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2005年01月30日

mixi分析5 -プレミアムサービス開始

1月27日(木)19:00頃、mixiが『プレミアムサービス』を開始しました。これまで会員向けの全ての機能を無料で提供してきたところを、月額315円を支払った場合はフォトアルバム・アンケート機能・日記でのHTMLタグ使用・モバイルメッセージといった機能を使用でき、加えて今後無料ユーザにかかる日記の容量やメッセージの保存期間の制限を緩和・解除できるといったものです。

この有料サービスリリースについては、H16年8月の「mixi無敵会議」の席上でも運営側が実施を匂わせていた件であるのでさほど驚きを以っては受け止められていませんが、これに対するユーザの反応は想定以上に冷静なものであり、時期的にはむしろ遅かった感さえあります。

1月30日20:00現在でプレミアムサービス加入者数は12,000名程度(推定値)まで伸びていると見られ、イーマーキュリー笠原社長が目標値として掲げた「年度末までにユーザ数の5%」という数字にも十分到達する勢いであり、おおむね順調な立ち上がりといえるでしょう。

今回のプレミアム=オプションサービス月額課金制について、経営的観点からは収益源の複線化と捉えるのが自然です。広告収入のみでは現状のシステム安定性と運営のユーザ対応に関するクオリティを保てなくなってきたであろうことは、12月の大規模障害時の復旧遅延などを見ても明らかです。インフラ型サービスのオプション月額課金制という収入形態は、NTT固定電話におけるキャッチホン・プッシュホンやケータイコンテンツの月額課金同様、加入ユーザのアクティブ・非アクティブに関わらず、軽負荷で安定的な収入が得られるというメリットがあり、これまで自らの並外れたスティッキネスによってサービスの安定運用に課題を抱え続けてきたmixiとしては、最も適した収入形態と言えます。

笠原社長がコメントとして『収益はサーバの安定化やインフラ投資、スタッフ増強などにあてる計画で、「直近の黒字化は考えていない」』と語っていますが、実際このプレミアムサービスの導入が直近のmixiの収益事業化を狙ったものではないでしょう。


とはいえ、ユーザ側の視点で言えば、プレミアムに加入しようとしまいと、いよいよサービスに対する対価の発生する”ビジネスされるサービス”としての捉え方をする対象となったことだけは間違いありません。これからmixiは33万ユーザ(3,000名/日で増加中)の厳しいメリット/デメリット判別の視線にさらされることになります。

プレミアムに対するポジティブなユーザボイスを拾っていくと、「感謝の気持ち」「寄付」「募金」「お布施」「税金」といった言葉が踊っています。このことだけを見ても、これまでのサービス機能・運営がユーザマインドのグリップに極めて成功していた証左といえるわけですが、反面、今回のプレミアムサービスに関して驚きを以って「すばらしい”プレミアム”だ」という受け止め方をした声があまり聞こえないことも実態です。

今回のプレミアムサービスで追加された機能や、同時に発表された無料ユーザ向けの容量制限に対しては賛否両論ありますが、各コミュニティにおいて比較的理性的に議論が交わされています。かつてサービス立上げ時にコアメンバー(今や「どこのSNSにでも登場する1000名」と言われる人々)によって交わされていた機能追加・改善要望のような熱狂感はありません。

あるmixi内のユーザアンケート(母数334名、サンプルに偏りがあるのであくまで参考として)の結果では、

①「機能」を理由にプレミアムに加入したユーザ ・・・10%
②「感謝」等の理由でプレミアムに加入したユーザ・・・12%
③「機能」に魅力を感じず加入していないユーザ ・・・24%
④「機能」は魅力だが金銭的理由で加入しないユーザ・・51%

となっています。解釈として、「プレミアムに加入したユーザの加入理由は機能的理由よりも感情的理由に依拠している傾向がある」「プレミアムに加入していないユーザは理性的判断で加入を拒否している」といった傾向が拾えると考えています。

これらの数値状況とユーザボイスを総合すると、計画された月額課金会員数の獲得をほぼ順調に進めることができているイーマーキュリーとしては、これまでの無料サービス運営によって得たユーザのロイヤルティを収益に変換する施策としての「プレミアムサービスの導入」は成功であった、と捉えることができるでしょう。それと引き換えに、コミュニティとしてのmixi全体にこれまで存在していた「ぼくらのmixi」的な空気から「イーマーキュリーのmixi」という捉えられ方が進み、今後はより理性的に厳しい目でサービスを峻別するユーザの声を的確に開発・運営に反映しつつ安定運用に努めることが求められます。

同時にいよいよ本格化が求められるビジネス面では、ユーザからのワンタイムチャージ収入源の開発やユーザニーズの高い「顔の見えるオークション」、対ビジネスユーザ向けのモール事業等、周囲の事業者が垂涎でウォッチしている「mixiがユーザに与える安心・粘着・所属感」という特性に適した事業の投入が期待されます。

ここまで加入者数とサービスレベルの評価で順調に進んできたmixiも、「ビジネス」になり始めるここからが本当の正念場ですね。

関連:
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mixi分析3 -1,000万PV/日突破
mixi分析2 -ユーザクラスタ
mixi分析1 -サービス特性


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