2008年09月02日
インタレストマッチ広告 雑感
先週木曜の話になりますが、ヤフーとオーバーチュア協賛、AMN主催の「インタレストマッチと広告の未来」 ブロガーミーティングに行ってきました。レポートはすでにいろんなところで上がっていますので雑感だけ。
先日リリースが出された時点でこちらのエントリーで少し疑問に感じた点など上げていたのですが、そんなにややこしいお話ではなかったようです。
インタレストマッチは基本的には「過去の行動履歴+直近の検索リファラー」に対してターゲティングする広告商品のようです。そして、クライアント側が出稿時に「キーワード」に加えて「地域・性別・年代・時間帯」を指定してセグメンテーション配信できる、ということ。要は「属性を細かく指定できる行動ターゲティング広告」ということのようです(私の理解では)。
今回は完全に日本で開発した日本発の商品ということで、日本のマーケットにいる私たちとしてはマーケットリーダー・ヤフーの日本市場活性化策はうれしいことです。しかしながら、当分はまだ既存検索広告とは異なるアドネットワークとして販売展開なさるとのお話が気にかかります。
今回はただでさえ属性指定の商品なためにマッチングの精度を上げるにはこれまで以上に出稿側の量が必要にも関わらず、そこにせっかくの既存クライアント量を活かせない、ということで、(あくまで相対的にですが)当初のマッチング精度には苦労されることになるのかな、と邪推します。おそらく、精度が出ない面にはコンテンツマッチで代替されるのでしょうか。とすると、MicroAdさんの当初のアプローチに近い、ということになるのかな? (全体的に勝手な推測)
とは言えなにぶん、ヤフーさんの持つ純度高く大きな行動履歴取得媒体ネットワークで取られた行動履歴を活かしてターゲティング広告を出せるということで、出稿側や媒体側には早晩魅力的な商品になっていくのではないでしょうか。
あと、行動ターゲティング広告に付きまとう「プライバシー問題」については、真摯ながらもあっけらかんとしたスタンスで臨んでいらっしゃる姿が印象的でした。ここの部分についてが一番今回のブロガーミーティングをなさった価値になっているのではないかな。やっぱりやっている人の顔が見えるとプライバシーに関する疑念なんかが緩んでいきますし。
レポートはこちら↓にまとまっています。
「インタレストマッチと広告の未来」 ブロガーミーティングにご参加頂き、ありがとうございました|ブログ|Agile Media Network
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2008年07月17日
ヤフーが関心事ターゲティング広告「インタレストマッチ」をリリースする件
Yahoo!Japanとオーバーチュアがユーザーの行動・属性・地域といった複合要素を解析してマッチング広告を表示する新商品を発表したとのこと。開始は2008年秋。
ヤフーとオーバーチュア、新広告「インタレストマッチ」を発表 - ユーザーの関心事にターゲティング :: SEM R
この新広告は、ヤフーが買収したブレイナーの技術や昨年子会社化したオーバーチュアの営業・運用ノウハウを結集して開発した。
インタレストマッチは、(1) ユーザーが現在閲覧中のサイト内容、(2) ユーザーの過去の閲覧履歴、(3) 都道府県など72エリアに分割した配信地域や性別、年代による絞込み、(4) 時間指定、など複数の要素を加味して広告配信を行う。
ブレイナーの技術ベースということは完全日本国内開発のようですね。US側の買収騒動もあって、商品サービス開発面でのYahoo!Japanの独立性がかなり担保されるようになってきたのでしょうか。
このところ、レコメンデーション、行動ターゲティング、複数要素解析ターゲティングの商品やサービスが百花繚乱な中、これは真打登場と言えるでしょう。特に最近楽天・livedoorとの連携を発表しているドリコムさんのAd4Uにはガチンコの競合。資本提携を含めて2ポータルを先に抑えられたのはスピード勝ちでしたが、Yahoo!が本気でネットワーク効果を発揮させてくる時には厳しい闘いになりますね。
ちなみにこの手のターゲティングにはクライアント側の商材/目的/メッセージのセグメンテーションもしておかないと片手落ちになる、もしくは精度のチューニングが進まないのではないかな、と思うけどそんなことは当然折り込み済みで出稿時の申請かオーバーチュアさんの運用で対応するのかな。
なにぶん、リリース時の商品詳細と実運用後のマッチング精度・効果がたいへん楽しみです。
