2005年01月30日

mixi分析5 -プレミアムサービス開始

1月27日(木)19:00頃、mixiが『プレミアムサービス』を開始しました。これまで会員向けの全ての機能を無料で提供してきたところを、月額315円を支払った場合はフォトアルバム・アンケート機能・日記でのHTMLタグ使用・モバイルメッセージといった機能を使用でき、加えて今後無料ユーザにかかる日記の容量やメッセージの保存期間の制限を緩和・解除できるといったものです。

この有料サービスリリースについては、H16年8月の「mixi無敵会議」の席上でも運営側が実施を匂わせていた件であるのでさほど驚きを以っては受け止められていませんが、これに対するユーザの反応は想定以上に冷静なものであり、時期的にはむしろ遅かった感さえあります。

1月30日20:00現在でプレミアムサービス加入者数は12,000名程度(推定値)まで伸びていると見られ、イーマーキュリー笠原社長が目標値として掲げた「年度末までにユーザ数の5%」という数字にも十分到達する勢いであり、おおむね順調な立ち上がりといえるでしょう。

今回のプレミアム=オプションサービス月額課金制について、経営的観点からは収益源の複線化と捉えるのが自然です。広告収入のみでは現状のシステム安定性と運営のユーザ対応に関するクオリティを保てなくなってきたであろうことは、12月の大規模障害時の復旧遅延などを見ても明らかです。インフラ型サービスのオプション月額課金制という収入形態は、NTT固定電話におけるキャッチホン・プッシュホンやケータイコンテンツの月額課金同様、加入ユーザのアクティブ・非アクティブに関わらず、軽負荷で安定的な収入が得られるというメリットがあり、これまで自らの並外れたスティッキネスによってサービスの安定運用に課題を抱え続けてきたmixiとしては、最も適した収入形態と言えます。

笠原社長がコメントとして『収益はサーバの安定化やインフラ投資、スタッフ増強などにあてる計画で、「直近の黒字化は考えていない」』と語っていますが、実際このプレミアムサービスの導入が直近のmixiの収益事業化を狙ったものではないでしょう。


とはいえ、ユーザ側の視点で言えば、プレミアムに加入しようとしまいと、いよいよサービスに対する対価の発生する”ビジネスされるサービス”としての捉え方をする対象となったことだけは間違いありません。これからmixiは33万ユーザ(3,000名/日で増加中)の厳しいメリット/デメリット判別の視線にさらされることになります。

プレミアムに対するポジティブなユーザボイスを拾っていくと、「感謝の気持ち」「寄付」「募金」「お布施」「税金」といった言葉が踊っています。このことだけを見ても、これまでのサービス機能・運営がユーザマインドのグリップに極めて成功していた証左といえるわけですが、反面、今回のプレミアムサービスに関して驚きを以って「すばらしい”プレミアム”だ」という受け止め方をした声があまり聞こえないことも実態です。

今回のプレミアムサービスで追加された機能や、同時に発表された無料ユーザ向けの容量制限に対しては賛否両論ありますが、各コミュニティにおいて比較的理性的に議論が交わされています。かつてサービス立上げ時にコアメンバー(今や「どこのSNSにでも登場する1000名」と言われる人々)によって交わされていた機能追加・改善要望のような熱狂感はありません。

あるmixi内のユーザアンケート(母数334名、サンプルに偏りがあるのであくまで参考として)の結果では、

①「機能」を理由にプレミアムに加入したユーザ ・・・10%
②「感謝」等の理由でプレミアムに加入したユーザ・・・12%
③「機能」に魅力を感じず加入していないユーザ ・・・24%
④「機能」は魅力だが金銭的理由で加入しないユーザ・・51%

となっています。解釈として、「プレミアムに加入したユーザの加入理由は機能的理由よりも感情的理由に依拠している傾向がある」「プレミアムに加入していないユーザは理性的判断で加入を拒否している」といった傾向が拾えると考えています。

これらの数値状況とユーザボイスを総合すると、計画された月額課金会員数の獲得をほぼ順調に進めることができているイーマーキュリーとしては、これまでの無料サービス運営によって得たユーザのロイヤルティを収益に変換する施策としての「プレミアムサービスの導入」は成功であった、と捉えることができるでしょう。それと引き換えに、コミュニティとしてのmixi全体にこれまで存在していた「ぼくらのmixi」的な空気から「イーマーキュリーのmixi」という捉えられ方が進み、今後はより理性的に厳しい目でサービスを峻別するユーザの声を的確に開発・運営に反映しつつ安定運用に努めることが求められます。

