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2005年09月06日

Y!メッセンジャー 正論の失敗

Yahoo!USがYahoo!メッセンジャーをディストリビューションチャネルとして活用し始めたというお話。

ヤフーの最新版IMソフトは予想外のおまけがてんこ盛り -CNET Japan

「Yahoo Messenger with Voice」の「typical(通常)」インストールをすると、スパイウェア対策ソフトとポップアップ対策ソフトが統合された「Yahoo Toolbar」、デスクトップ/システムトレイ用ショートカット、さらにYahooのリンク集をInternet Explorerブラウザに挿入するための「Yahoo Extras」が同時にダウンロードされる。またYahoo Messenger with Voiceは「Live Words」という機能を備えている。これは、ユーザーがオンライン上で単語を反転表示させると自動的にアイコンが表示され、そのアイコンをクリックするとYahooの検索結果、定義集、翻訳ツールに移動できるというものだ。さらに、最新版Yahoo Messengerをインストールすることにより、各ユーザーのホームページと自動検索機能が、それぞれYahooのトップページとYahooの検索になるよう初期設定が変更されてしまう。

既にMSNがMSNメッセンジャーで実行してきた「メッセンジャーのアップデートインストール時にデスクトップ・ブラウザ周辺の機能を全て自社仕様に変更させる」という行為に対するキャッチアップであり、それ自体は驚くに値するものではない。むしろ、Windowsでデスクトップを独占しているMSが先にネットサービスの領域でこれを仕掛けてきたのだから、Yahoo!としても指を加えて見ているわけにいかない。

Yahoo!・MSNに限らず、ネット事業者はユーザのデスクトップとブラウザのできるだけ多くの領域を自社仕様のものに仕立て上げることによって、自社の収益源となる検索クエリやユーザの視野のシェアを奪うことに躍起になっている。そのシェア競争には当然マーケティングの思考が必要で、4Pで言うと、ユーザが望む機能がそのプロダクト(今回の場合だとメッセンジャーそのものから、検索ツールバー、ホーム設定されるYahoo!トップページ等)に十分組み込まれていなくてはならないし、ユーザへの負荷(コスト≒プライス)が小さくなるようにサービス設計がなされていなくてはならない。
そしてプレイスメントを意識したときに、プレイスメントとしてリアル商流における店頭や通販の役割を果たすほどにマスをカバーするチャネルが存在しないネットの世界においてはユーザのデスクトップに到達しているソフトウェアの「アップグレード機会」という交渉機会の存在が大きな役割を果たすことになる。今後このような「普及済みのソフトのアップグレードタイミングをチャネルとして押さえる」という流れは一層加速するだろうし、そのうち広告代理店が対象としたがる領域に入ってくるかもしれない。PCへの初期インストールソフトが甚大な量になったときにそうであったように。

ちなみに上記の論で4つ目のP、プロモーションにあたるのは「バイラルマーケティング」ということになると思うが、この記事や張られているトラックバックを見ても、Yahoo!がそれに成功しているとは今のところ思えない。Yahoo!はやる必要のあることとして実行したのだろうが、結果的に「やり方を間違えた」ということになりそうな印象を持つ今回のバンドル劇でした。


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