2005年04月30日

BLOG論 -続くブームと企業人実名ブログの件

このところの一連のBLOG論に反応して、思うところを書き記してみます。

前置きとして、R30氏をはじめとする「ブログブームが終わろうとしている」という論調については、数値で見えるマクロのトレンドとしての「ブーム」という言葉と、流行るネットサービスの初期にはつきもののマーケットイノベーターの熱狂を指す「フィーバー」という言葉の混同があるように思われますので、ここを切り分けましょう。

まず「ブームの終わり」という捉え方に関しては、否定させていただきます。ネットレイティングスのPV/UUデータやBLOGFAN.ORGのブログアクティブ数などを定常的に確認している中で、確かに4月に入って若干の踊り場感を感じさせるデータの存在(楽天広場やはてなダイアリーのウィークリーベースでの右肩下がり)はありますが、ブログサービスマクロで見たときには大きな変化は見られず、まだ4月月間値も出ていない現時点でマクロに「ブームの終わり」を語るのは早計に過ぎると思われます。むしろ現時点での分析としては 「はじめは社会人になった新卒学生が就活ブログを止めて抜けたのが原因かなあとか思っていたのだが」(R30) というような季節変動要素として捉えるのが常道でしょう。むしろ、3月までのブログページ全体でのユニークユーザ数は”指数関数”的な上昇カーブを描いていることや、既存メディアでの”ブログ”というキーワードの露出増加(民放番組や一昨日の日経本紙)という一般層への裾野拡大要因から、おそらく数値的なトレンドはまだまだ上昇カーブを描くでしょう。

では「フィーバーの終わり」という意味ではどうかと言うと、まあそうなのかな、という風には感じられます。理由は簡単で、R30さんや梅田さんの”振り返り”エントリーやアルファブロガーブログのPV数比較など、ブログ論壇のエバンジェリストな面々が自らフィーバーの総括を始めている心理状況そのものが”熱狂”の終いを表しているからです。


そんな中、一連のBLOG論の主題となっている「価値ある情報ほど極度に囲い込んで出さない、日本の知識人の「知」のあり方」について私も乗っからせていただきます。

梅田氏のBlog論2005年バージョン(3) --------------------------------------------
「ネットの向こう側の膨大な知」と表現したが、日本における教養ある中間層の厚みとその質の高さは、日本がアメリカと違って圧倒的に凄いところである。アメリカは二極化された上側が肉声で語りだすことでBlog言論空間が引っ張られるのに対して、日本は教養ある中間層の、個々には実に控えめな参入が、総体としてBlog言論空間を豊かに潤していくのだと思う。
梅田氏のBlog論2005年バージョン(4) --------------------------------------------
企業社会における「新しい日本」とは何か。それは、共同体意識に縛られた日本旧来型組織の外にあってなお「質の高い」仕事ができる場所のことだ。
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私個人は、状況としては「古い日本」側のサラリードワーカーでありながら実名を晒してブログを書いている人間です。ちなみに梅田さんの世代論的に見た1975以降生まれのネット世代でもなく、物書きを生業とするわけでもなく、マスメディアの人間でもオープンソース志向の技術者でもまったくありません。つまりブロガーたちに「組織の中に閉じこもっていないで知のオープンソース世界に飛び込むべし」と叫ばれている対象のサンプルに該当すると思われます。

私が実名ブログを書き続ける動機は「個の確立」にあります。所属企業への依存心を廃し、個人としての存立を確認するプロセスとでも申しましょうか。

現在、「古い日本」側の企業人として活動する中においては、エンプロイアビリティ(労働市場における自身の市場価値)という言葉は絶えず私たちの喉元に突きつけられています。それは'90年代後半のリストラの嵐を経て終身雇用信仰が崩壊していく過程を若手サラリーマンの立場で直視していた私たちにとっては当然の思考です。しかしながら、企業人として働く日々においては自分のエンプロイアビリティを確認する手段は限られています。職業上の実績を数値化することや定期的に転職活動をすることなどがそれに当りますが、それさえも自分の所属企業ラベルがついてまわるためにバイアスがかかったものにしかなりえません。そこで、実名を晒してインターネット社会に参加することがその確認手段として成立することに魅力を感じるのです。