同時にいよいよ本格化が求められるビジネス面では、ユーザからのワンタイムチャージ収入源の開発やユーザニーズの高い「顔の見えるオークション」、対ビジネスユーザ向けのモール事業等、周囲の事業者が垂涎でウォッチしている「mixiがユーザに与える安心・粘着・所属感」という特性に適した事業の投入が期待されます。

ここまで加入者数とサービスレベルの評価で順調に進んできたmixiも、「ビジネス」になり始めるここからが本当の正念場ですね。

関連:
mixi分析4 -会員数30万人突破
mixi分析3 -1,000万PV/日突破
mixi分析2 -ユーザクラスタ
mixi分析1 -サービス特性

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2005年01月28日

人類の成長が止まる

晩婚、離婚増は世界的現象 将来人口にも影響と国連 (共同通信) - goo ニュース

表題は大げさに見えるかもしれないが、長期トレンドからすれば事実だ。戦後の英国や現在の日本を見ればわかるとおり、資本主義社会において一定の経済成長限界に達したときに、国民はより小規模な組織単位、家計から個人の”今”を守ることに意識を注ぐようになり、晩婚、少子化、離婚増、そして人口の縮減へ、というスパイラルに入る。たった今は経済成長とともに爆発的に人口を増加させている中国やインドにしても、その成長限界はすでに予測可能な範囲に入ってきた。

新しい息吹や変化が生まれない社会には新たな発想も成長意欲は生まれない。発想も意欲もない社会に成長は決して訪れない。成長しない社会に未来はない。

この件にマクロ視点での抜本的な解決策は見当たらない。思考しすぎるとすぐに戦争やら革命やらといった危険領域に入る。では私たちはどうすればよいのか?


そうだ!みんな子供をつくろう!


いや、まじで。

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2005年01月27日

ブログ検索サービス

「ブログ検索」の周辺が熱を帯びています。

ライブドアが従来から力を入れていた「未来検索」のリニューアル機能追加を行い、先日から計画が発表されていたデジタルガレージと米ブログ検索主流の「Technorati」との業務提携による新会社「テクノラティ・ジャパン」が設立されました。

日本では、国内ブログ草創期から先行的にブログ検索を提供して主にブログエバンジェリスツに愛用されている「bulkfeeds」や、gooがNTT研究所技術を投入して提供している「gooブログ検索」、先日blogfan.orgとの連携を発表した「NAMAAN」など、ブログ検索サービスを提供する事業者(及び個人)は既に活発な動きを見せており、徐々に個々の差異化も図られつつある状況です。
(ちなみに、Googleで「ブログ検索」と検索すると、まだまだ群雄割拠前という感)

ブログをネットコミュニケーションのインフラ的サービスであると捉えた場合にはまだまだブログは勃興期にあり、検索対象記事がまだ十分に蓄積されていない現時点ではブログ検索サービスの価値は十分に感じられるものではありません。一般の検索エンジンで十分です。

しかしながら、ブログ(ここでは =ネットコミュニケーション)本来のN:N情報流通という特性を鑑みてブログ検索の将来性を見据えると、近年、メディアの情報よりも口コミの情報の方が信頼できると言い切る消費者が増えているなかでその存在感はどんどんと大きくなることでしょう。そのときにサービス提供者が組み立てるビジネスモデルが、単純にOverture/Adwordsモデルに頼るのではなく、そのコミュニティ親和性や口コミ情報に基づくオンライン消費への誘導といったものと組み合わせた新たなものになっているとおもしろいな、などと漠然と感じたりします。今後に期待です。


未来検索livedoor、オプション検索やサイトの登録などへ対応 -ITmedia

デジタルガレージ、ブログ専業会社を設立 -CNET JAPAN

BlogFan.ORG さんと仲良くなりました。 -NAMAAN リリース

旧記事:
ブログ全文検索やブラウザで使えるRSSリーダーなど「gooラボ」で公開実験 -InternetWatch

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2005年01月26日

SONYの大企業病

切込隊長がこのところ「SONY」にターゲットをチューンしています。木村剛氏との騒ぎが時間とともに、また、リアルに木村氏が苦しみ始めたことへの憐情の空気とともに風化しつつある中で、今回は「株主」としてのスタンスを明確にして”検事の視点(笑)”でSONYを論じようとしている、というところでしょうか。

