2005年08月15日
P2P技術のWeb2.0的ビジネス活用
そろそろ日本でもP2P技術が全うなビジネスに活用されてほしいものだ、と感じている。
PtoPの力を借りる米公共放送局--メディアの民主化を促進 -CNET
ClarkeのKQEDは、インターネットで人々にテレビ番組を届けようとする流れの最先端を行っている。この流れはまだ始まったばかりだが、いずれはこれが、ブログが活字メディアに与えた影響や、ポッドキャスティングがラジオに与えた影響と同じような影響をテレビの世界に与える可能性がある。プロの製作した番組を、アマチュアやインディーズの製作したコンテンツと同じ方法で配信することで、これらのツールはメディアの民主化を推し進めようとしているが、ただしそれがどのように進むかはいまのところ予測できない。
P2Pには生来の分散処理・ユーザ参加型という特性があるため、すでに開発も進んでいる著作権保護技術(DRM)が適切に運用された上で、日本人に染み渡っている「P2P=Winny=犯罪の香り」という固定観念を払拭することができれば、映像コンテンツ流通におけるWeb2.0的なるもののプラットフォームとして十分機能するであろう。
この領域における課題としては、アリエル・ネットワークの徳力氏も語っている「ADSLやFTTHなど通信インフラは整っているものの、著作権の管理やコンテンツホルダーとの交渉に課題があることや、米国のように法律の判断基準が明確でないために訴訟リスクが大きいといった問題が障壁となっている」という点が最も大きい。
この点に対しては、3年前のブロードバンドフィーバー時に雨後のタケノコのように立ち上がって今もなんとか粛々と事業を継続している通信事業者系の映像配信サービス提供者およびネット系コンテンツアグリゲーターたちが、これまで蓄積してきたコンテンツ配信権を活用していくことがまず第一歩となるだろう。
この事業領域において昨今はUSENが立ち上げた広告型無料映像配信モデル「GYAO」が注目されているが、彼らの採っている映像著作権を資本で確保してテレビ同様の広告ビジネスモデルでPC向けに映像を配信するというスタイルは、相当の資本投下が必要な上に設備投資はかさみ、何より多くのPC向け映像配信事業者が泣き所として訴えた「PCとTVの接触スタイルの違い」が克服されていない。
映像コンテンツ配信のビジネス領域は、当初から「放送通信融合」の文脈の中で語られてきたため、どうしても1:Nのブロードキャスト的な思想や著作権管理議論、デバイス議論に陥ってしまいがちだが、目線を変えてあくまで「インターネットの進化におけるコンテンツのマルチメディア化」という文脈の中で捉えたときには、P2P技術の正しいビジネス活用についてより議論を進めることがトレンドに沿った思考であろうと考える。
なお、流通政策としてのビデオ検索とコミュニティの存在も同時に議論する必要があることも付記しておきたい。
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