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2008年07月12日
広告系総会(夏)に行ってきた
7月11日夜は広告系総会(夏)に参加してました。近江商人は広告系でもなんでもないのですがすいません。
電博のご重鎮からGoogleの新進気鋭の新人さんまで、150人の広告やメディアに携わる人たちが品川の1000平米くらいの夜空の下に集まってアツアツの時間。もしあそこに爆弾落ちてたらあちらの言葉で言うところの日本の「インタラ(クティブ)系」は崩壊してたんでしょうね。
私個人は早速うれしそうにiPhone3GとiPhone2Gのワンセットを携えて、1stインプレッションを皆さんと共有したりしてました。iPhoneのような媒介(メディア)を挟んでトークしていると、お話しする方のことが短時間で多めに理解できるので楽しいです。そんな意味でもiPhone価値高い。
印象に残ってるのは、はてな川崎さんとしたはてブの今後の話と、29manさんとした「とはいえiPhoneぶっこんどくべきじゃね?」の話と、タカヒロさんとした「位置にタグ×AR」の話かな。あれ?全然広告系の話してない(笑)
それはさておき、新しい素敵な出会いもありました。仕切りをしてくださったタカヒロさん、広告会議さん、運営の皆様、ありがとうございました!
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2008年07月03日
クリックレートを高める画像クリエイティブ
今朝アップしたエントリーで画像を大量に上げていました。
マイネット・ジャパン2周年決起パーティをした | 近江商人JINBLOG
アップ12時間でのその画像たち閲覧数を見てみると、
1枚目の乾杯: 28
2枚目の歓談: 19
3枚目の笠原・上原2ショット: 30
4枚目の決意表明: 14
5枚目の屋上乾杯: 14
6枚目の男2人: 17
7枚目の女子2人・男1人: 31 (!)
8枚目の男3人: 10
1枚目は1stビューにも入りますので比較的高い数値。
3枚目は「ミクシィの笠原社長」というコンテンツバリューで高めですね。
そして7枚目。
下から2枚目という位置で中央にむさくるしい男がいるにも関わらず、女子2人がそこに写っているというだけでトップのクリック数を記録しています。
この他、人の表情がくっきりとわかるもののクリックレートが相対的に高いようです。
つまりクリックレートを高める画像クリエイティブは『若い女性×表情くっきり』で行くのが一番、ということですね。そこにコンテンツバリュー(有名人とか)もあって、それが1stビューに入ってたら完璧、と。
ちなみになかの人によるとこのブログの訪問者の84%は男性で年齢帯は30歳をピークにして20-40歳でほぼ釣鐘型、広義のIT/情報通信関連の企業にお勤めの方々が多いようです。
あ、そういう読者層なら当たり前ですかそうですか。 結構モロに数字に表れていたので書きたくなってしまいました。でもこんなのはもちろんちゃんとした統計でもなんでもないのでそこんとこはどうぞひとつ。
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2008年01月16日
ヤフーが行動ターゲティング動画CM
このところヤフーさんが行動ターゲティング広告に関する発表ラッシュですね。
ヤフー、行動ターゲティング インターネットCMを2月より掲載 - CNET Japan
今回、行動ターゲティング インターネットCMを広告商品に追加することで、利用者にとって有用な情報を広告として掲載できるようになり、また広告主にとってはCMによるブランディング・認知獲得効果をさらに高めることが可能になるとしている。
殊更に「利用者にとって有用な情報を広告として」が強調されている気がするのはうがった目線過ぎですね。おそらくこの方向性はテキストやバナーベースの広告を行動ターゲティングするよりも有用な商品になると思われます。消費者にとってイヤでも目に飛び込んでくる動画視聴前CMが自分の興味に近いものになってくれるわけですしね。
大ヤフーがここに力を入れるのに伴って、ネット動画広告本来の大課題である「TVのCM映像をそのまま流してもダメ」というポイントがクライアントにしっかりと認識され、広告キャンペーンの企画段階でネット動画CM予算が組まれるのが通例化するといいですね。
関連して、以前上げたエントリーを思い出しましたので以下に貼り付けておきます。で、Googleさんは行動ターゲティング動画CMはなさらないのですかね?それとももうこそーりと始まってます?