直近のエントリーでの彼の指摘の論点をまとめると下記の5点に絞られます。

・幹部役員の自己保身行動
・一般社員に蔓延する内向き仕事志向
・事業計画マイオピア
・若年層向け市場でのCSR欠如
・大規模クライアントのメディア操作

要は大企業病とそれに伴う社会倫理の低下に関するポイントで、これ自体はSONYに限らず、企業としての成長限界に達して縮小均衡政策で短期的財務成績の担保に傾注する多くの日本の大企業に共通する構造的課題です。これに対する抜本的な対策は少子化による長期トレンドとしての国力成長余力の低下や企業の本質的グローバリゼーションを停滞させる言語問題・国民気質の問題にまで器を広げる必要があるため、木村剛氏いわくの「あるべき論」レイヤの議論を政治レベルで深めなくてはならない領域です。すなわち、ここでSONY個別に振りかざしても本質的には意味をなさない。

ここでSONYの経営陣に投げかけてしかるべきなのは、もう少し卑近なレイヤの議論ではないでしょうか。

今回の直接攻撃のきっかけとなったのはPSPの初期不良問題に関連するSCEI久夛良木社長のコメントのようです。

「使用する液晶画面はこれ以上小さくしたくないし、PSP本体もこれ以上大きくしたくなかった。ボタン位置も狙ったもの。それが仕様。これは僕が作ったもので、そういう仕様にしている。明確な意思を持っているのであって、間違ったわけではない。世界で一番美しいものを作ったと思う。著名建築家が書いた図面に対して門の位置がおかしいと難癖をつける人はいない。それと同じこと」

例えば、3年前にこのコメントを目にしたとしたら、「いやはやソニーさんはやっぱり一本スジが通っていてすばらしいですな」という解釈も効いたところだと思います。しかしながら現在のソニーの状況というのは、ソニーショックによって投資界での信用を失墜させた上に、開発戦略の失敗による新三種の神器競争での出遅れ、価格競争ブランドへの堕落といった失態の末の「ソニーもうだめぽ」なわけです。そのような状況の中でこういったコメントを吐いてしまう久夛良木氏へなすべき提言は、

「空気読め」

だろう、と。
すなわち、SONYは自分自身の大企業病やブランド力の失墜を消費者よりも先取り(まだ世の中一般にとってはヨン様並にカッコイイヨソニー)して自認し、より真摯で愚直なIR、PRをするべきですよ、と。企業にとって、マーケティング志向と技術志向、顧客満足と市場創造との間には、それが融合して完遂されるまでの間においてはほぼ対極といえるほどの溝が見えるものであり、その完遂までの間のIR,PRを強硬な信念・スタンスで行うか柔軟なおかげさまスタンスで対応するかは「時の利」で判断しなくてはいけないものです。世間の風向きが悪いときはじっと我慢で潮目の変わるまで内部の努力を続けるのです。その世間の風向きを見ることもまた「ブランドマーケティング」の重要な視点です。そこを見誤っていることが本件の問題点であり、そのスタンスを正すことが、今、「あるべき論」ではなく「やるのか論」として現実的にSONY(=今や日本の国際戦略上弱っては困る企業)に目を覚まさせる方法ではないでしょうか。

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Googleニュースラッシュ

ここ数日、Google関連のニュースが怒涛の勢いで流れ込んでいます。情報としては虚と実が入り混じっているところですが、Googleにとってアゲのネタがほとんどです。2005年もGoogleを忘れるな、というメッセージでしょうか。 ・・・ただの株価対策か。

しかしながら、実サービスとしての「Google Video」のβ版リリースは、映像コンテンツ流通の根幹に関わるお話になりえます。が、ここでも再び表れてくる「著作権」「市場パイ」「放送事業者の既得権益構造」の問題。消費者のコンテンツ到達可能性を高めることが結果的にコンテンツのステークホルダーへの正当な利益の分配構造の確立につながる、というあるべき姿は誰もが理解しているはずなのですが。 既得権益者もその既得権益のすべてが自分たちの力ではなくて8割が公共の電波の力である、ということを理解しなくてはならない。別にあなたたちは全くがんばってない、とは言わないから。  ・・と、論点がずれました。
とにかく2005年もGoogleには注目、ネットと映像の融和は漸進です。