実際に約一年間実名でブログを継続している中で、自らの思考や試行の表出に対する、PV/UUといった数字に表れる他人の自分に対する評価、トラックバックやコメントによる反応、ブログをきっかけにしたリアル社会での出会い・交流といった物事を通じて、客観的に自己の位置や能力の確認ができています。そしてその効果は「確認」に留まらず、文章を書くことによる自己認識や他者と比較する中での自己研鑽意欲の高揚、より高い能力や深い思考を持つ人々からの学び、といったものを通してその能力の「向上」にも寄与しているのだろうと感じます。

なおそこでは当然、すでに議論されている企業と企業人との間の「守秘義務」についてのグレーさが残るところではあります。私自身はもちろんシロの範囲でのみ表現することを心がけていますが、インターネットに関係する職業に就いている中でインターネットに関連する記事を上げていることだけででも会社側の解釈がどのように出るかはわかりません。しかし、それを恐れて全く個としての表現を自制するばかりではあまりにバランスに欠けるように思います。
若干リスキーな表現になりますが、「古い日本」の企業側はすでに自ら、かつて暗黙の了解であったはずの終身雇用信仰を従業員に捨てさせるためのスイッチを押しています。雇用の安定が保証されていない(度合はいろいろですが)中で、従業員側が自分の身を守るために必要な「自身の市場価値を計るための行動」を制限されては、職業人というより権利を与えられない奴隷に近い。企業側だけが「会社」というコミュニティのルールを変更する権利を持っていると考えるのは、先達が築いた「労使」という関係性の存在が忘れられ過ぎていることが原因なのでしょう。

Codemaniaxさんがお書きになっていましたが、日本の企業人は対外的に個を表現することを訓練もされていなければそのインセンティブもない、というのは事実実態であるとは思います。このため、企業人がブログを介して個の確立をするというスタイルはなかなか難しいことかもしれません。しかし、いずれにしても組織内での価値基準のみに依拠した活動だけを執っていてはいつの間にか自分の市場価値が見えなくなり、本来得られるべき雇用企業との対等な関係の下での職業人生を営めずに損を見るのは自分なのだ、ということに企業人はもっと危機感を感じてよいのではないかと思います。


本当は、EmployabilityからIndependentabilityへ、というような話もしたかったのですが、長くなりすぎなのでそれはまた別途。

※参照エントリー
ブログタイプに見る日本のブログブームと言うもの-FPN徳力さん
Blog論への返歌-SW's memo

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2005年04月25日

Google>Yahoo!

Googleが儲かって当然,検索件数がYahooの倍も -メディア・パブ

19日に発表した米Yahooの第1四半期決算では,売上高が前年同期の55%増の11億7300万ドル,純利益が約2倍の2億450万ドルと,好調に推移。売上の約9割を占める広告収入が順調に伸びたためである。続いて21日の米Googleの同期決算はもっとすごかった。売上高が93%増の12億5600万ドルで,純利益が477%増の3億6900万ドルと,飛躍的に膨らませた。収入のほとんどが検索連動型広告であることが特徴である。

USでの話ではありますが、四半期売上高ベースでGoogleがYahoo!を超えました。2004.4Qの時点ではY! が$1,078million、Googleが$1,032millionでしたので、GoogleはY!を抜いてそのまま一気に引き離した格好です。トレンドから言っても今後この差はますます拡大するでしょう。

以前のエントリーで梅田さんの

Googleは人間の介在を極力回避しようとし、Yahooは人間こそがソリューションの中核に存在するべきだという価値観で成り立つ会社だ。

というセンテンスを引用して、Yahoo!とGoogleがメディアコンテンツ市場に戦場を移したときの駄予測など記述させていただきましたが、この流れを見ると次のステップではGoogleが圧倒的な差で市場を牛耳るように思えてきます。

至極感傷的・抽象的なことを申しますと、個人的には、Googleにパワーが集中していくと至り点には「コンピュータに支配される世界」が待っているような気がしていやです。私はバビル2世よりドラえもんが好きです。

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2005年04月22日

梅田望夫氏 FPN座談会レポート

日本のIT系BLOG界のファシリテイターとして昨年末までCNETでのブログ連載で活躍され、先日再び「英語で読むITトレンド」をはてなダイアリー上で復活なされた梅田望夫さんを囲んでのFPN座談会の模様をレポートします。
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■ブログとの出会い
Q: ブログでの情報発信を始めたのはいつ頃からですか?