発見・GoogleのClick-to-Pay動画広告 | 近江商人JINBLOG
こんな普通のTV-CMとほぼ同じクリエイティブを流すだけでい続けたら、クリックレートは日日下がっていくことになるでしょう。TV画面とPC画面では、向かうユーザーのスタンスが違う(前傾30度姿勢、マウス動作、能動的)のですから、出稿主側が「PC画面に最適化した動画広告」をチューニングしていかないと。例えばタレントの顔ドアップでメッセージを訴える(目をそらさせない)系、とか、ポインタでつかんでずらすと画面枠の外のシーンが見える(mapぽく)系、とか。
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2008年01月12日
広告系ブロガー新年会で考えたこと
1月11日は「広告系ブロガー新年会」に参加していました。幹事を勤めてくださったmediologicタカヒロさん、広告会議さん、コウコクデアソブさん、ありがとうございました。
すでに広告会議さんが参加者の感想エントリーのまとめをなさっていますが、なんともいやはやアツい場でした。久々ですね、オフ会で味わうこの感覚。参加者総勢95名。広告代理店等に勤める文字通りの「広告系ブロガー」な方々を中心に、メディア側の人、ネット企業で広告サービスをやっている人、「あんた広告関係ないがなっ」という人(キャズムの人とかw)などなど。
最初座ったら隣が広告βさんで驚いたり、3年以上RSS購読し続けている方と初めてお会いできたり、先日スタートしてチェックしまくりの業界人間ベムさんの顔と名前が一致したりと、かなりアツアツの楽しい時間を過ごさせていただきました。
いろんな方とごあいさつしていろんなお話をさせていただいたのですが、個人的にえらく印象に残ったのが、自ら最年長だろうとおっしゃっていた「広告とABC/ABMについての考察」の方との会話。自己紹介の折にこの「広告」と「ABC/ABM」を並べて思考していらっしゃる方がいると知ってとてつもなく興味を引かれました。
「ABC/ABM」というのは「活動基準原価計算/活動基準管理」の意で、要は間接費をリニアに管理しようとする手法。ある意味(今の?日本の?)広告業の有様とはちょうど間逆にあたる手法であり、そこを同時に語ろうとしている人の頭の中身を知りたくて仕方なくなりました。
トイレに行こうと思ったところでたまたますれ違ったので、ご挨拶してそのままトイレ前で20分くらい議論させていただいて、なんとも勉強になりました。外資系代理店では既にフィーの見積にABC/ABMが求められているということ、ある意味ネット広告側では活動/結果とフィーがリニアになりすぎることを避けていく方向が求められつつあるのとちょうど間逆の波が外資代理店を切り出しにして起こり始めている、という話。興味深い。
あと、、自己紹介がまわってきたときに、流れ的に何かウケ狙っとかななー、と思って「趣味は○上です」という自虐ネタをやってしまったのですが、二次会で徳力さんらにこっぴどく叱られました。「あんたはそっちのキャラで行きたいのか!」と。すいません、もうしません。
あと、元ドリコム加藤氏の退職時経営陣非難発言について、会に来ていた'07新卒ドリコム社員たちと話した上で改めて感じたところがあったので擁護的に「私たちはあれを一般社会がする”言っちゃいけないこと言っちゃった”的な捉え方をするべきではない、ブログコミュニケーションを知る者としてエントリー単体でなく連なったTB/コメントや彼の前後エントリーを見てより文脈全体で捉えるべき。」というようなことを話したところ、これまた二次会で同じテーブルにいらした方々に叱られました。うーん、そうなのかなー。この話はまた別途書こう。
また、ブログ周辺での大きなテーマである「コミュニティの蛸壺化と蛸壺間交流」について、おそらく今回の新年会で「広告系ブロガー」というすばらしい蛸壺が形成されたわけですので、次はたとえば「はてな蛸壺」とか「ケータイ小説蛸壺」とかとの蛸壺間交流の場がセットされたりするとものすごい価値高いんだろうな、なんてことを思いました。
なんか話がごちゃごちゃしてしまいましたが、なにぶん得がたい出会いと思考をたくさんいただきました。皆様ありがとうございました!
