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2005年08月27日

Yahoo!のYST化はユーザ軽視か


Yahoo!井上検索企画室長がYahoo!検索結果のYSTメイン化について解説をされているが、どうにも意味が通っていないように思えるので反応させていただく。

ヤフーユーザーとカテゴリサーチ、ウェブサーチ、Long Tail -エッセンシャル・サーチエンジン

現在のヤフーはカテゴリおよび登録サイトの検索結果をメインで提供している。(中略)カテゴリ、登録サイトはページの上に出るようになっているが、クエリーによってはページ検索の結果がすぐに表示される。例えば、クエリーが"yahoo search technology"の場合は3語から成り立っているが、このようにクエリーが複数語の場合にはページ検索になる場合が多い。あるいは"MP-33"のような珍しい言葉を入れても、ページ検索になる。

昨日のエントリーにも記載したが、現在はこのようになっていてメジャーなキーワードに対しては公式ページやYahoo!の優秀なサーファーさんたちが蓄積してきた優良なサイトのデータベースが上位に提示され、少ないクリックでほしい情報に到達しやすくなっている。マイナーなキーワードに対してはYST(Y!のロボット検索エンジン)の検索結果が表示される。この状態はたいへんリーズナブルでユーザに優しいスタイルになっている。

結果として現在のYahoo!Japanは高い検索クエリシェアを誇り、そのシェア推移は横ばいか上昇かの状態にある。現在のハイブリッドな検索結果が日本人のニーズにマッチしていることの証左であろう。

ところがそれを突如大幅に変更して、検索結果の第1ページ目にはこれまで人手をかけていた(ことによって支持を受けていた)カテゴリサーチの結果を最小化し、ロボット検索の結果と広告の領域を最大化しようというのである。これが日本のユーザのニーズを大切にして成長してきたYahoo!Japanの判断とは思えない。ユーザよりも収益を、もしくはユーザよりもUSなど外国のトレンドを優先したということか、と捉えられるのも仕方がない。

ではヤフーユーザーのクエリーはどのような特性を持つのだろうか?Googleと違って初心者が多いから、クエリーも限定されるのであろうか?「そんなはずはない。検索は一人一人全く違うはずだ。」と検索に携わったことのある人ならすぐに思うだろう。

その通り。ユーザの送る検索クエリーのキーワードはたいへん幅広いからロボット検索が必要となるし、そのポイントでYahoo!はYSTの独自開発を始めたのだろう。ただ、「検索は一人一人全く違う」からハイブリッドな検索をやめて結果画面を大幅に変更してYahoo!Japanを支持してくれているユーザに負担をかけるというのは、まったく理由になっていないように思う。

「検索は一人一人全く違う」から、GoogleもgooもMSNも検索事業者みんなが検索結果への人手のかけ方や優先順位のつけ方や表示の仕方についてより多くのユーザに満足してもらえるようにしのぎを削っている。その中でYahoo!Japanは他社が持てないでいた優秀なサーファー陣と蓄積したサイトデータベースを武器にしてユーザの支持を得てきたのだ。その競争上の優位性を脇に押しやることはユーザの期待を無視していることになる。井上室長はユーザには検索サイトの選択権はなく、みんなとにもかくにもYahoo!を使う、とでもお考えなのだろうか。このあたりの覇権的な考え方を匂わせる判断がユーザに「奢れる平家」を感じさせるのではないかと言う点も、他社へユーザ流出を促すのではないかと予測する理由の一つだ。

ヤフーはデフォルトの検索結果をウェブサーチに切り替えると昨日言ったが、これはサーチの本質を考えれば極めて自然な行動である。なんと言ってもクエリーがほとんど全部違うのだ。登録サイトの数は数十万単位。ウェブサーチのインデクスは億単位だ。ヤフーのサーチのユーザーは数十万どころではない。もっともっと多い。彼らが一人一人違うものを探している場合に、ウェブサーチの方が有効であるのは明らかである。

これがまたわからない。一人一人が違うものを探しているのは当たり前である。そんな中でもShortbody(少数の頻度の高いキーワード)とLongtail(多数の頻度の低いキーワード)があり、そこに優先順位をつけて対応に変化をつけるというのは、マーケティング的にはABC分析と呼ばれるごく初歩的ながら効果の高い手法だ。これまでのYahoo!Japanの検索結果はShortbodyへは人手を加え、Longtailへは人手を加えない、というもので、より小さいコストで最大のユーザ満足を得ようというものだった。これからはShortbodyへもLongtailへも手を加えない、という。井上室長は『彼らが一人一人違うものを探している場合に、ウェブサーチの方が有効であるのは明らかである』という。何が明らかなのかよくわからない。


私が昨日・今日のエントリーで一貫して述べているのは、Yahoo!Japanはなぜ日本のユーザに支持されているサービスに突如変更を加えてユーザに負担を強いるのか、それは奢りかUS迎合か収益至上かによるユーザ軽視ではないのか、ということであり、それが日本のインターネットユーザのインターネットへの満足を下げることになるのではないか、という危惧である。その危惧が現実のものにならないでおいてほしいものだ。

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