グーグル、テレビ番組検索サービス「Google Video」のベータ版を発表 -CNET JAPAN

グーグル、Firefoxの開発責任者を採用--「独自のブラウザ開発」の噂は本当か -CNET JAPAN

「GoogleがVoIPに進出」の憶測浮上 -ITmedia

グーグル、謎の人材募集--通信事業参入を検討か -CNET JAPAN

Google デスクトップサーチの登場による検索エンジン業界の変化 -japan.internet.com

スポンサー付きと一般の検索結果を見分けられるユーザーは6人に1人――米調査 -ITmedia

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2005年01月25日

コミュニティと序列観念

人間というのは良くも悪くも序列を付ける動物。モノにもそうだが、自分自身にもすぐに自分の属するコミュニティにおける序列を付けたがる。
その序列位置を気に入ったかどうかが本人のコミュニティ内寿命を決める。そしてそれは、多くの場合潜在的な我慢を強いられる位置付けとなり、そこからの逃避が、ML等でよく見かけるROM状態のような行動となって表れる。

仮にネットコミュニティが広くあまねく一般向けのインフラになるとすれば、それはそのコミュニティ内で得られるリアル的人間関係・機能価値・居心地のよさが、その人の序列観念・ 劣等感に勝った時だ。

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2005年01月22日

mixi分析4 -会員数30万人突破

mixiの会員数が30万人を超えたことが発表されました。

イー・マーキュリーのSNS『mixi(ミクシィ)』ユーザ数が30万人を突破
~ ミクシィ日記、毎日67,000以上がエントリー ~

・一日の日記数            :  67,226
・日記に対する一日のコメント数    :  321,269

・日記総数              : 6,982,758
・日記に対するコメント総数      :27,956,987
 ※日記数(コメント総数)に、ブログの数は含んでいません。

・コミュニティ数           :  76,455
・コミュニティに立てられたトピック総数:  420,421
・コミュニティへの書込み総数     : 3,683,715

・書籍、CD等のレビュー総数      :  246,201

数字を二点付け加えると、11/15のプレスリリース時と比較して、アクティブ率に変化が見られないことや会員数の増加率と日記エントリーの増加率がほぼ同等であることからページビューの値が下記のように推定できます。

・一日あたりのページビュー    : 1700万PV (推定値)
・一ヶ月あたりのページビュー    : 5.1億PV  (推定値)

この数値は、ネットレイティングスのホームパネル・ワークパネル合計値(12月)で見たとき、2ちゃんねる(これまでのネットコミュニティ最大値)の4.7億PV、excite(有数の総合ポータル)の3.4億PVをゆうに凌駕しており、以前の分析での予測を越える数値となっています。また、ソーシャルネットワーキングサービスと共に2004年のネット界を賑わせたブログサービス群の中で、最大の開設数・アクティブ数を持つlivedoorブログ(参考:ブログサービスランキング)が2.7億PVとなっており、mixiはこれにほぼダブルスコアをつけて、単一のCGMサービスとしては数字上ダントツのトップポジションに躍り出た格好です。


また、今回のプレスリリースの本論である『ユーザ数30万人』というと、一般論的にはネットメディアとして事業が成り立つ数字であり、ビジネス評価の観点では一つのマイルストーンを越えたということになります。これによって、今後は昨今のネットコミュニティ系サービスの盛り上がりやソーシャルネットワーキングの意味性をあまり理解していないクライアントからの出稿も獲得しやすくなり、mixi単体で事業としてビジネスベースに乗せることが可能になってくるでしょう。

ただ、実際のところのmixiのメディアパワー、コミュニティパワーはその程度のものではありません。CNETの記事内のイーマーキュリーのコメントに「紹介制なのである意味閉鎖的なイメージで捉える人がいるかもしれない。しかし、単純に『何千、何万人の会員数を有している』ということだけを売りにしている一般のコミュニティサイトよりも、広告の効果は非常に高いと考えている」という下りがありますが、これは誇大ではないでしょう。
まず、サイトオープン後すぐからほぼ変わることなく現在も続く70%超の3日以内ログイン率(=アクティブ率)と、50P を超える1日1人あたりページビューといった粘着性が、単なる30万ユニークユーザのサイトとは比較にならないユーザリーチを生み出し、所属感の強いユーザへの露出となるためにたいへん高いマインドリーチも見込まれます。

また、「mixi内にさまざまな種類のコミュニティができているので、そうしたコミュニティごとの内容に合わせたターゲット広告を表示させることも検討している。」というコメントにもあるように、ユーザに関する年齢性別などのデモグラフィックデータのみならず、「コミュニティ機能」によって趣味趣向やライフスタイルを表すサイコグラフィカルなデータ取得がサービス内に埋め込まれているために、広告クライアントにはよりピンポイントで費用対効果の高いターゲット広告媒体を提供することができます。