・・・ところで近江商人って広告系ブロガーだっけ?
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2007年12月14日
行動ターゲティングは個人メディアには合わないと思っている件
ヤフーさんがブログや個人サイト向けに行動ターゲティング広告ネットワークのサービスを始めたとのことですね。
ヤフー、行動ターゲティング広告配信システムを個人サイトに提供:マーケティング - CNET Japan
広告はサイトを訪れた人がYahoo! JAPANでどのようなサービスを閲覧したか、どんなキーワードで検索したかといった行動を元に、興味を持ちそうなものが配信される。掲載される広告をサイト運営者が選ぶことはできない。
この話からすると、行動ターゲティングといっても、行動履歴解析ではなくてリターゲティング(Yahoo!オートを見た人を追いかけて行って、他のサイトでも車の広告出す、みたいな)のようですね。これ↓に近い。
逃した見込み顧客を取り戻せ--サイバーエージェント、リターゲティング広告を開始
※リターゲティングと言い切るのは早とちりかもしれません。Yahoo!さんレベルの訪問者数があれば、カテゴライズされた自社媒体内での行動履歴解析に基づいてパートナーサイトにターゲティング広告を配信することができますね。
個人的にはリターゲティングを「行動ターゲティング」と呼ぶのは紛らわしくてよくないと思っているのですが、まあそんなこだわりはどうでもいいですね。
2006年時点でブログ向けの広告ネットワークに行動ターゲティングを組み込んで華々しくデビューしたMicroAdさんが結構苦戦されてるのは、ブログというものが一貫した話題で書き続けられるものではないために、ユーザーの嗜好性を解析しようにも媒体側が可変過ぎてまともに嗜好性を定義できない、という理由があったものと思います。
USの方で行動ターゲティング広告が市場として成立しているのは、市場勃興時点でブログがメディアとして認識されるほどになっていなかったので、媒体側がちゃんと一貫したコンテンツ提供をしている前提があって設計され、その通りに1:Nな媒体に早くに普及してネットワークが成立したからだと認識しています。というか、そもそも行動履歴解析型の広告は個人メディアには向いてないんですよね。
でもって、リターゲティングってそれなりに効果が出るのは当然だとは思いますが、何というかちょっとストーキング的でユーザー視点ではやっぱり嫌な感じがしてしまいますし、そういうものってなかなか普及し切らないんだろうな、と。べき論として、行動ターゲティングって「ユーザー的にうれしい情報が提示される」という視点でこそ意味があるし普及もするのだろうと思うし。
ロングテールな個人メディアの書き手が気持ちよくおこづかい稼ぎする手法としてAdsenseを超えるものを、という思考は多くの人が回しているところだと思いますが、行動ターゲティングはその答えではないんだろうな、ということまでは個人的に思っているところです。
なつかしい、だいぶ前にこんな記事書いてたの思い出しつつ、もうちょっと頭まわしてみよう。
MarkeZine:◎行動ターゲティング~広告をコンテンツにする~
「行動ターゲティング」の本質は「ユーザにとって価値の高い情報・広告を提示する」という部分にあり、インターネット業界全体の共通課題である「広告をコンテンツにする」というテーマに対するアプローチであることを忘れてはいけません。
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2006年11月26日
広告は広告である時点で避けられる
織田さんのところにて刺激的な数字。
米18歳以上15000人を対象にした調査によると、92.5%がいつも、あるいは時々広告を避けている、ということがわかった。そして、広告を避けている人たちの、40%がクチコミによって影響を得ているという。
もはや広告は「広告」と呼ばれる存在としては生きながらえない、ということになるのでしょうか。近江商人の十教訓の中に『良き品を売ることは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり』という節がありまして、その意味での「広告」は善なり、という考えを持っている者としては若干切ないところもあります。
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2006年06月14日
発見・GoogleのClick-to-Pay動画広告
さきほどふと自分のブログの過去エントリーをチェックしていたら、このブログの右ナビ内250×250のGoogle Adsenseエリアに、先月Googleが開始した「Click-to-Play動画広告」が掲出されていることに気づきました。
特に申請もしていないのに掲出されたので驚きました。NECの「IT、で、eco」という広告でした。(gooやGoogleで「IT eco」と検索しても全然出てこない。。NECさん(代理店さん)、キャンペーンのキャッチコピーにSEM/SEOは必須中の必須ですよ!)