UMEDA: ブログというスタイルで始めたのは2002年の10月。アメリカで”blog”という言葉を耳にするようになったころ、当時まだ日経BPにいた山岸くん(現GREE副社長、前CNET編集長)と話をしたのがきっかけ。それまでにも日経BPのサイトで連載を持ったりする中でウェブでの発信への興味はあった。ただ、いざ自分でウェブサイトを始めようとしても、面倒で三日坊主(笑)に終わったりしていた。そこに出てきたのが「ブログ」というツールだった。
 当初は山岸くんと話が盛り上がって彼が私の個人サイトを「blogger」で作ってくれ、そこに私の書いたものを上げはじめた。そして丁度山岸くんがCNETに移ることになり、彼の助けになればと思って引き受けたのがCNETでのブログ連載。実は当初は個人サイトもCNETでのブログも私が更新していたのではなく山岸くんに原稿を送って彼にアップしてもらっていたので、その意味では私にとってはCNETでのブログ開始は特別なことではなかった。

■読者との距離
Q: 従来から雑誌への寄稿はなされていましたが、”雑誌”と”ブログ”の違いはどこにありましたか?

UMEDA: 何より「読者との近さ」が衝撃だった。雑誌で書いているときには、何人の人が読んでいるのか、中身が伝わっているのか、いったい誰が読んでいるのかも分からなかった。ある意味編集者の声が全てという状態で書き続けなければならなかった。ところがブログを始めたとたん、まずアクセス数の動きが見えることで読者の評価が赤裸々に見え、全体で見れば少数だがトラックバックという形で読者の声が聞こえ、新たな文脈ができる。執筆が本業ではない私としては、今や雑誌で書くインセンティブは、編集者との間の信頼関係以外全くない。

■仕事の副産物だから続いた
Q: ブログを始めたコンセプトはどういったものでしたか?

UMEDA: CNETの連載が始まるまでのブログではプライベートのことなども書いていたわけだが、私が他の人のブログを読んでいて正直個人的なものを面白いとは思えなかった。そこで「テーマ性を持とう」ということで、どんなものが読まれて書き続けることができるかを考えた末に出てきたのが『英語で読むITトレンド』というテーマだった。結局、自分が10年間続けてきた仕事の延長であり、副産物でやっていくのが一番長続きするという結論。

Q: CNETでのエントリー1本を書くのにどれくらいの時間をかけていましたか?

UMEDA: 約1時間程度。基本的には朝起きてすぐに書いていた。起床は4:30~5:00頃。目覚まし時計で起きるのではなく自然に起きられるように6時間は睡眠時間を取っている。ちなみに、日本は夜が楽しすぎるからムリ。シリコンバレーは野球を見終わったら夜はおしまいだから(笑)。

■10代の頃の自分に向けて
Q: ブログを書くときの読者・ターゲットは?

UMEDA: 若い人、イメージとしては「10代の頃の自分」。背伸びしたくて、既存のモノはいやで、英語が嫌いな(笑)。英語については、自分が10代の頃には興味の持てる英語の本を読む機会がまったく無かったことが残っている。だから興味を持てるもので英語を学べるようなものにした。ちなみに私の感覚では、CNET連載時に英語の引用を読んでいた人は10人に1人、リンク先の原文を読んでいた人は1000人に1人だったと思うが(笑)。

■ネットの向こう側の人達はすごい
Q: CNET連載時は他のブログのコメント欄が荒れることもある中、梅田さんのコメント欄のさばきは上手かった印象がある

UMEDA: コメント欄にはかなり気を使った。読者が1万PV/日を超えると雑音が増えてくる。しかし、自分が間違ったことももちろんあった。例えばアップルのネタを書いたときに中途半端な知識をエントリーすると、そこにはスティーブ・ジョブスと会ったことのある人もいればアップルと長年取引をした経験のある人もいて、彼らからすれば「こいつはわかっていないな」ということが見えてしまう。それが見えれば当然彼らはきついコメントを書きたくもなる。そういったことがあって、「ネットの向こう側の人達は実はすごい」のだということを知り、その後は自分で自信のないものは書かなくなった。それが「ブログ」の書き手として本当にいいことかどうかはわからないけどね。

■CNETはブログをやるべきではない

UMEDA: CNETでの連載を経て、日本ではCNETのようなオンラインメディアのことも「権威」だと思っている人がたくさんいることを知った。そういう意味でも私は「CNETはブログをやるべきではない」と思っている。メディアは完全を目指すべきで、コンテンツには最終責任を持つべきものだ。翻って個人ブログは間違いもOKとされる世界だ。その二つの間は明確に分けておく必要はあると思っている。

■本質はコンテクスト
Q: ブログをやっていることで本業のビジネスへの影響はありましたか?