これまでは「こういったことも可能だ」というふうに語られて期待ばかりを大きくさせてきたmixiもいよいよ30万人超えを果たし、今後は徐々に上記のような広告媒体としての商品開発が重要となる時期にさしかかっているといえるでしょう。国から表彰を受けるまでになりながらもいまだ「βバージョン」を名乗り続けるサービスの側面と合わせ、そろそろビジネスとして本格的に軌道に乗せる時期ですね。

関連:
mixi分析3
mixi分析2 -ユーザクラスタ
mixi分析1 -サービス特性

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2005年01月20日

ブログサービスランキング -戦略分析

ブログサービス アクティブ数ランキング(H17.1.18現在)

順位サービス名月間 '04.12週間 '05.1.1st日間 '05.1.18①day/month
1livedoorブログ96,19762,08021,65622.5%
2楽天広場90,02663,17229,99833.3%
3NAVERブログ80,19047,59914,99318.7%
4ヤプログ43,52432,14313,97732.1%
5エキサイトブログ40,08429,82612,68531.6%
6はてなダイアリー36,36329,92115,12541.6%
7gooブログ35,69525,67911,42832.0%
8JUGEM18,34111,9374,71125.7%
9ココログ16,22211,3944,20925.9%
10ドリコムブログ14,07110,0843,83627.3%
11アメーバブログ13,7629,4763,97128.9%
12Seesaaブログ13,611 9,570 4,22031.0%
13Doblog5,999 4,2101,92332.1%
14ブログ人5,713 4,0621,60028.0%
15AOLダイアリー1,584 1,062 45528.7%
2004年はブログの年(SNSの年、ということもあるが)と言われ、ネット業界内では最もホットなサービスカテゴリとしてベンチャー、ポータル、ISP各社が競ってブログホスティングサービスに参入しましたが、このところ徐々に各社の戦略の成否が分かれ始めています。上記は「アクティブユーザ」を軸にして月・週・日毎の更新ユーザ数を計測したランキングです。各社が「ブログ開設数」を喧伝しているために、一体どのサービスが本質的に好調なのかがわかりにくくなっているところですが、実際の更新ユーザ数で序列すると実態としてのサービスごとの成績が現れてきます。この数字から特徴的な事業者の戦略とその状況を分析してみましょう。

表の通り、月間ベースでのアクティブユーザ数でトップを走っているのは「livedoorブログ」です。開設数では31万超え(1.20現在)となり”No.1ブログサービス”を公言する彼らですが、実際のアクティブユーザ数でも確かにトップはトップのようです。ただし、デイリーのアクティブと月間のアクティブの比で見ると(表の①day/month行)あまり活発なユーザが多いわけではありません。堀江社長としてはユーザの質やエントリー内容の質などにこだわることなく、とにかく「ブログNo.1」の座にこだわろうとしているようです。ポータルTOPページとブログTOPページを統合するなど、一層ブログ事業への傾注を進める彼らですが、果たしてこの量的No.1戦略が奏功するかどうかは見ものです。

国内でのブログ熱が高まる以前からCMSによる日記サイトとして人気の高かった「楽天広場」が月間アクティブユーザ数で2位につけています。昨年の5月に予告なく突如20万以上の日記からPingを飛ばし始めてPingサーバ運営者から大ブーイングを受けた楽天広場ですが、その後も着実に開設数も伸ばしています。彼らの場合、出自であるEコマースを軸としたコミュニティとして発展を遂げているためブログ間の”口コミ”を介した消費への相互誘導が活発に行われています。昨年後半にキーワードとなり始めた「CGM」(=コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア)の観点からすると、掲示板やSNS、Q&Aサービス等を含めた国内のCGM事業者の中で最も先を走っている状態と言えるでしょう。また、デイリーのアクティブ数ではlivedoorブログを大きく引き離してトップとなっており、「買い物」を中心としたコミュニティの活力・粘着性が比較的高く保てています。今後は、これまで立ち上げから運営を担当していた田中良和氏がグリー(株)の設立に伴って離脱したことによる人的リソースの穴を楽天の組織力でしっかりと埋めた上で、現時点のCGMとしてのリードを保てる運営や機能強化を継続できるかどうかがポイントと思われます。