動画が表示されるGoogleのスキン部分はさっぱりしていて好印象。映像の流れている時間、映像上にポインタを持っていくとキャンペーンサイトへのクリックが促されますが、この見え方もいやらしくなくてよいですね。Youtube慣れしてきたネットコアユーザーは結構自然に押すかもしれませんね。一回は。
でも、こんな普通のTV-CMとほぼ同じクリエイティブを流すだけでい続けたら、クリックレートは日日下がっていくことになるでしょう。TV画面とPC画面では、向かうユーザーのスタンスが違う(前傾30度姿勢、マウス動作、能動的)のですから、出稿主側が「PC画面に最適化した動画広告」をチューニングしていかないと。例えばタレントの顔ドアップでメッセージを訴える(目をそらさせない)系、とか、ポインタでつかんでずらすと画面枠の外のシーンが見える(mapぽく)系、とか。
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2006年05月29日
行動ターゲティング広告
日本全体の景気回復にも後押しされて、国内のインターネット広告市場は急成長を続けています。その成長の牽引役となっているのはP4P(Pay for Performance)と呼ばれる検索連動型やコンテンツ連動型の広告市場です。2004年から2005年の一年間で2倍近い成長を遂げているこの分野には、ここ数年で多くの事業者(SEM/SEOをコア事業と謳う会社)が参入してしのぎを削っていますが、一部ではすでに「2008年にはP4P市場の成長は鈍化する」という予測も出ています。ではその次に市場を牽引するのは何になるのか、という議論がエバンジェリストたちの間で起こる中、その最有力とされているのが「行動ターゲティング」の領域です。
「行動ターゲティング」という言葉が国内で使われるようになったのはまだ最近のことで、語る人によって「行動分析型ターゲティング」と表現されたり、USでの呼称である「Behavioral Targeting(BT)」という語で表されたりもしています。ここでは英語の直訳である「行動ターゲティング」に統一して記述を進めます。
「行動ターゲティング」を簡単に定義すると、「ユーザーのオンライン行動を分析し、そのユーザーにとって価値の高い情報・広告を提示する手法」となります。
ユーザーのオンライン行動とは、検索キーワード入力やサイトの訪問、オンラインでの購買といったものです。ユーザーが残していくこれらの行動履歴をサイト側で蓄積して解析すると、そのユーザーにとって価値の高い情報がどのようなものであるかがある程度把握できます。例えば、検索サイトで「育児」や「離乳食」といったキーワードで検索をしていたユーザーが、オークションサイトでベビー服を落札した後におもちゃの販売サイトを訪問したとすると、そこでそのユーザーに提示される情報や広告は、RPGのビデオゲームやパーティーグッズではなく知育玩具や絵本といったものである方が価値が高いだろうということは想像に難くありません。行動ターゲティングとはこのように、ユーザーの行動履歴を知ることによってユーザーが欲している物・情報を推測し、適切な情報を提供するマッチング手法です。
行動ターゲティングは「広告」の視点で議論が進められている部分が大きいため、どうしても「ユーザー行動にマッチした、クリック率やアクション率の高い広告手法」というような提供側論理の定義が表に出がちです。しかし、広告主や広告代理店が儲けるためにユーザーの行動を分析することに重心をおくと、ユーザーはプライバシーの侵害を恐れて行動履歴の提供を拒絶してしまいます。
行動ターゲティングの本質は「ユーザーにとって価値の高い情報・広告を提示する」という部分にあり、インターネット業界全体の共通課題である「広告をコンテンツにする」というテーマに対するアプローチであることを忘れてはいけません。
つづく、かもしれない。
special thanks to アイカワさん@じだらく
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2006年05月23日
トラックバックスパム広告の訂正文
先日、スパムトラックバック広告ビジネスという記事で指摘した、ジョーカーピース社のオートトラックバック機能については、当該事業者から「誤解です」との発表がありましたので、以下、その発表文を引用させていただきます。