UMEDA: 書き始めた当初は「ブログを読んでいるからコンサルティングはいりません」というような人が出てくるのではないかと恐れたこともあったが、その点は全く心配不要だった。ブログを読んでくれている人と話をすると自然と話が深くなり濃い議論ができる。ブログもコンサルティングもそうだが、コンテンツが商売ではなくてコンテクストに本質がある、ということを改めて感じた。ちなみに、ブログを見てコンサルティングを依頼してきた人はまったくいない。それは雑誌で書いていたときも同じ。自分の商売を売り込もうと思ったら書いた上でちゃんと営業をしないとね(笑)

■いい歳になって、「何をやっていると幸せか」を思い出した
Q: ブログを続けるモチベーションは?

UMEDA: 経済的なものではまったくない。私は昔から大学の先生になりたかった。いい歳になってブログを始めてそのことを思い出し、「何をやっていると幸せか」を思い出した。大学で本当に教えることも考えないではないが、大学ではどうしてもクローズドに
なってしまってつまらない。今の状況はブログを通じて「バーチャル研究室」を持っているようなものだから。

■本当の自由競争

UMEDA: インターネットの本質は「オーソリティって何だ?」の答えを作り直すことだと思う。例えば新聞を例にとれば、40ページの紙面を100円で買うという表層の姿は簡単にはなくならないと思うが、その紙面の中身(コンテンツ)の価値は大きく揺るがされている。新聞でモノを書くということは学歴や新聞社の社内競争を乗り越えてきたということによって権威付けされている。その権威を得ることはもちろんとても難しいことなのだが、実は「ネットの向こう側の膨大な知」との軋轢を起こしている。ネットの中というのは激しい本当の自由競争、かつ継続競争の世界であって、その中で最前線でい続けようとしても2年がいいところ。既存メディアでの書き手はシステムによって守られているが、インターネットは旬な人を見つけ出すシステムが絶えず機能している。私がインターネットを「消費者天国、供給者地獄」と表現する所以だ。
 私のブログは”オープンソース”のような存在であり、それは趣味だから継続することができる。しかし本当にインターネット周りの書き手として食っていこうとしたらそれは並大抵のことではできない。そこにGoogleのAdsenseの存在がある。

■近藤についていこうと思った
Q: はてなの取締役就任のニュースは日本のブログ界を大いに賑わせました。

UMEDA: はてなの魅力は社長である近藤の魅力だ。とにかく何を考えているかが、よくよく詳しく聞いてみないと、なかなかわからない。「世の中にこんなことを言う人がいるとは知らなかった」と思わせるようなことを平気で言う不思議な男だ。はてな自体はコミュニティを大事にして「人間を信じる」という思想を持った会社で、それが本当に通用するかどうかはまだわからないが、私はこの全く新しいことを考えている近藤についていこうと思っている。

■オープン、Webサービス、アフィリエイト
Q: 今後のインターネットビジネスの展望など

UMEDA: キーワードは、”オープン””Webサービス””アフィリエイト”だと思う。Webはオープンであることが大前提。例えばアスクルは注文をネットで受け付けているが会員制で原則クローズドになっているのでは。この形ではGoogleにインデックスされることもなく、アフィリエイトで客を呼び込むこともできない。これからはグレーな部分を残すことなく全てオープンにしていくことだと思う。

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この他にもオフレコで語ってくれたUSと日本の経営思想の比較論など、たいへん有意義な議論で盛り上がった座談会でした。
梅田さん、ありがとうございました。

■関連記事
 ・My Life Between Silicon Valley and Japan
 ・CNET 渡辺 聡
 ・キャリアコンサルタントのひとりごと。