月間アクティブユーザ数で4位につけている「ヤプログ」は、H16.6月サービスインという後発組でありながら、キャラクターテンプレートやポップなサイトデザイン等による”かわいい”イメージ戦略やネットピープルに人気の高いまつゆうさんを起用したバイラルマーケティングなど、若年女性向けにチューンしたマーケティング戦略が功を奏して着実な成長を遂げています。ブログホスティングサービスを一つのコミュニティ=場と見たときに、「若い女性の集まるところに男も集まる」という法則に則った成功例(ここまでのところ)と言えるでしょう。今後は慢性的な表示速度の遅さなどのサービス品質の向上が課題となりそうです。GMO熊谷社長がご執心(ながらあまりうまく行っているようには見えない)な検索事業からプライオリティを切り替えてくるかどうかがポイントと思われます。

2003年1月からサービスをスタートし、2004年上期頃までは最大開設数のブログサービスと言われていた「はてなダイアリー」は月間アクティブユーザ数では6位に甘んじています。しかしながら、day/monthで見るとダントツのトップとなっており、キーワードリンクによる共同編集辞書機能が軸となって生まれたクラブ活動や互助会といったコミュニティの輪やユーザの機能要望自動収集→運営サイドが検討し改善するといったユーザの声を重視する運営方針が、より密度が濃く質の高いコミュニケーションを生み出しているようです。10月~11月に起こった「住所登録問題」で一部のユーザが離反したものの、迷走劇が大きな傷を残す結果とはならなかった様子。今後は、生来のポイント流通基盤(=会員流通貨幣の存在)をCGMとしての強みにどう変換できるかがポイントになりそうです。

最後に、当ブログを置いている「gooブログ」については、数字的にはなんとも”中くらい”な位置にいる状態ですが、gooラボと銘打つ商用実験でブログ全文検索やリアルタイムで全ブログからのリンク対象サイト集計ランキングを提供したり、携帯で撮影した動画を直接アップできる機能を提供するなど、他事業者とは一風変わった周辺サービス・機能が特徴になっています。また、上位のブログサイトが悩んでいる表示速度の面が良好で、NTTグループらしい設備余力を感じさせます。ただターゲットが不明確で色が見えないため、エッジなものを好むブログユーザには決め手に欠ける感が否めないところが課題と思われます。よかれ悪しかれ数字的に”中くらい”なのですから、今後はもう少し誰にどういうふうに使ってほしいのかを明確にすることが肝要と思われます。


2004年、雨後のタケノコのように乱立したブログホスティングサービス群も、今年は各社それぞれの戦略の中で”ビジネスベース”に乗せることが要求される時期を迎えます。また同時に、現時点ではまだまだマジョリティには十分リーチしていない「ブログ」という極めてインターネットらしい可能性を秘めたサービスを、現在の勢いを止めることなく一般層に普及させていくことも大きな課題です。片側では、ソーシャルネットワーキングにカテゴライズされているものの、これらブログサービス群同様に日記を軸としたコミュニティである「mixi」が、23万ユーザ×70%のアクティブ率という脅威の粘着力でユーザを囲い込み、なお成長速度を速めています。
「個」の時代、「コミュニケーション」の時代と言われる中で最もアツい「CGMの覇権争奪戦」が今年どのように進行するか、楽しみにウォッチしていきましょう。

出展:blogfan.org

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2005年01月17日

震災から10年

阪神・淡路大震災から今日で10年の月日が流れた。テレビでは数日前から被災者追悼の番組が大量に垂れ流されている。

私は1995年当時、大学生として神戸市灘区岩屋に住んでいた。
地震のその日、あまりに変わり果てた街の姿、燃え盛る家々、垂れ下がる電線、その上空を飛ぶ自衛隊のヘリの姿を見て、あまりに現実感がなく、自分自身が映画かドラマのワンシーンにいるような錯覚に襲われたのを鮮明に覚えている。不謹慎かもしれないが、そんな感覚が実態だ。人間が現実を現実として捉えるには、それが非日常なものであればあるほどその現実をそのカタチのものとして受容するのに時間がかかる。今思えば、ちょうど初めての子供が生まれた日の「まだ人の親になった実感はないけど親になったんだ」というような感覚に似ていたように思う。

昨日昼飯を食った食堂の厨房が丸見えになって炎の中で焼け焦げていくのが見える。昨日当たり前に通過していた近所の高架陸橋が堕ちてその下でタクシーの払い下げみたいな古びたクラウンがぺしゃんこにひしゃげている。一昨日彼女と一緒にミスチルやらドリカムやらを歌ってたカラオケ屋のビルがきれいに一番下で折れて看板もなにもそののままで真横90度になっている。
当たり前だと思っていた日常が一夜のうちに消え去るということが、なんて簡単に、なんて当然のことように起こってしまうのだろう、というような想像しやすい思考が私の頭にやってきたのなど、地震から何ヶ月も経った後のことだった。そういうものだ。