お客様にご指摘されております「トラックバック自動送信」および「オートトラックバック機能」と称される機能は、言葉より連想されるような「無差別にトラックバックを送信する」という機能ではなく、決してスパム行為を助長するものではございません。誤解を招いた機能について、以下詳細にご説明いたします。
まず、この機能の趣旨はブログ検索によって得られた結果から第三者ブログを閲覧し、その結果トラックバックURLをコピーし、自分のブログへトラックバックURLを貼り付けるという動作を簡略化しようとしたものです。
基本的なトラックバック送信の流れといたしまして
1. ブログ検索でキーワード検索する。
2. 検索から得られた第三者ブログで、近い内容または同調できる内容であり、かつ、そのブログにトラックバックを許可されていることを確認できれば、トラックバックURLをコピーすると思います。
3. コピーしたトラックバックURLを記事を投稿するときに入力します。
4. 投稿の結果、トラックバックが反映されます。
報道をされたCNETさんからも訂正文が出ています。
オートトラックバック機能の説明について、「似ている内容の記事にトラックバックを送信する機能」としておりましたが、「似ている内容の記事を一覧表示し、トラックバックを送信したいブログを選択できる機能」の誤りです。ご迷惑をおかけしたことを深くお詫びし、訂正いたします。
本来の意図が何であったかは知りませんが、なにぶん結果的には「オートトラックバック機能」というよりも、「オートでトラックバック先リコメンド機能」だったようですね。ほっとしました。が、実際のところは切込隊長が指摘している通り、ひっそりやっている人はたくさんいるお話だったと思いますし、その問題提起をブログスフィアに行ったという意味ではジョーカーピースさんの誤解を招く発表は怪我の功名(ジョーカーピースさんが怪我をして、ブログスフィアに対する功名を残した)だったのかもしれませんね。
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2006年05月18日
スパムトラックバック広告ビジネス
何を考えてるのか、まったく分からない。というか、ブログを書いている人の気持ちをまったく理解していない人が「ブログ」という語を使って商売しようとするのは金輪際やめにしていただきたい。
ジョーカーピース、ブログ向けのコンテンツ連動型広告サービス「A-walk」を開始
投稿した記事を解析し、日本国内のブログ記事のほとんどを検索範囲として、その中から似ている内容の記事にトラックバックを送信する。ブログ自体でなく記事に連動するため、より効果的な広告を閲覧者に配信できる。
ただのスパムトラックバック代行受託サービスじゃないか。トラックバックは本来「相互リンク効率化」のための仕組みだ。今は個々人ユーザーレベルでは「参考になりました通知」や「関係してますよ通知」になっていて、それも個々人であれば許容できるか、という空気になってはいるが、それを胸を張ってビジネスにしようとする感覚が全く理解できない。そのトラックバックを受けたブロガーがどういう気持ちを持つか、全く考えていないんじゃないですか?「スパムトラックバックありがとうございます」とでも?
「コンテンツマッチ」とかいっても、「広告をコンテンツにする」はネット事業者共通のテーマになっているが、「スパムトラックバックをコンテンツにする」なんて話はない。
というか、各ブログ事業者のみなさまはスパムフィルタONする、でしょ。
※ジョーカーピース社から、発表内容に関する訂正文が出ていましたので、その内容をアップしました。合わせてご参照ください。
(本稿は上原仁個人の見解であり、gooの公式見解ではありません。)
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2005年08月30日
GoogleのAdwords表示が結果中央組み込みに
このところ噂に上がっているGoogleの検索キーワード広告「Adwords」の検索結果中央部への組み込みが現実のものになっている。ABテスト中と思われる検索結果画面での画像が下記。
Google Testing New Formats, AdWords & Otherwise -SearchViews
Is Google testing a new AdWords format or is it just getting ready for Easter a little early? An array of pastel-hued ads appeared on three sponsored ads for a few users.