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2005年04月20日

Search Engine Strategies2005

Search Engine Strategies2005 (SES) に行ってきてのレポートなど。

まず初日の基調講演ということで、Yahoo!Japanの検索企画室長井上俊一氏が「ライフエンジンとマイメディア」という題でYahoo!Japanの現状と方向性についてお話をされました。不要な新奇性を省いた内容で、面白みよりも実際的な中身の詰まった講演だったと思います。

まずYahoo!Japanのミッションは「何をするにもいつもそこにYahoo!Japan」というものを掲げている、と。そのミッションの実現概念として、現在は「ライフエンジン」と「マイメディア」という2つのプロダクトコンセプトを以って開発・実装を進めているとのことです。

「ライフエンジン」とは、より効率的に欲しい情報にリーチし、コミュニケーションを取りたいと思う相手・集団とつながり、しかもそのディスティネーションから次の行動への拡張性を高く快適にする、という考え方の下、ユーザがより豊かな生活を手に入れるために役立つエンジンとなること、というコンセプトのようです。
「マイメディア」とは、よりいっそう個人個人のユーザの視点に立ったサービスとして、MyYahoo!に限らず個人の行動履歴や嗜好性にあわせたコンテンツやコミュニケーションを提供する、というコンセプトのようです。

関連データとして、Yahoo!の独自調査「生活に関する情報源調査」の中で、オフラインを含む何らかの手段での行動をとるときのインターネット/Yahoo!の利用率を取得したときに、オンライン/オフラインに関わらず「検索」という行動をとる生活者は94%、そのうち「検索」行動をインターネットでとる生活者は38.8%で、うち33.3%はYahoo!を利用している、というものを挙げていました(いずれもグロスでの%の様子)。インターネットでの検索、特にYahoo!での検索が生活者の1/3もの人々の行動基点になるところまで来ている、という解釈の様子。
また、現在のYahoo!Japanの日々の検索クエリのうち、キーワードを検索頻度順で並べたときの上位3660ワードの累計クエリ数が全クエリに占めるカバー率は18%、1度しか検索されなかったワードが全ワードの63%を占めるとのこと。この辺りの数字から、「検索」はYahoo!のマイメディア戦略を進める上でもキーとなるという考え方があるようです。

続いてYahoo!サーチの方向性として、「『情報を探す』から『個人の知識や知恵を共有する』へ」というフレーズの下、①Webサーチ -全般的なことを知りたい、②Verticalサーチ -特定の分野で探したい、③Personalサーチ -自分の情報を管理したい、④Sharedサーチ -友達や同僚と知識を共有したい、という4つのレイヤに分けた開発を進めている、という話がありました。
①Webサーチは、Yahoo Search Technology のチューニングが当面の課題で、Relevancy(適切さ)、Comprehensiveness(網羅性)、Freshness(更新性)、Presentation(見た目と可用性)、Trust(信頼性)の5つの観点でチューンしている、ということ。
②VerticalサーチはY!商品検索やY!知恵袋を例とした専門検索。
③④については、現在のサーチが単純にインデックスを引いているだけでユーザのフィードバックが全くない状態であるのに対し、そのインデックスに対してユーザのフィードバックを入れて結果抽出をしたものを③Personalサーチ、友人や同僚のフィードバックを入れて結果抽出したものを④Sharedサーチ、という捉え方で概念化していました。現在80あるY!Japanのサービスのうち55サービスがログインを要求するものであり、現在月間1,310万IDのログインがあるYahoo!Japanは、「日本で最もPersonal、Sharedサーチのポテンシャルが高い」という宣言がありました。

すでに実装が進んでいる①②はさておき、③④についての言及が薄かったことは残念ですが、それだけ現在Yahoo!Japanの検索領域におけるパーソナライズとソーシャライズについての議論や開発が活発なのだろうという所感を持ちました。関連して、冒頭のライフエンジンの説明の中のアドリブで井上氏が「インターネットの本質は時間・空間を超えて密度の濃いコミュニケーションが取れることだと思っている」という内容の発言をしていたのが大変印象的です。コミュニケーション領域においては、USでのYahoo!360°(SNSをベースにしたコミュニケーション統合サービス)のベータ版リリースが最近の話題として挙げられますが、日本でのインターネットユーザの特性に合わせた同種のサービスがいつ頃どのように投入されるか、またそこにSharedサーチやPersonalizedサーチのサービスをどのように実装してくるかに注目したいと思います。