私は震災後数ヶ月間、一度も神戸を離れることなく避難所での力仕事や被災した高校受験生たちに勉強を教えるボランティアなどをやっていた。そのころノーヘル原付バイクで長田区や兵庫区のアスベスト飛散地域を毎日走り回っていた。そのときは、「これでガンになろうとどうしようと、全く関係ない。今こうして生きてるだけでももうけもんや」などと考えていたのを思い出す。若かった。最近体調の悪い日が続き、まずそんな当時のこととは関係ないに違いないのだが、そんなことをふと思い出して苦笑いしてみたりしている。

あれから10年。私は歳をとり、当時の彼女と結婚し、2人の子供がいる。

あの時たくさんの人たちとふれあって、有り体だがたくさんの人たちの心の暖かさにふれて、人間ってすばらしい、というようなことも感じた。あの時に「絶対にこのことを忘れない」と思っていたことのうち、まだまだ鮮明に覚えていること、10年でもう忘れかかっていること、紡ぎだせばきりがないほど濃縮された記憶が私の中に残っている。そんな記憶をもう一度たぐりよせながら、今、こうして無事に生きていられるということがどれだけ幸せなことか、こうして生きているということがどれだけ大切にしなくてはいけないことか、もう一度考え直したい。


被災者の皆様に合掌

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2005年01月11日

ソーシャルネットワーキング.jpのSNS101夜

●【101夜目】ソーシャルネットワーキング.jp

ソーシャルネットワーキング.jpの原田氏がSNS101夜シリーズを書き終えたようです。
原田氏は日本のSNS勃興の時期にはマス対象のコミュニティリーダーとしてmixi、GREE等を盛り上げ、9月からは有数のSNSウォッチャーとしてほぼ毎日欠かさず複数のSNS関連記事をアップされています。mixi無敵会議や無敵会議SNS編での講演も記憶に新しい。ちなみにYahoo!検索でも「ソーシャルネットワーキング」や「SNS」のYahoo!登録サイトとして唯一SNサービスではないサイトながらも登録されている貴重な存在であり、日本で「2004年はSNSの年」と言われるに至った最大の功労者の一人といえるでしょう。ひとまず、自身で計画された101夜のSNS紹介シリーズを完遂されたことに大きな拍手をお送りしたいです。


その101夜目でソーシャルネットワーキングの定義(いわく最大公約数)として

「個の場があり、それらの関係性が可視化されているサービス」

というものを上げていらっしゃいます。
解釈させていただくと、「個」とは単なる個々人というだけの意味ではなく、実名・ハンドルに関わらずなんらかの特定可能な個としてアイデンティファイされた存在を意味しており、その人のアイデンティティをあるフレームに則って明示する場(マイページ)がある、ということだと思います。また「関係性」とはマス向けのSNSに多く見られるリンク関係にとどまらず、共通の趣味・ブックマーク・読者・共感といった個同士のコミュニケーションを促進しかつそのコミュニティに対する信頼感・安心感・所属感を醸成する、もしくはその人がストックとして管理しやすくする各種の機能、を指していて、その関係性が他のコミュニティメンバーに対して視覚的にオープンである、ということと考えます。

原田さん、これからもがんばってください。応援しています。

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2005年01月07日

ビル・ゲイツのCES基調講演

ビル・ゲイツ、CES基調講演--TiVoとの提携などを発表
【CESリポート】ビル・ゲイツが考えるデジタルライフ新時代とは?

TiVoとの提携という事実を除けば特に新たなコンセプトを示すことのなかったビル・ゲイツのCES基調講演。「Tivo」に録画した番組をPortable Media CenterやSmartphoneで動く携帯端末に転送して楽しめるようになるということだが、それ自体はあまり特別視するほどの新機軸ではない。

しかしながら、『デジタルに明るくない世代の人間でも、孫がデジタル機器で何をしているのかを理解できるような世界を作りたい』という考え方を明確にし、その方法論としてのマルチデバイスの接続仕様共通化の必要性を訴えている点には共感できる。

日本の高年齢層(40歳以上)の場合、ほぼ全くPCのキーボードに触れることをも拒否している層が特に多い実情があるが、そういった人々に対して、いかにやさしいインターフェースで、いかに生活に密着した必要性やメリットを付加したサービスを提供できるか、がIT業界に共通する今最大の課題であることは間違いない。ITリテラシーというような言葉自体が必要なくなるような、ITを使っている感覚を持たせる必要のないサービスが求められるフェーズに来ているのだ。

