公式見解とは全く関係ありません。

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RTC勉強会 『Web2.0』 -ビジネスへのインパクト

保田さん@ちょーちょーちょーいい感じと上原仁@近江商人JINBLOGのコンビで運営する「RTC勉強会」(RealTime Context)も第7回となりました。

11月のお題は、これまでとは一風変わったお題「Web2.0」で行きたいと思います。もしかするとこのブログをご覧の方にはより身近な話題かもしれませんね。

今年10月5~7日にかけてサンフランシスコで開催された「Web2.0カンファレンス」に前後して、日本でも「Web2.0」を取り巻く議論がブロガーを中心に活発になっています。
Web2.0という語自体の意味は「次世代のWebのあり方」という程度で認識しておけばよいものです。この語自体が指し示すものは特定のサービスや技術ではなく、持続的に議論され変化し続けているフレームワークのことですから。その意味で、Web2.0という語は発生から100年を経てもその定義が変化しつづけている“マーケティング”という語などと似た存在感だと思うと飲み込みやすいかも知れません。

そんな「Web2.0」というフレームワークを、非技術的な目線で、よりビジネスやユーザーサービスへのインパクトの部分を踏まえながらディスカッションする勉強会にしたいと思います。ですので、「Web2.0って何のこと?」「聞いたことはあるけど意味わからない」というような方にもぜひご参加いただきたいと思っています。

■RTC勉強会「Web2.0」(ただし非技術的に)
日時: 11月21日(月)19:30~21:30 (前半スピーチ、後半ディスカッション)
場所: アーバンネット大手町ビル20F NTTレゾナントプレゼンルーム
    千代田区大手町二丁目2-2  地下鉄大手町駅A5番出口直結
   →いつもの場所の向かいのビルなのでご注意!
参加費: 100円 (ジュース代)
持参物: 名刺と筆記用具をお持ちください

フレームスピーカー:
小川浩氏  Speed Feed

東南アジアで商社マンとして活躍したのち、自らネットベンチャーを立ち上げ経験あり。 2001年5月から日立製作所勤務。グループウェアやイントラブログを提供するプロジェクト「BOXER」を企画、運営したのち、2005年4月よりサイボウズ株式会社のインターネット事業の立ち上げに参画。現在に至る。著書に『ビジネスブログブック』シリーズがあり、ブログの商用利用についての講演多数。

この他、上原@近江商人から「Web2.0とは」の日本の業界的解釈の解説なども交えて進行したいと思います。

ご参加ご希望の方はこちらの申込フォームからお申込ください。
→11/10、満席となりました。ありがとうございます。

RTC勉強会「FPNニュースコミュニティ」のアソシエイトイベントです。~

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2005年11月04日

ティム・オライリーの「What is Web2.0」和訳版

Web2.0 Conference の直前に発表されたティム・オライリーの「What is Web2.0」については2005年上半期まで時点の「Web2.0とは」を総括する論文として位置づけられ、各所で部分的な和訳がなされて国内のWeb2.0議論の助けとなっていましたが、この度CNET JAPAN さんがその和訳版記事を公開されました。

原文のクオリティの高さはもちろんのこと、この和訳自体も上手く翻訳されていますので、原文を読み込むのに苦労されていた方も、とりあえず「Web2.0」というキーワードは抑えておこうかという方も、ひとまずお読みになることをお薦めしますよ。

Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(前編)

原文: What is Web2.0

参考:Web2.0 とは -7つの分類と要素MAP

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2005年11月02日

Web2.0的サービス提供者の資質 -Radical Trust

Web2.0的なサービスを実現しようとしたときに、まず大きな壁として立ちはだかるのはサービスを受けるユーザー同士及びユーザーとサービス提供者の間に”Radical Trust”-進歩的性善説 の関係性が既に作られているか、もしくはそのベースがサービスに組み込まれているかどうかという課題である。

これがないとたとえ理想論的にユーザー参加型サービスを提供しても、荒らし・炎上・閑古鳥の憂き目に遭うのが現実である。Web2.0的なるものがインターネットの酸いも甘いも噛み分けてきたユーザーから「理想論」呼ばわりされる理由はこのあたりの感覚にあると思われる。

日本のインターネットサービスの場合、「Radical Trustが既に作られていた」パターンは、はてなが伊藤CTO採用以降に打ち出したはてなブックマーク、はてなRSS、はてなアイデアといったサービス群にあたると言えるだろう。近藤社長を筆頭としたはてな創業メンバーによる人力検索・アンテナ・初期のダイアリーといったサービスの性善説とオープン志向に育まれた”よきはてな市民”の素地があってこそFolksonomyやユーザー協力型のサービスをポジティブなスパイラルに乗せることができたと言える。

また「Radical Trustがサービスに組み込まれている」パターンは、なんと言ってもmixiが筆頭になる。招待制、関係性の明示、あしあと機能(=記名ログ)によってユーザー間のゆるやかな監視関係が保持され、ユーザーは知らない者同士でもリアルの地域社会的な安心感を持って過ごすことが出来ている。その安心感が日本のCGMナンバー1サイトとなるPV、会員数、生成ページ数を引き出していると言えるだろう。

下記は先日行われたWeb広告研究会でのWeb人大賞渡辺氏@29manとはてな近藤社長のトークセッションの模様。

「日本版Googleを目指す」はてな近藤氏、Web広告研究会トークセッション -INTERNET Watch

たいへん濃い内容と思われるサマリー記事の中でも最も印象的なのはこの一節。

批判的なコメントや感情的なコメントの応酬で、いわゆる“炎上”状態になってしまうブログも少なくない。近藤氏は「インターネット上においても、普段、人と接するような正直さが大事」と指摘。渡辺氏も「誠実であることが大切」とうなづき、ブログが炎上したとしても批判は批判として認め、事実を隠蔽することなくオープンに対応することが重要だと示唆した。

Web2.0時代の先頭を走る彼らは生来において「正直」「誠実」であることで、自らをとりまくコミュニティを「Radical Trust」の状態に置いているのだ。

蛇足になるが、ネット界で未だ信者の多い切込隊長も書籍「アルファブロガー」の中で「いかにインターネットと正座で向き合っていけるかですよ」という誠実極まりないコメントを残している。

なお上記の論点は精神論のお話ではなく、Web2.0的なサービスを提供する側の資質のお話と捉えていただきたい。

参考: Web2.0 とは -7つの分類と要素MAP

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