この他、ブースでの展示の中では下記のようなものが目立ちました。
SEO/SEM事業者の興味が、単なる検索エンジン対策や検索広告から最終的な購買行動や資料請求などへのコンバージョンレートの向上に向かっている流れを感じましたね。

・アイオイクスのランディングページ(広告クリック先ページ)の効果アップのためのABテストサービス
 「SplitRunner」

・アイオイクスの自社アフィリエイト構築兼SEO対策ツール
 「Strings」

・セプテーニのリスティング広告自動入札システム
 「Auto BIDDING System」

・バリューコマースが昨日リリースしたカテゴリ型PPC広告商品
 「Matchsmart」

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2005年04月18日

労働市場とインディペンデントコントラクター

インディペンデントコントラクターという語を最近耳にします。

インディペンデントコントラクター(Independent Contractor)
高度な専門性を備え、業務単位の請負契約を複数の企業と結んで活動する「法人化した個人」および「個人事業主」の事。Independent Contractorの略でICと呼んだり、直訳して独立業務請負人とよんだり、プロワーカーなどと呼んだり、呼称は様々。一部には独立業務請負人を略して「ドクウケ」と呼ぶ向きもある。
「必要な時な時に必要なだけ」プロジェクトに参加し、ベンチャー企業としてIPOを目指すわけでもなく、自宅を中心に自分のペースで働くSOHOとも一線を画するICは「雇われない、雇わない」フリーエージェントとしてのビジネスマンの新しいワークスタイルとして注目を集めている。

近年は消費者の価値観の多様化や企業経営環境の流動化に伴って商品やサービスのライフサイクルがどんどんと短くなってきています。一つの商品やサービスは企画・開発の段階から、マーケティング、製品化、販売、運用・サポート、といった一連のフローを経てユーザの手に渡ることとなりますが、大きく分けると「考える・作る」の段階と「売る・回す」の段階とに分類できます。

このうちの後者の方はそのプロダクトのライフサイクルを想定しながら、マネーリソースやヒューマンリソースを計画的に配置することがある程度可能ではありますが、前者の「考える・作る」の部分については持続的なマーケティングの賜物としてある適切なタイミングを得て執行する必要があり、リソースを計画化することが困難、もしくは無駄の生まれやすい状態になる可能性が高くなります。そこで企業側としてこの「考える・作る」ヒューマンリソースを流動化可能な状態にするニーズが高まるのは必然といえるでしょう。そのニーズをカバー可能な状態にする存在がインディペンデントコントラクターになるといえます。ちなみに、大きな視野で見ればマネーリソースに関しても近年のエクイティファイナンス手法の多様化などがこの流れに対応した動きであると捉えられます。

ヒューマンリソースマネジメントにおいて、これまでこの流れに対する対応は人材派遣会社があたかもマネーにおける間接金融=銀行にあたる存在として振る舞い、人材のプールと人材の突発需要に対するマッチングニーズを満たしてきましたが、この領域にも徐々に市場化の波が押し寄せているように思われます。

気付かぬ速さで… -ちょーちょーちょーいい感じ

最近周りの友達などを見ていても思うのですが、ここ数年で考えることとか視点とかがガラリと変わったり、非常に柔軟になったり、そして外部に目が向いていたりという変化を感じます。彼らは経営者的視点でモノを考えることが普通になってきていると思います。それは別に意識してそうなったわけではなく、今後の自分のキャリア、人生をどうしようと考えるうちに自然と身についてきたのだと思います。

ブログが人を転職させるのか、転職する人がブログを書くのか -FPN
NDO::Weblogの伊藤さんは、以前講演で、「ブログのおかげで執筆や転職の機会に巡りあえた」というような話をされてましたし、ガ島通信さんのケースなんかは、まさにブログが転職のきっかけになっている印象があります。これまでは大企業の中にいる人が外の人に評価してもらう機会と言うのはなかなかありませんでしたが、ブログなんかで情報発信していると自然に外の世界の評価というのが分かってきますから、今後はそういう逸話がどんどん増えるんでしょうね。