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2005年01月06日

PodCastingの可能性

急速に広まる『ポッドキャスティング』 -HotWired
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「私はポッドキャスティングを、将来ラジオの代わりになるものだと考えている……。需要の側が自ら供給するための手段だ」
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スラッシャー氏は、「私が関心を持つのは、いくつかの興味深いテーマ、愉快な話術や声、独自性、感情面での素直さや誠実さといった要素が組み合わさったものだ」と語る。
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USでもまだ緒についたばかりのPodCastingが日本でムーブメントになるかどうかはまったく未知数ですが、広告産業サイドから見たときに触手を動かしたくなる媒体であることは間違いないでしょう。実サービスとして浸透する折にはかなり明確にセグメントされたユーザに対しての音声メディアとなり、かつ現在のRSSキーワード検索に類する技術が主たるナビゲーションを担うことが予想されるため、音声ペイドリスティング広告の土台ともなります。

また、日本での適用を考えたときにはやはり端末はケータイでしょう。既存の3G向けサービスである着モーションやらEZチャンネルも今後の発展に期待を持ちますが、よりオープンなコンテンツ供給の可能性を広げるために、まずは音声メディアのコンテンツ供給者たちが広告モデルによる自立を確保できる基礎を作ることと、そのオープン供給コンテンツの検索性について、プラットフォーマーとしてのドコモやAUは追求してほしいものです。
1ユーザとして、朝の電車で好みのブログ&ニュースの読み上げ音声なんか、ケータイで聞けたら便利だな、とは思いますしね。

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2005年01月03日

2005年

お正月である。一年の計など。

帰省してネットに侵された生活を離れ、滋賀の田舎で人々と普通に触れ合っていると、やっぱりネットってまだまだフツーの人の道具にはなっていないよね、ということを感じる。みんなもそういうふうに感じること、あるよね。
ネットでなんでも検索したりメール以外でネットコミュニケーションしたり、ってこと自体がまだまだフツーじゃないよねmixiやってる自分ってまだヘンコだよねw とか。

でも、徐々に加速をつけてネットがフツーになってきてるんだ、っていうのが、2004年に私が叫び続けてたことだった。2003年までにそのフツーじゃなさを勘違いしてたくさんの失敗を犯していたから、余計に2004年の「ネットのフツー化」を肌で感じた。

常時接続インフラのクリティカルマス超えも、CMSの一般化をはじめとするユーザ側技術障壁の低下も、プロ野球騒動に象徴される戦後経済最後の砦たちの崩壊と新勢力の社会的大企業化も、社会に出る前からネットに親しんでいた層が家計を司り始めているという時間軸も、いろんなことがいっしょになって、ネットをフツーのものにするスパイラルを起こした一年だったように思う。

では2005年はどうなるか。

「IT」呼ばわりされる企業株やら周辺の熱気やらがまたバブリっぽいにおいを発していることもあるが、今現在PC向けサービスとしてブレイクしている検索とネットコミュニケーションの周辺は定常飛行感が出て若干沈静化してきて、中後半にかけてケータイやTVといったノンPC向けのサービスが熱くなってくるんじゃないか、と予想する。

2005はRSSの年とか言ってる人多いけどちょっと現実感を超えて思考が行き切ってる感じするよね。なんだかビットバレーの悪い面っぽい、熱くなって世間が狭くなってきてる人の言い口っぽい感じがする。フツーの人から遠すぎるよ。

別背景として、ケータイパケ定額制普及とHDDレコーダーの一般化があるし、ドコモの開発費拠出端末の一巡や、家電サイドでもオリンピック景気の新三種の神器熱が冷めてきてまたネット連動やコンテンツやといった話題作り方向の消費刺激策を打たざるを得ない時期なこともある。

これが現実化する流れの中で、検索・CGM・ECの三軸に収斂されてきている今のネット業界の熱量と、家電業界ががんばるであろうノンPCインターフェースでのデバイス&サービス強化融合合戦と、主婦・一般層に「こういったものたち」が普及し始めている時間軸的背景とがないまぜになって2005年には日本発の新たな流れができてくれることを期待する。

それにはおそらく、日本的な強みを持っている重家電系企業群とUSの影響を色濃く受けたネット系企業群がちゃんと横に肩を並べてパートナーシップを組んでいくという異文化融合的なムーブメントが必要だ。そういうところに携わっていく人々にエールを送る。私もがんばる。

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