Googleは11月下旬までにこの検索結果内に「Choice」というラベリングで表示するAdwords広告を導入する準備にかかっているといううわさ。現在は試験期間と思われるが、時折検索結果画面にナチュラルに組み込まれた3本のスポンサードキーワード広告が表示される。
これまでのGoogleは、他社へAdwords広告をASP提供するときには広告を検索結果上部に配置するなどのチューニング(オプティマイゼーションと呼ぶ)をしてクリックスルーレートを高めるようにしながら、自社サービスについては一貫してAdwords広告を検索結果に混合することなく、右ナビへ別掲示する形態を採ってきた。今回はその方針の大幅な変更となる。
今回の変更が実現すると、GoogAdwordsのクリックスルーレートは格段に上がることになりそうだが、同時に、特に検索広告と検索結果の紛らわしい表示を嫌う比較的ヘビーなエンドユーザの反感を買うことも予想される。
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2005年02月18日
インターネット広告市場拡大のやさしい分析
インターネット広告費が1814億円となりラジオ広告を上回りました。
4大メディアと言われたテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の一角を崩したという格好ですが、そのこと自体はいずれ来ることがわかっていたことですので、ここでむしろ着目すべき点は「前年比153%」という伸び率です。ネットバブルがはじけた2000年以降の4年間、インターネット広告市場の伸び率は、'00→'01で124%、その後115%、140%と来て、またも5割増の大台に戻したわけです。その間の広告市場全体の伸び率は96%とマイナス成長です。
NRIによる過去の市場予測では、2004年インターネット広告市場規模は一昨年時点では1,204億円と予測され、昨年時点でも1,730億円と予測されていました。これは権威あるNRIの見解として「インターネット広告市場は前年度伸び率以上の成長性は今後も見込めない」という判断があってこのように予測されていたものです。昨年の市場成長はこの見解を2年連続で覆したということですので、規格外の成長であるという捉え方が順当です。
このインターネット広告の成長力復活の要因は、3つのポイントに絞られます。①常時接続環境の普及による媒体接触時間の長時間化、②Adwords・Overture等のキーワードマッチ広告の登場・普及、③大手広告代理店のインターネット媒体見直しによるナショナルクライアントの出稿増加、です。これら3つの要因はそれぞれが相互に作用し合っています。
ヤフーBBのパラソル部隊+格安IP電話による街頭販売戦略は、これまでインターネットにあまり積極的でなかった層の需要を喚起しました。この層はインターネットをすでに一般用語として認識しながらもそこに深く参加していなかった層であるため、ネット先進層らがインターネットに対して持っている疑り深さやネット=無料の感覚が薄く、広告、特に自分のアクションに対して適切なレスポンスをくれるキーワードマッチ広告を違和感なく受け入れています。このことがキーワードマッチ広告の普及を促進しました。
キーワードマッチ広告が成長して困るのは大手広告代理店です。キーワードマッチ広告枠はGoogleやOvertureがインターネットを介して直接クライアントと取引するため広告代理店は基本的に介在しません。これまで4大メディア媒体枠の買取を少数社で寡占しその媒体枠をクライアントに売りさばくことで収益を上げていた代理店としては、自業界が介在しない広告市場が存在感を増してしまうことが大変大きな問題なのです。とはいえ、キーワードマッチ広告は1クリック7円からという低単価の商材であるため、単発で広告代理店が介在するには利幅が薄すぎました。このため、Yahoo!のトップバナーをはじめとする高単価商材と抱き合わせでキーワードマッチ広告にも介在するという手法で、ドル箱であるナショナルクライアントの広告費が自業界をスルーしてしまうことを防ごうとした、という動きが③の背景にあります。
もちろん、インターネットユーザの裾野拡大によってナショナルクライアントがインターネットを自社商品を露出する媒体として認知したことや、テレビとインターネットの同時”ながら”利用者の増加を捉えたクロスメディアキャンペーンといった手法が普及したという一般的な捉え方も大きな要因ですのでお忘れなく。
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