ブログやSNSといった、個人がインディペンデントに活動することを容易にするツールが普及段階を迎えつつあることによって、インターネットが「人と情報のマーケット」として機能し始めていることの萌芽が感じられます。現在はまだごく小さなパイでかつ「転職」というスキームにおいてなされている状況ですが、近い将来その裾野が広がり、徐々にインディペンデントコントラクターの市場として機能し始めるのではないでしょうか。

SNSの勃興期に「数年後のビジネスマンは人と初めて会う前に、SNSで相手の人とナリをチェックし、相手のブログでその人の興味と思考をチェックするようになる」というような予測がありましたが、もう半歩進んで「プロジェクトを起こすときにはSNSとブログでメンバー収集」ということになるかもしれません。そこですぐに思い浮かぶのはUSでのLinkedInの事例、企業から掲載料を取って求人情報を掲載するモデルですが、まだ一般の求人サイトの域を出るものではありません。

日本で言えば、同一の事業者が運営するmixiFindJob!の融合がいつくるかいつくるか、と著名ブロガーらが見つめていますが、日本経済の流動性≒成長性向上のためにも、近い将来に現在のmixiとは上手く切り離された「労働市場」の実現が期待されます。

もちろん、まだまだ職業人たちのマインドがインディペンデント主流になるまでには相当の時間がかかるわけですが。

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2005年04月16日

家入社長&コー

家入社長とその仲間たちとお会いしました。

想像していた以上に地に足のついた人物でした。ブログ等で表現しているおちゃらけの側面も時折垣間見せて笑わせてくれますが、ベースは新しい価値あるサービスを世間に産み落とし続けることに懸命な一人の経営者さんでした。

家入さんもいいのですが、脇を固める仲間たちがおもしろい。それぞれが個性を持っていてかつ相当に優秀な人でしょうに、それをひけらかすことも誇大することもしない。会話の中のふとしたところで一人がアイデアを口にすれば、皆がポンポンと順方向/逆発想にアイデアを重ねて行き、気がつけば一分間ブレストトークになっている。皆が絶えず「おもしろいものを産み出そう」の一方向に意識を向けている。「チーム」になっている。

おそらく、家入さんの発想力やそれを形にする力、これまで生み出してきたサービスのセンスもさることながら、彼の表層のちゃらけと中身の地道さという二面性、企業家と若いパパという二面性の懐の深さに魅かれて、ペパボにはよい人が集まってくるのでしょう。
ペーパーボーイアンドコーの”コー”の意味を強く感じたセッションでした。

ペパボさん、これからも日本のインターネットにおもしろいものを産み出し続けて下さいね。応援しています。

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2005年04月14日

「口コミ」の影響力

価格.comユーザーは掲示板の影響が大 -ITmedia

カカクコムの調査によれば、価格比較サイト「価格.com」利用者の多くが、購買行動において口コミの影響を受けていることがわかった。約5割の人は、口コミ情報が「購入予定だったものを買う後押しとなったことがある」と答えている。

価格.comの自社調査なので鵜呑みはできませんが、改めて
・消費者の購買行動への「口コミ」の影響力の強さ
・特に「購入の後ひと押し」に効いている
・口コミサイトの存在認知自体が口コミで伝播している
といったことが見て取れます。

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2005年04月11日

異文化の壁

『著作権問題さえ解決すれば、ネットとテレビの融合が前進するかと言えば、それほど単純な話ではない。明らかに目に見える壁の手前にも後ろにも、なかなか目には見えない多くの壁がある。その多くは技術論よりも、信頼関係の問題である。そうした壁を乗り越えていくためには、資本や技術の力を駆使するよりも、「異なる文化の世界に住む人たち」への理解と、決して相手の文化を否定しない形で協力関係の在り方を模索していく辛抱強い努力こそが重要になるだろう。』

 ネットとテレビの融合――著作権問題、暫定解決の先にあるもの より

テレビとネットの融合に関連した著作権問題の記事の中で、西正氏(数年来の放送通信融合論議の御大・出てきすぎw)が記した一文です。近江商人は数年前のブロードバンドブームの折に通信事業者サイドとして放送事業者の文化に切り込んでいく生業を持っていたことがあるのですが、この文章にはとても説得力を感じます。ネット業界(もしくは通信業界側)とテレビ業界(もしくは放送業界)が融合するために山積する課題は、結局のところ「文化の違い」の一言であるということです。

これは堀江社長の挑戦によってクローズアップされている「ベンチャー経営型企業」と「日本的経営型企業」との間に横たわる壁にも全く同じ公式があてはまります。そこに必要のは「文化の違いの認識と、異文化の融合に辛抱強く取り組むこと」です。

近江商人は年頭、2005年は異文化融合の年にしたい、と勝手に所信を申していましたが、そろそろそのための具体的な貢献をしたいと感じた一文でした。

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2005年04月04日

アフィリエイトサービスの整理

 [05.EC]

アフィリエイトサービスの整理です。

インターネット時代はコンシューマがメディアを操作する時代といわれます。その中においての「アフィリエイトサービス」の存在意義はたいへん高いものです。ブロガーやアフィリエイト主婦たちが生成する「CGM」と、一般消費者に実際に消費される製品やサービスの間をつなぎ、その購買の仲介行為に価値を発生させるためのシステムやマッチング機能を提供します。

現時点での国内のアフィリエイト事業者としては、先日Yahoo!Japanが株式の過半数取得を表明した「バリューコマース」、三井物産の新規事業部門とUSとのジョイントベンチャーとしてスタートし先日株式会社化された「リンクシェア」、審査が緩いなど初心者にやさしく認知率・利用率が最も高いといわれる「A8.net」(ファンコミュニケーションズ)、楽天とサイバーエージェントのジョイントベンチャーで楽天アフィリエイトの基盤も提供している「トラフィックゲート」、儲かりまっせの関西人色ベタベタで異彩を発する大阪のベンチャー「電脳卸」(ウェブシャーク)、といったものが挙げられます。

国内でのブログのムーブメントを受けて各社パートナーサイト(アフィリエイターとも呼ぶ)やパートナーメルマガが増加し、またバイラルマーケティングの重要性とネットコマース親和性に気づいたクライアントサイト(マーチャント、広告主、卸などとも呼ぶ)の増加も勢いづいたことにより、今業界では最も注目されるマーケット領域であるといっても過言ではありません。

しかし、現在のアフィリエイトサービス各社の提供する「オープン型アフィリエイトサービス」には、ユーザにとってパートナーサイトになるための加入手続きや各クライアントとの提携手続きが面倒くさいことや、クライアントには成果報酬の他に固定費が必要である、ビジネスモデル(仲介の仲介)に起因する利益率の低さなどといった課題があり、いまだブレイクとまでは至っていないのが実情です。

かたや「オープン型」の対極にあたる「アマゾンアソシエイトプログラム」や「楽天アフィリエイト」といった「直営型」のアフィリエイトサービスは、パートナーサイトにとってのユーザビリティの高さによって多くのユーザに支持され、それぞれの母体の流通額・売上高に大きく寄与しています。

つづく

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2005年04月01日

エイプリルフールのお遊びを陳列

アツいネット企業たちのお遊びを陳列してみました。

■はてな
はてな、詮索作業を簡単にする「人力詮索サイトさては」開始
『さては』
これが一番激笑しました。伊藤直也さんのセンスでしょうか。さすがですね。

■ドリコム
「世界初!ドリコム、机検索サービス、ドリコムデスクサーチオープン」
『ドリコムデスクサーチ』
うまく新サービス(ドリコムキャリア)への誘導に活かしているのがうまい。コンシューマ方向よりも法人方向を向いているドリコムらしいやり方ですね。これは吉田浩一郎さんのセンスでしょうか。

■ペーパーボーイ&コー
『ロリポおじさんの出張』
『忍者おじさんも出張』
先日家入さんたちがシノビのみなさんと飲み会をやったときにノリで決まったんだろうなぁ、ってとこがわかりやすくていいです。特にロリポおじさんになんの説明もついてないとこがまたいいです。

■GREE
GREE有料サービス第1弾「初恋の人検索サービス」事業開始
『初恋の人検索サービス』
上記3社と比較すると、もうひとひねりほしい感じがしますね。

■イー・マーキュリー
なし
昨日のmixiでのメンテナンス~復旧長期化のこともあって、あまりおふざけはできないですよね。それは正しい判断だと思います。

posted by huehara88 | トラックバック (6) Twitterでつぶやく newsing it! このエントリーを含むはてなブックマーク